今週は3月2日(火曜日)にカリフォルニアで行われるバレッツ・マーチ・2歳トレーニングセールの展望を行いたい。本来ならば1回目の公開調教の時計と合わせてお届けする予定だったのだが、2月23日(月曜日)に予定されていた追い切りが、悪天候による馬場コンディションの悪化で、日本時間の水曜日以降に延期となったため、血統的な注目馬のみ御紹介することにしたい。
上場番号70番の父スマートストライクの牡馬は、祖母ブレーヴラジがBCジュヴェナイルフィリーズを制した2歳牝馬チャンピオン。いとこにG2ブリーダーズフューチュリティーの勝馬で、目下ケンタッキーダービーへ向けた前売りで1〜2番人気を争っているユーロシルバーがいる。
上場番号71番は、アップルブロッサムHなどG1・3勝のグルメガールの妹。父は、G1メトロポリタンマイルの勝馬で、この世代が初年度産駒となる期待の若手種牡馬ヤンキーヴィクターだ。
上場番号85番の牝馬は、昨年のBCディスタフ勝馬アドレイションの半妹。父はオナ―グレイズから、アウトオヴプレイスに変わっている。
上場番号94番の牡馬は、母がG1エイコ―ンS勝馬スタードレディーアン。おばにG1フラワーボウル招待H勝馬アーンティーメイトがいるという活力ある牝系の出身だ。これに父がチャンピオン・サイヤーのデピューティミニスターだから、実馬に問題が無ければ高値必至だろう。
上場番号96番は、BCスプリント勝馬ケイジャンビートをはじめ、産駒が大活躍しているグランドスラムの牡馬。祖母がG1サンタアニタオークス、G1ハリウッドオークス、G2デルマーオークスと、南カリフォルニアの主要3場におけるオークスを総ナメにしたヒドゥンライトと、牝系も1本筋が通っている。
上場番号116番の牝馬は、母が牝馬ながらチリの年度代表馬になった名牝ヴァルガーディナ。父は日本向きのシアトリカルで、馬の出来次第では日本人バイヤーが食指を伸ばすかもしれない。
上場番号144番の牡馬は、イズリンH、ジェロームHとG1・2勝のショスバーグの弟。父はブロードブラッシュからデピュ―ティミニスターに変わっている。
上場番号149番の父サイフォンの牡馬は、G1ハリウッドフューチュリティー勝馬サイフォニックの全妹。おじに、重賞を4勝して、G1パシフィッククラシックでも2着となっているディキシードットコムがいる。
上場番号152番は、G1フューチュリティS勝馬アゲインコートの妹。父は、G1ハリウッドフューチュリティーを含めて3戦3勝、目下ケンタッキーダービーの最有力候補と目されているライオンハートを出した、テイルオヴザキャットだ。
上場番号165番は、チャンピオンスプリンター・コナゴールドの半弟。父は、BCマイルの勝馬でこの世代が初年度産駒となるウォーチャントだ。
上場番号187番は、産駒が残り少なくなりつつあるシアトルスルーの忘れ形見の1頭。母ハーテンパーがG2ボーモントSの勝馬と牝系も良く、2002年のキーンランド・ノベンバーセールで35万ドルという高値で仕入れられている。
上場番号218番は、“アイアンホース”ジャイアンツコーズウェイの初年度産駒となる牝馬。母ミッシーズミラージュも、ヘンプスヘッドHをはじめ2つのG1を含めて、4重賞を制している活躍馬である。
なお今年のバレッツ・マーチセールは、お馴染みの2歳セールに先立って、故アーメド・サルマン殿下のサラブレッド・コーポレーションによる、最後のディスパーザルが行われるのも話題となっている。重賞勝馬アトランティックオーシャン、ヒシアマゾンの妹ワードオヴマウス、BCターフ勝馬ジョハーの妹アンシェントアートなど、繁殖牝馬として大変価値のある牝馬が多数上場されるので、こちらの結果にもぜひ御注目いただきたいと思う。