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レース展望記者座談会『有馬記念、エピファとジャスタの逆転はあるのか!?』

  • 2014年12月21日(日) 16時01分
おじゃ馬します!

▲ジャパンCを圧勝したエピファネイア


2014年の総決算・有馬記念。ジャパンCでハイレベルな戦いを見せた、エピファネイアとジャスタウェイがそろって参戦。さらに、ジャスタウェイとジェンティルドンナはここがラストラン。凱旋門賞以来のゴールドシップも参戦し、1年を締めくくるにふさわしいメンバーが集結します。この豪華グランプリを、馬サブローの人気記者たちが展望。現場のプロたちは、どんな結論を導き出すのか!

(出演メンバー:竹村浩行記者、安里真一記者、吉田順一記者、森岡健一郎記者、司会:赤見千尋)



ジャパンC当日のスミヨン騎手は


赤見:いよいよ有馬記念ですが、まずはジャパンCのお話からお願いします。勝ったのはスミヨン騎手のエピファネイア、ジャスタウェイが2着という結果でした。

竹村 エピファネイアのあの姿にはしびれましたね。「これは突き抜けるな!」と思いましたけど、まさか4馬身差とは…。

吉田 能力を考えたらあれくらいはやれると思ってましたけど、あそこまで強いとはね。

竹村 ダービーもつまづくアクシデントがなくスムーズなら分からなかったし、3歳の時から「世界で戦える馬だ」っていう思いはあった。それでも今回は正直、スミヨン騎手でも持ってかれるんじゃないかと心配してたけど、力みながらも脚が溜まってたんだもんねぇ。それがすごい!!

森岡 無理やり引っ張ってる感がなかったですよね。

安里 多分、ギリギリのラインで抑え込んでたんだろうね。天皇賞・秋の時は、休み明けで気負ってゲートであおったし、道中も御すことで精一杯という感じだった。

吉田 休み明けの力みはあったでしょうね。天皇賞の2000mはスタートに気を遣う舞台でチグハグでしたが、2400mならスタートからリズム良く運びやすいですからね。いろいろなことが噛み合ったレースでしたね。でもあれ、2分23秒1にだまされてますけど、馬場は絶対ちょっと重た目だったと思います。伸びてくる馬、全然いなかったでしょう?

竹村 外から伸びて来る馬が、全然いなかったよね。

安里 東京って、内から乾いていくっていうもんね。雨上がりは内が有利だっていうし。

吉田 土曜日が内を空けて使ってたから、そうなると日曜日は内がいいっていうことですよね。

安里 あの日、スミヨン騎手は他の芝のレースでは逃げてばっかりだったからね。4コーナー曲がって、3、4頭分ぐらいずっと外を走ったりして。

森岡 ジャパンCの前のレースも、逃げてましたもんね。

竹村 いろいろ試してたんだな。さすが、きっちり仕事してる。

吉田 ペースも平均ラップで、そのなかでエピファネイアは3番手。あんな競馬されたら、さすがのジャスタウェイでも完敗でしょう。

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▲エピファネイアを勝利に導いたC.スミヨン騎手


赤見:ジャスタウェイは距離とか凱旋門賞帰りという面で、不安視もされていたなかでの2着。それは価値があるんじゃないですか?

吉田 正直、ここは要らないと思ったんですよ。安田記念に比べると馬体にボリュームが全然無かったですから。いい時のジャスタウェイって、前後のバランスが良くて筋肉隆々じゃないですか。今回はそこまでじゃないというか、ちょっと伸びてる感じの馬体だったからどうなのかなって思ってたんですけど…、結果を見ればそれがマイル仕様と2400m仕様の差っていうことですかね。

竹村 1枠1番っていうのも良かったと思うけどね。

森岡 たしかに内枠もあったと思いますけどね。

安里 福永騎手も完璧に乗ってたと思う。戦前はいい話をほとんど聞かなかったし、改めてこの馬の底力を知った。いい競馬だったね。完調じゃない状態で好走して、反動が出るのか、またはグググッと良くなってくるのか。

凱旋門賞帰り、ゴールドシップの評価


赤見:とても印象的なジャパンCでしたけれど、レースを終えて、まずはエピファネイアとワンアンドオンリーが有馬参戦を表明しました。その後、ハープスターは回避になりましたが、ジェンティルドンナとジャスタウェイが参戦&有馬での引退を発表。ゴールドシップは、凱旋門賞後早々に岩田騎手での参戦を表明していました。ジャパンCに続いて豪華なメンバーが集まりそうですが、ズバリ本命は!?

