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アゼリア(牝 栗東・矢作芳人 父ゼンノロブロイ、母ダンスオブザマンボ)
母ダンスオブザマンボは不出走だが、その半兄Millenaryは英セントレジャー(G1)、プリンセスオブウェールズS(英G2)2回、ドンカスターC(英G2)2回など重賞を11勝した名ステイヤー。ダイヤモンドS(GIII)を勝ったコスモメドウはいとこにあたり、オークス馬エリンコートも同じファミリーに属している。長めの距離で良績を残している一族だが、本馬はサンデーサイレンスとダンシングブレーヴのニックスを持ち、Mr.Prospector 4×3なので、鈍重さに苦しむことはないだろう。芝1800〜2400mで本領を発揮しそう。
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エターナルクライ(牡 美浦・古賀慎明 父ハーツクライ、母エターナルビート)
フォーエバーモア(父ネオユニヴァース/14年クイーンC-GIII)、マルカジーク(父サンデーサイレンス/05年シンザン記念-GIII・3着、共同通信杯-GIII・3着)の4分の3弟。母エターナルビートはクリスタルC(GIII)で2着となった芝向きの快速馬だった。母の父Pentelicusは名種牡馬Unbridledの4分の3同血で、Unbridledから重厚なLe Fabuleuxを抜いた配合構成なので、早熟なスピードを伝えている。本馬のセールスポイントはジャスタウェイと同じファミリーであること。2代母Double Wiggleはジャスタウェイの3代母でもある。両馬ともハーツクライ産駒なので全体の血統構成は似通っている。父ハーツクライは晩成タイプなので、母の父Pentelicusが伝える早熟なスピードは吉と出そうだ。芝向きの中距離タイプ。
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オースミアース(牝 栗東・中尾秀正 父ハービンジャー、母オースミコスモ)
母オースミコスモは関屋記念(GIII)、中山牝馬S(GIII)、福島牝馬S(GIII)を制した名牝で、半兄にオースミブライト(重賞2勝)、近親にシャダイカグラ(89年桜花賞-GI)がいる良血。これまでにデビューを果たした2頭の産駒、オースミツバキ(父ファルブラヴ/2戦0勝)とオースミフェアリー(父シンボリクリスエス/3戦0勝)はいずれも未勝利に終わったが、勢いのある新種牡馬ハービンジャーを交配して誕生した本馬は期待できる。5代以内にサンデーサイレンスとPrincely Giftを併せ持つハービンジャー産駒にはベルーフ(15年京成杯-GIII)、クラージュシチー(14年東スポ杯2歳S-GIII・5着)などの活躍馬がおり、全体の配合構成も悪くない。芝向きの中距離タイプ。
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サトノレイナ(牝 栗東・安田隆行 父ゼンノロブロイ、母マチカネハツシマダ)
半兄にダークシャドウ(父ダンスインザダーク/11年毎日王冠-GII、11年エプソムC-GIII)、チョイワルグランパ(父マンハッタンカフェ/10年シリウスS-GIII・3着)、ユノナゲット(父フォーティナイナー/OP)、ダノンブライアン(父ブライアンズタイム/準OP)などがいる。母マチカネハツシマダは繁殖牝馬としての能力が高いので何を付けてもそこそこ走ってしまう。I Pass≒Private Account 4×3はアメリカのパワー型の血を核とした相似な血のクロス。したがって、ダートのほうがいいタイプだろう。このきょうだいは牡馬が走って牝馬がイマイチ、という傾向があり、本馬を産んだとき母は17歳と高齢だったのも気になるところだが、気性に問題がなければ手堅く走ってきそうだ。
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メイショウアリバダ(牡 栗東・安達昭夫 父フレンチデピュティ、母メイショウアサガオ)
母メイショウアサガオはロスタイム(準OP)の半妹で、ダート路線で準OPまで出世した。これが初子となる。「フレンチデピュティ×フジキセキ」の組み合わせは、Deputy Minister(フレンチデピュティの父)とフジキセキのニックスが生じるので注目したい。カネヒキリ(ダートG1を7勝)、ミラクルレジェンド(13年エンプレス杯-JpnII、10年クイーン賞-JpnIII、12年マリーンC-JpnIIIなど重賞8勝)、デグラーティア(08年小倉2歳S-GIII)、メイケイペガスター(13年共同通信杯-GIII)をはじめ多数の活躍馬を出した実績がある。父がフレンチデピュティの場合、ほとんどダート向きに出るので、この馬もダート路線で堅実に稼ぐタイプだろう。