今野厩舎の好素材3頭が確信持っての中山遠征!!/吉田竜作マル秘週報
◆今野厩舎の注目3歳はロカ1頭だけでは終わらない
先週末、ロカ(牝・今野)が放牧先から栗東に帰厩した。前走の阪神JFでは1番人気に推されながらも8着。巻き返しが期待される次走はクイーンC(2月14日=東京芝1600メートル)となる見込みだが、今野厩舎の注目3歳はロカ1頭だけでは終わらない。開業4年目と歴史は浅いが、層の厚さはかなりのもの。今週は中山へ好素材を3頭も送り込む。
まず血統的な注目馬はティアラトウショウ(牝=父アドマイヤムーン、母タバサトウショウ)だろう。半姉に05年宝塚記念などを制した名牝スイープトウショウ、半兄にダートのオープンで活躍中のトウショウフリークがいる。ちなみに鮮烈な新馬勝ちで関西のエース候補と目されているレガッタ(牡)は同世代にしておいっ子にあたる。
昨年の初秋だっただろうか。「基本的にオクテの血統ですけどね。順調に調教できて、早めに(トレセンに)連れて来れれば、大丈夫だと思います。その点で、この子は思ったよりも順調に乗り込めているので」と今野調教師に経過報告を聞いてから程なくして栗東に入厩。ゲート試験をパスして放牧に出された後にあのロカが鮮烈なデビュー戦を飾った。さすがにこれ以上の馬は確率的に出てこないよなと思いながら、再び今野調教師にアタック。そこでも「大丈夫ですよ。この馬も走ってきますから」と楽観的な答えが返ってきたのを今でも覚えている。
その大器が土曜(24日)ダ1800メートル新馬戦(牝)でいよいよベールを脱ぐことに。「成長はやっぱり遅いですね。ただ形を見ても現時点でもレースはできそう。背中もいいし、息もできています」と好仕上がりを伝えるのだが、POGで指名した人間からすれば「えっ、ダートなの?」って突っ込みたくなる。
「まだ体もできていないし、現時点で芝の瞬発力勝負の競馬は怖いんですよね。そこまで無理はさせたくない。それにダートも走る血統なので、今のところはってことで」
まずはダートで脚慣らし。そしていつかはロカのライバルへ…が理想形なのだが、まずは関東のファンにも期待を抱かせるような走りを見せてもらいたい。
一方、馬券的に妙味がありそうなのは同日の若竹賞(500万下、芝内1800メートル)にエントリーしているコティニャック(牡)。それほど注目された新馬戦(12月21日=阪神芝内2000メートル)でもなかったため、あまり話題に上ることもなかったが、同レースの2着馬ショウボートが次走の未勝利戦を楽勝し、2着にもその新馬戦5着馬サンライズセンスが入った。ほかにも7着に敗れたレッドルグランがダートで一変して圧勝するなど、この新馬戦に出走した馬たちがにわかに活躍し始めたのだ。
「切れないがしぶとい。いかにも中山が合いそうなので連れて行くことにしました。1週前の追い切りは間隔が空いたために反応が微妙でしたが、これで良くなるでしょう」と今野調教師。初戦を“伝説の新馬戦”にできるかどうかは、今週のこのコティニャックの走りにかかっている。
さらには日曜(25日)500万下のダ1200メートルにはモントルルシュマン(牡)も参戦予定。「(福島の未勝利勝ちで)芝スタートのダートもこなしたし、重いダートでも止まることはない」と確信を持っての遠征のようだ。
クラシック戦線という視点だけでなく、今週は馬券的にも今野厩舎から目が離せそうにない。