賞味期限切れてないコスモナインボール/トレセン発秘話
◆留意すべきはわずか3週前、同じ中山2000メートルの舞台でGIIホープフルSが行われたという事実
日本馬が出走する海外レースの馬券をJRAなどが発売できるようにする方針を政府が固めたという報道があった。JRAは「可能性を各方面に打診している経緯はあるが、今回の報道については承知していない」ということだが、仮にこのプランが具体化すれば…出走馬に賞金を払う必要がない分(映像提供などへの対価を引いても)、売り上げの大部分は“胴元”の利益となる。ひとたび廃止された遠征馬の助成金もこれで賄うことが可能だし、国際化をさらに推し進める一歩となるか(今後も日本馬が世界の頂点を狙える位置に居続けることが大前提ではあるが)。
さて、“その時”にしっかり馬券が買えるためにも、日頃の馬券も相応の奮闘は示したい。まずは今週日曜(18日)の中山メーン、GIII京成杯をしっかり当てることが当方にとっては先決だ。留意すべきは、例年とは立ち位置が微妙に異なるGIIIということ。わずか3週前、同じ中山2000メートルの舞台でGIIホープフルSが行われたという事実である。
「前走はゴール前でこそパッと前が開いたが、それまでにさばくのに手間取り脚を余した。2走前の東スポ杯(3着)は逆に早仕掛けだったし、重賞にも手の届く力があるのは間違いないよ。騎手の指示通り動ける馬。ここは最低でも賞金加算をしておきたい」
ソールインパクトの戸田博文調教師が、ホープフルS(4着)のうっぷん晴らしとばかり意気込むのも納得。おそらく本気で皐月賞を意識するレベルなら、3週後の京成杯でなく、まずは優勝賞金で2800万円上回るホープフルSに照準を定めるのが必然。今回は一枚落ちの組み合わせだけに、トレーナーのリベンジ宣言には、相手関係を読んだ見下ろしの姿勢が透けて見える。
とはいえ、このホープフルS組を負かすのはさらに“上から下りてきた組”という論法も成り立ちそうだ。注目はGI朝日杯FS(9着)から巻き返しを期すコスモナインボール。「前走はテンのラップが速くて好位を取れなかったし、さらに内に閉じ込められて動くに動けない展開。しぶとく脚を使う持ち味を生かせずじまいだった」と和田雄二調教師が振り返る。宴会野郎には02年に新馬→芙蓉S→いちょうSと3連勝し、同じく朝日杯9着だったコスモインペリアル(京成杯3着)とイメージが重なる馬。早熟かもしれないが、賞味期限はまだ切れていない。
(美浦の宴会野郎・山村隆司)