一同:エピファネイア!!!

赤見:おおっ、みなさんそろいましたね!

森岡 あの競馬を見たら負けないんじゃないですか。

安里 正攻法の競馬をして、あの時計、あの着差だからね。

竹村 うん、あれは決定的な力の差を見せられたと思う。枠次第っていうところはあるけど、内目なら勝ち濃厚でしょう。でも万が一外枠になって、ガッツリ持ってかれたらちょっとしんどいかな。

赤見:今度は川田騎手が鞍上に抜擢されました。折り合い面が難しい馬ということを考えると、また騎手が変わるというあたりはいかがですか?

竹村 1週前追い切りは川田ジョッキーを背に芝で追い切ったけど、かなりリラックスして走ってた。まあ、リズム重視というのもあるんだろうけど、力むようなところは全く見えなかったね。

吉田 有馬って、馬場次第なところはありますけどね。

赤見:今回の中山開催は9月の開催がなかった分、例年よりはいいはずですよね。

安里 ゴールドシップにとっては、あまりいい条件ではないけどね。

竹村 たしかに、芝の状態がよかったら軽視することも考えた。だけど、いざ中山が開幕して蓋を開けてみたら、適度に上がりは掛かってる状態だからね。パワーを要する馬場なら確実に走ってくると思う。

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▲有馬記念に向けて調整するゴールドシップ


森岡 上がりの速い脚が使えないっていうところでは、中山は合いますもんね。

吉田 馬場がいいって言っても、有馬の頃は始まって4週経ってるし、一雨来たらまた変わるでしょうしね。

安里 中山だと究極の上がり勝負にはならないから、そこまで心配する必要はないかな。カチカチに固められた芝のスピード勝負では全く信頼できないけど、馬力のいる持久力勝負での適性は抜群。正直、あまり負けた記憶がないもんね。この時季は馬場もなかなか乾かないし、当週の週中に雨や雪が降ろうもんなら一気に本命まで浮上してもいいでしょ。

竹村 あとは海外帰りだけに、状態面をどこまで戻してくるか。馬自体は間違いなく強いからね。良化次第ではジャスタウェイもアリかなと思っていたけど、1週前追い切りではゴールドシップに先着。明らかに良くなっているよね。あのタフな流れのジャパンCで2着に来るんだから、距離も今ならもつと思うし、一気に浮上してきた感がある。

赤見:ジャスタウェイのラストランですし、福永騎手も気合が入りそうですもんね。

森岡 僕もゴールドシップやジャスタウェイは入れるとして、穴ではフェノーメノを推したい。というか、今回はディープ外しでいきたいと。開催前半を終えて、ディープ産駒はステイヤーズSの2着(ファタモルガーナ)が最高で勝ち鞍なし。出走頭数が少ないとはいえ、条件戦でも苦戦を強いられているし、上がりを要する中山の馬場では割引が必要かと。

その点、ステイゴールド産駒のフェノーメノは中山で重賞2勝。前走のジャパンCは外枠が堪えただけで悲観する内容ではなかったですからね。鞍上も蛯名騎手から田辺騎手に乗り替わりますけど、腕達者の彼なら全く問題ないと思いますよ。

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▲森岡「上がりを要する中山の馬場では、ディープは割引が必要」


吉田 僕は、フェノーメノは軽い馬場しかダメだと思ってるんですよ。だから、軽くなればかな。あの馬って京都の高速馬場が合うんですよ。パドックでも後肢が内向気味で内側にひねって歩きますので。鍛えて筋肉を付けてGI馬になれたのは陣営の腕がなせる業ですが、このメンバーで力の要る馬場なら決め手に欠けると思います。(つづく)

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▲出演メンバー(左上)竹村浩行記者(右上)安里真一記者(左下)森岡健一郎記者(右下)吉田順一記者

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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