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芝の新馬上位人気馬限定・POG期間厩舎成績(須田鷹雄)

  • 2014年12月09日(火) 18時00分


◆「芝の新馬戦で単勝5倍以下の管理馬」だけを対象にPOG期間内の成績を求めてみた

 POGで気になるのが、成績の良い厩舎は腕があるから管理馬が走っているのか、それとも良い馬が入っているから成績に繋がっているのか、ということである。

「良い馬」の客観的指標を決めるのは難しいが、例えば新馬戦で単勝5倍以下に推されるような馬はデビュー寸前の時点での「ある程度良い馬」であることに間違いはないだろう。この線引きに異論はあるだろうが、とりあえずこの基準での「良い馬限定成績」を求めてみたい。

 新馬戦で上位人気でもそのレースを取りこぼすことはあるし、そのままずるずると未勝利で行くこともある。それも含めての「芝の新馬戦で単勝5倍以下の管理馬」だけを対象に、POG期間内の成績(2戦目以降はダートも含む、ただし地方は除く)を求めてみる。対象はPOG期間の成績が確定している現3〜7歳世代。対象馬・対象期間のレース数50以上の厩舎を勝率順にまとめた結果が以下の通りだ。ただ、これだと未勝利でもGIでも1勝が等価になるので、1走あたり賞金も見ていただきたい。こちらはGI一発で数値が大きく上がるので、結局は総合的に見るしかない。

厩舎     着度数      勝率 複勝率  1走あたり賞金
(栗)佐々木晶 18- 5- 4- 34/ 61 29.5% 44.3% 827万円
(栗)池江泰寿 61- 40- 27-110/238 25.6% 53.8% 590万円
(美)堀宣行 39- 28- 15- 73/155 25.2% 52.9% 416万円
(栗)松田博資 55- 31- 18-115/219 25.1% 47.5% 602万円
(美)大竹正博 17- 9- 3- 42/ 71 23.9% 40.8% 221万円
(栗)藤原英昭 57- 37- 31-114/239 23.8% 52.3% 305万円
(美)尾関知人 13- 2- 4- 36/ 55 23.6% 34.5% 253万円
(美)藤沢和雄 82- 50- 44-180/356 23.0% 49.4% 344万円
(栗)中竹和也 17- 7- 3- 48/ 75 22.7% 36.0% 216万円
(栗)石坂正 27- 13- 11- 69/120 22.5% 42.5% 432万円
(栗)友道康夫 26- 21- 10- 60/117 22.2% 48.7% 326万円
(栗)藤岡健一 19- 9- 9- 50/ 87 21.8% 42.5% 244万円
(栗)松永昌博 18- 9- 11- 47/ 85 21.2% 44.7% 437万円
(栗)松元茂樹 11- 6- 4- 32/ 53 20.8% 39.6% 219万円
(栗)坂口正則 18- 13- 9- 47/ 87 20.7% 46.0% 304万円
(栗)中尾秀正 12- 6- 9- 32/ 59 20.3% 45.8% 250万円
(栗)矢作芳人 27- 19- 13- 74/133 20.3% 44.4% 528万円
(栗)南井克巳 12- 6- 3- 39/ 60 20.0% 35.0% 286万円
(美)久保田貴 22- 15- 14- 60/111 19.8% 45.9% 191万円
(美)国枝栄 55- 48- 38-141/282 19.5% 50.0% 308万円

 なるほどという一流厩舎もあれば、下位クラス中心(=1走あたり賞金は伸びない)だが意外に堅実に勝たせているという厩舎もある。後者は、いずれ大きなところを取ってくる可能性を秘めた厩舎と言えるだろう。

 一方で、ブランド力はあるがここに入っていない厩舎もある。そこがダメな厩舎というわけではなく、厩舎によって「いかにもという良血馬・人気馬が走る厩舎」と「意外な馬がどこかで活躍してくる厩舎」があるのではないかと思う。そのカラーの違いを認識すると、ドラフト時の上位向き・下位向きという厩舎の使い分けがうまくできるようになるのではないだろうか。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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