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朝日杯FS組が低回収率、シンザン記念への切り口は…

  • 2015年01月09日(金) 18時00分


◆グァンチャーレは戦いづらいかも

 毎年のことではあるが、メンバーはいまひとつ薄いシンザン記念。それだけに朝日杯でもある程度人気になったナヴィオンあたりはやはり目立つ。調教はいまひとつだったようだが、デイリー杯だけ走れば十分に足りるはずだ。

 ただ、シンザン記念における朝日杯組というのはどんな条件で切っても低回収率。「来る頻度は高いが、配当が安いので回収率が伸びない」という構造になっている。私個人も重いシルシは回す予定だが、別な切り口も探す必要はあると思う。

 前走500万条件組ではダッシングブレイズが人気になりそうだ。人気になって1,2着と疵のない成績だけに当然でもある。サドラーズウェルズ系にしては上がり勝負もできるタイプで、デビュー戦の33.2秒(東京)は出色。あとは東京→中京と使われてきた馬だけに京都=右回り+直線平坦で同じパフォーマンスが発揮できるかがテーマだ。

 オープン実績があるということではグァンチャーレも売れそう。ただ萩Sは少頭数かつ自分でペースを握ったこともプラスだった。トータルの時計が速くなると対応できるか微妙だし、かといって前半が緩いと決め手で負ける可能性がある。実は戦いづらい一戦なのではないかと思う。

 レンイングランドは今回唯一の前走オープン好走馬だが、クリスマスローズSは1〜3着馬がすべて前走ダート組という特殊なレース。自身が芝1500mとダート1600mで大敗している点から距離への不安もある。武器になるのは先行力だと思うので、行ってどこまでもたせることができるか。

 クイーンズターフは評価が難しい1頭。ディープインパクト産駒がダートでデビューして勝ってしまったケースは同馬で3頭め。3例すべてが昨秋で、その次走が芝というケースははじめてとなる。個人的には母系の影響が大きいように感じられるので、芝、しかも京都では狙いを下げる予定だ。

 買ってみたいのは500万条件の負け組。サトノフラムは新馬と同じような競馬をしたうえで京都が合えばかなりやれるのではないかと思う。ロードフェリーチェは内回りとはいえ京都で勝ちあがっている身でもあり、京都戻りの形になるここは良さそう。ただ後者の枠順はちょっと外を引きすぎたかもしれない。2頭とも好走のためには、道中ある程度前に行ったほうがよいと思う。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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