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小島茂之調教師/朝日杯FS『母子GI制覇へ!ブライトエンブレムとブラックエンブレム』

  • 2014年12月18日(木) 12時01分
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▲ブラックエンブレムとブライトエンブレム親子を管理する小島茂之調教師


2008年の秋華賞(GI)に優勝したブラックエンブレムの2番仔ブライトエンブレムが、2歳牡馬No.1の座を虎視眈々と狙っている。6月の東京と早い時期の新馬戦に優勝すると、2戦目の札幌2歳Sでは、後方追走から直線で末脚を爆発させて、鮮やかに差し切ってみせた。今年から阪神競馬場での開催となるこのレースに向けて、レースの約1か月前から栗東に入厩して、万全の態勢で本番に臨む。ブラックエンブレムの子でGIに臨む思い、これまでの調整過程、そしてレースでの意気込みなど、管理する小島茂之調教師に話を聞いた。(取材・文:佐々木祥恵)


道悪の新馬戦、迫力の大外一気


 ブラックエンブレムの1番仔のテスタメント(牡3)は、小島茂之厩舎に入ることが初めから決まっていた。しかし、ブライトエンブレムに関しては全くの白紙で、「そのあたりはドライに、執着してはいけないと思っていましたから、当歳の時には、全くこの馬を見ていないんですよ」と小島は言う。だが、厩舎ゆかりの血統のブライトエンブレムは、結局、小島厩舎にやって来る運命だったようだ。

「シルクホースクラブで、ブラックエンブレムの子供が募集されると決まった時にも、まだ僕には声がかかっていませんでした。でもテスタメントが新馬勝ちしてくれたというのもあったのでしょうかね。幸いに声をかけて頂きました」

 ブライトエンブレムを初めて見たのは、預託が決まった後、同馬が1歳の時だった。「左目が三白眼で、ネオユニヴァースの子だし、気性的にちょっと手こずるかなとも思いましたけど、でも手掛けられるのはやはり嬉しかったですし、ホッともしましたね」

 1歳ということで、体付きにもまだ幼さが残っていた。「今のようにスッとしていなくて、まだボテッとしていました。ゴロっとした体で、距離が持たないかなというイメージがありました」

 それが育成の段階になってから、体付きに変化が見られた。「余計なものが取れたのか、成長でスッと脚が伸びたのかはわかりませんけど、印象としては脚が長く見えるようになって、初めて見た時と変わってきたなと感じました。芝で走っても良さそうに感じましたね」

 育成も順調に進み、小島厩舎に入厩したのは5月9日で、ゲート試験合格が5月23日だった。

「ゲート試験には、すぐに受かりました。ただ2歳や3歳の新馬は、ゲート試験に受かった頃に、筋肉がそげるように落ちてしまったり、抵抗力が落ちて皮膚病が出ることがほとんどです。あの子も確か左側全体に皮膚病が出ました。放牧に出すことも考えたのですが、調教を1本やるごとに皮膚病も追い切りの動きも良くなってきました」

 結局放牧に出すことなく、6月28日のデビュー戦(芝1600m)を無事に迎えた。

「勝てるかどうかは別として、追い切りの動きも良かったですし、恥ずかしくない競馬ができそうな感じはしました。ただお母さんは、道悪が全然ダメだったんです。だから新馬当日は稍重でしたし、きれいな走りをする馬なので、ちょっと厳しいかなと思ったんですけど、あの結果ですからね。あれは嬉しい誤算でした」

 と小島は、大外一気で差し切り勝ちを決めた新馬戦を振り返った。そして「たぐるような走りをしますし、道悪は得意だと思いますよ」と付け加えた。

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▲道悪の新馬戦を勝利、小島「あれは嬉しい誤算でした」


 2戦目は、9月6日の札幌2歳S(GIII・芝1800m)へと駒を進めた。

「新潟というタイプでもないですし、間隔をあけてもいいと思っていたんですよ。あとは札幌を使うかどうかだったのですが、

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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。

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