ハービンジャー産駒、真の傾向“解明”/トレセン発秘話
◆ロードフェリーチェは「ちょっと違う」
新馬、未勝利で鮮やかな勝ちっぷりを見せながら、上のクラスで凡走してしまう。どうにもハービンジャー産駒にはそんなイメージがつきまとっているようだ。同産駒のこれまでの重賞成績を振り返ると、ともに1番人気で8着に敗れた阪神JFのロカ、フェアリーSのカービングパスほか、確かに人気に支持されながらアッサリ負けるケースが多い。
一方でシンザン記念におけるロードフェリーチェは低人気(9番人気)で2着激走という“逆ベクトル”のレースを展開。これはハービンジャー産駒の新たなイメージ像を作ったとも言えそうだが…。
「いや、あの馬は他のハービンジャー産駒とはちょっと違うと思うよ。ハービンジャー(産駒)でよく勝っている四位が『この馬が一番乗り味がいい』というぐらいだから。あれだけひっかかってあそこまで切れ味を使うのはハービンジャーっぽくないだろ」とは同馬を管理する昆調教師の弁。
「実際、ウチにいるもう1頭のハービンジャー(産駒)は能力はあるんだけど、他で言われるようにちょっと手先が重いところがあるからね。ああいう手先の重さが新馬戦なんかで快勝しながら、上で勝ち負けできない原因なんじゃないかな」
とはいえ初年度産駒から高確率で勝ち上がっているハービンジャー産駒の真の傾向を“解明”することはクラシック戦線を占う意味で非常に重要な作業となる。幸い京成杯には人気になるであろうクラージュシチー、ベルーフという良質の“サンプル”が2頭も出走予定。この両馬の走りを見て、クラシック本番前にハービンジャー産駒のイメージをきっちり固めておきたいところだ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)