(つづき)

“牝馬”と“3歳馬”をどう扱うか

赤見：同じくラストランになるジェンティルドンナはどうですか？　ジャパンCは4着でした。

吉田　ジェンティルも、馬場が軽くなればチャンスがあるかもしれないですね。

安里　そうかなぁ。天皇賞とジャパンCの結果を見ると、昨年に比べるとパフォーマンスは落ちたかなという気がするけどね。秋のGI3戦目に加えて右回りや馬場状態なども不安だし、主戦騎手のムーアも帰国しちゃうからね。

竹村　有馬記念と宝塚記念って、絶対的に牝馬は劣勢。毎年力の要るタフな馬場になるので、どうしても牝馬には厳くなるよね。今年は馬場がいいっていうことでジェンティル、ラキシス辺りは押さえが必要かと思っていた。でも、やっぱり少し力の要る馬場だよね。このまま順調に荒れれば、例年通りの馬場状態になりそうな気が…。


吉田　ジェンティルは、右回りはダメだって思われてるけど今はスタートも上手いし、いい位置取れますけどね。ラキシスも同様に、やはりともに馬場がポイントですね。

竹村　ラキシスは、エリ女は枠が良かったのもあるよね。今の競馬って、枠の影響がすごいある。JRAの馬場造園課さん、がんばり過ぎ(笑)。昔みたいな外差しになんて、ならないもんね。

安里　みんなあの外差しが大好きで、馬券持ってるのにね(笑)。

森岡　そうそう、あのズキューンが面白い(笑)。

赤見：3歳勢はどうですか？　ワンアンドオンリー、ショウナンラグーンなどが出走予定ですが。(※ショウナンラグーンは現在除外対象)

竹村　ワンアンドオンリーはちょっと怖いかな。ジャパンCでは、当日伸びてなかった外目からジワジワ来てたから。

吉田　ワンアンドオンリーも使える脚というところが、ゴールドシップと似てると思います。上がりの速いところはダメっていう。3歳になってからの調教は、前半ある程度飛ばして、それを踏ん張らす稽古が多いから、馬が溜めて切れるっていう競馬ができなくなっている気がします。その分、早めに動かしてダーッと長く脚を使うような馬になっているので、そういう意味で中山は良さそうです。

森岡　でも、秋4走目というところで、余力はないんじゃないですかね？

吉田　たしかに、上がり目はないかもしれないけどね。ジャパンCもがんばってたけど、やっぱり3歳の秋に古馬と戦うっていうのは楽ではないと思います。イスラボニータのジャパンCも伸び切れなかったですしね。3歳で有馬記念を勝ったオルフェーヴルはちょっと別格かな。

安里　あの馬は歴史的な馬だからね。言ってもやっぱり、ただの“ダービー馬”じゃない。“三冠馬”だから！

吉田　そうなんですよね。三冠馬とダービー馬ではちょっと違う。だけどダービー馬が外枠だからと言って、菊花賞であんな風に負けたらダメでしょう。ずっとハミ噛んでたっていう感じですからね。あれはちょっと負け過ぎ。今年の3歳馬のレベルがそうなのかっていうことですかね。

安里　神戸新聞杯は強かったけどね。あれはでも、底力で差し返したっていう競馬だった。

吉田　あれはホントに底力ですね。ワンアンドって長く脚が使えて、叩き合いでへこたれないイメージです。あとショウナンラグーンは、大久保調教師がGIを使う最後になるかもしれないですし、そういう意味でも頑張ってもらいたいですよね。

有馬照準のあの馬を狙う！

吉田　あとは怖いところで言うと、金鯱賞組は注意した方がいいかもしれない。

安里　金鯱賞組って、ウインバリアシオンとオーシャンブルーが2年連続で有馬2着と好走している。昨年勝ったカレンミロティックは宝塚2着なわけだし、タフな舞台でがんばれる馬が、グランプリではいいっていうことだよね。

竹村　そうそう。中京の馬場はタフな馬じゃないとダメだからね。それにある意味、金鯱賞から始動の馬もいるわけだし。天皇賞、ジャパンC、それ以前にも使ってる馬は、やっぱり消耗してるからね。

吉田　それを言ったらラストインパクトなんて、有馬照準ですからね。京都大賞典を勝って、そこからGIを使わずに金鯱賞行って有馬ですから。たしかにちょっと紛れるコースだし、ラストインパクトの脚質だったらチャンスあるかもしれないですね。


竹村　僕はこれまでラストインパクトを軽視してきたんだけど…、今の充実ぶりはすごい！　スピードの持続力はもともとあったけど、ここにきてパワーも身につけた。1800mの小倉大賞典を勝って、2400mの京都大賞典を勝って、それで今回の中京2000mだよ。中山の馬場はマッチしそうだし、ぜひ買いたい1頭。これまでのレースを振り返って、切れ味では一線級相手に見劣るけど、息の長い脚を最大限に生かせれば一発あっていい！

吉田　そうですね。僕は、本命にするにはちょっと心許ないかなとは思いますけど、2着3着はあると思います。馬券的には面白い一頭だと思いますね。

安里　フレッシュな状態で出走してくるという点ではこの馬が一番でしょう！　あとは鞍上が川田騎手から菱田騎手にスイッチ。平場や特別で勝っていても、重賞になると壁があって、GIになるとさらに大きな壁がある。勝てるジョッキーは決まってくるもんね。菱田騎手がこのチャンスをつかめるかどうか。そういう点では朝日杯FSの結果も見ておきたい。

赤見：やっぱりグランプリレースですから、予想も力が入りますね！

竹村　やっぱり有馬は渾身の予想でって思いますし、馬券も絶対に買ってしまうレースですね。今は、関係者の間では「ジャパンCが頂点」みたいな風潮もありますけど、やっぱり有馬はいいレースですよね。(次週へつづく)

※白熱の座談会は次週も続きます。次回は年明けの金杯予想！「京都金杯の予想は簡単」その真相は!?