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ナタリー(牝 栗東・中内田充正 父ディープインパクト、母スプリングマンボ)
2代母キーフライヤーは希代の名繁殖牝馬ダンシングキイ(ダンスパートナー、ダンスインザダーク、ダンスインザムードの母)の全妹にあたる。その良血の流れを汲む母スプリングマンボは繁殖成績が優秀。スズカマンボ(父サンデーサイレンス/05年天皇賞・春-GI)、スプリングサンダー(父クロフネ/12年阪急杯-GIII・2着)、スズカサンバ(父アグネスタキオン/OP)などの活躍馬を出している。本馬の父はディープインパクト。全兄スズカチャンプ、スズカファイターはそれぞれ2勝、1勝と下級条件に留まっているが、配合自体は決して悪くなく、走る可能性は十分。芝向きの中距離タイプ。
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レパードクリフ(牡 栗東・吉村圭司 父ディープインパクト、母ゴールドティアラ)
母ゴールドティアラは「Seeking the Gold×Chief's Crown」というパワフルなスピード血統で、マイルチャンピオンシップ南部杯(GI)などダート重賞を5勝した名牝。繁殖牝馬としてはゴールデンハインド(父クロフネ/12年万葉S-OP)、ロングロウ(父クロフネ/OP)などコンスタントに活躍馬を出している。この2頭の全姉ココシュニック(3勝)は繁殖牝馬としてディープインパクトとの間にステファノス(14年富士S-GIII)を出した。したがって本馬はステファノスの4分の3同血となる。芝・ダート兼用のマイラーだろう。
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トウカイネオ(牝 栗東・田所秀孝 父ハービンジャー、母トウカイパステル)
トウカイエール(父ソウルオブザマター/準OP)、トウカイカムカム(父トウカイテイオー/06年天皇賞・春-GI・5着)、トウカイルナ(父エルコンドルパサー/08年愛知杯-GIII・5着)、トウカイオーロラ(父トウカイテイオー/準OP)の半妹。兄姉には重賞勝ち馬こそいないもののコンスタントに上級クラスの活躍馬が誕生している。「ハービンジャー×サンデーサイレンス×マルゼンスキー」は、未勝利戦を10馬身差で勝ったあと東京スポーツ杯2歳S(GIII)で5着と健闘したクラージュシチーと同じ。本馬が誕生したとき母トウカイパステルはすでに18歳だったが、配合的に悪くないので期待できそう。芝向きの中長距離タイプ。
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ノバラ(牝 美浦・国枝栄 父マンハッタンカフェ、母シンメイミネルバ)
全兄カフェラピードはデビュー2戦目にナカヤマナイトをくだして2歳未勝利戦を勝ち上がった素質馬。しかし、直後に屈腱炎を発症し、3年4ヵ月の休養を余儀なくされ、結局その後は1勝もできなかった。無事ならば重賞クラスでやれた馬だろう。マンハッタンカフェ産駒はCaerleonと相性がよく、また、NijinskyとMr.Prospectorを併せ持つ繁殖牝馬とも好結果を残している。カフェラピードのほかにサウンドオブハート(父アグネスタキオン/13年阪神牝馬S-GII)、ミネルバサウンド(父ブライアンズタイム/準OP)、カフェブリリアント(父ブライアンズタイム/準OP)などが兄弟にいる良血で、まともなら上級クラスで活躍できるはず。芝向きの中距離タイプ。
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ミンナノプリンセス(牝 栗東・西浦勝一 父コマンズ、母カワカミプリンセス)
母カワカミプリンセスはオークス(GI)、秋華賞(GI)を勝った名牝。初年度はディープスカイと交配したものの不受胎。2年目にコマンズを受胎し、翌春本馬が誕生した。父コマンズはDanewin(現役時代に豪G1を5勝し種牡馬としても成功)の全弟で、オーストラリアの歴史的名馬Octagonalの甥でもある良血。現役時代はG3を勝った程度だったが、種牡馬としては兄Danewinを上回っている。コンスタントにベスト5以内に入り、12-13年は3位だった。日本における初産駒は現4歳。ブルーストーンが4勝を挙げてOP入りを果たしたものの、それ以外は2勝止まり。短距離における確実性があるので決して悪い成績ではないものの、日本向きの軽さに若干欠けるのも事実で、勝利数、連対率ともに芝よりもダートが上回っている。本馬は母が芝中距離で活躍したので芝向きに出ると思われる。素軽い血で構成されているのでマイル以下で楽しめそうだ。瞬発力よりも持続力で勝負するタイプだろう。