■根岸S(G3・東京ダ1400m)フルゲート16頭/登録46頭
【コース総論】東京ダ1400m・コースの要所!
★枠番の有利不利はまったくナシ! 能力と適性勝負のコース。
★基本は逃げ先行有利だがオープンクラスになると逃げ切り勝ちゼロ。
★速い上りの脚を使える馬が有利。一本調子の馬には苦しいコース。
向正面からスタートしてバックストレートを約440m走り、3〜4コーナーに突入し、最後の直線に入るというレイアウト。スタートしてから最初のコーナーまでの距離が十分にあり、最後の直線も約500mと長いので枠番による有利不利はまったくない。競走馬のスピードとスタミナがそのまま問われるコースだと考えていい。
逃げ・先行有利なのはダートの常でありここでも例外ではない。逃げ馬が「勝率19.3%、連対率28.7%、複勝率35.6%」、先行馬が「勝率11.3%、連対率24.7%、複勝率34.3%」と好成績を残す。しかしクラスが上がれば差しも決まりだす。期間内のオープンクラスでの逃げ切り勝ちはゼロ。昨年の根岸Sもシルクフォーチュンが最後方から3着に入線した。
東京ダート1400mの攻略キーワードは「上がり」。スピードがあっても最後の直線で速い脚を使えない馬は厳しいので、上り3ハロンの脚は要チエック! 穴をあけることが多いのは、ダート1800mからの転戦馬。中山ダ1800mからのローテは単勝回収率202%、阪神ダ1800mは同179%。これは、他場のダート1400mよりもスタミナを要するコースだからだろう。
【レース総論】根岸S(G3) 過去10年
・レースの要所!
★上位人気の信頼度は低め。超人気薄でもアタマまで突き抜けアリ!
★差し・追込馬が勝ち先行馬が2〜3着に残るパターン多い。上がり重視で。
★枠の有利不利ないコースも根岸Sは外枠大不振。外枠の先行馬がとくに危険。
★前走G1出走馬が人気で飛んだ例多数! 前走G3組やOP出走馬が狙い目。
・注目出走パターン
[買い] 4〜6番人気の前走G3出走組(勝率27.3% 連対率36.4% 複勝率45.5%)
[買い] 前走オープン特別1着馬(複勝率40.0%)
[買い] 半年以内の休み明け(勝率20.0% 複勝率30.3%)
[不振] 5番人気以下の関東馬(0-0-0-29)
[不振] 前走芝レース出走組(1-0-0-13)
[不振] 休養明け2〜3戦目(0-0-0-26)
1番人気の連対率は50%と悪くないが、アタマでは買いづらい。1〜3番人気が1〜3着を独占したことはゼロ。調子がいいのは4〜6番人気の伏兵陣。ふたケタ人気でも、グロリアスノア(10年・11番人気)、ビッググラス(07年・11番人気)の勝利がある。上位人気はヒモとして押さえて、人気薄から軸を見つけるのが正解への近道になる。
東京ダ1400mに枠順の有利不利はないと書いたが、こと根岸Sに関しては外枠が大不振。その理由は、ペースにある。下級条件では先行争いが激しくならず、すぐに折り合うケースが多いのだが、根岸Sはペースが速くなる。外枠から先行するロスは大きく、ペースが上がると道中も内で待機している馬が有利になる。つまり、外の人気馬は危険だ。
2014年ブライトライン、2012年ダノンカモン、2006年サンライズバッカスなど、前走でG1を走った馬が人気を背負って飛ぶことも珍しくない。逆に成績がいいのは前走がG3組で、とくに前走でG3に出走し、今回4〜6番人気になった馬は、単勝回収率231%、複勝回収率160%と、その期待値は非常に高い。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
1回東京の開幕週。馬場傾向は土曜日の競馬で要チェック。
・天候予測
金曜日が降水確率90%で雪予報。不凍液の影響も考えられる。
・注目血統
ネオユニヴァース産駒◎
複勝率上位に立ったのはサンデー直仔のゼンノロブロイ。2位にノーザンダンサー系のファスリエフが入り、サンデー系の2頭が続く。ミスプロ系も不振ではないが、回収率は芳しくないので美味しくない。一本調子のスピード馬が出やすいミスプロ系よりも、いい脚を長く使えるサンデー系やノーザンダンサー系などがいいコースなのだろう。
不凍液の影響で力のいる馬場になりそうな根岸S。出走予定馬の中では、ネオユニヴァースを父に持つゴールスキーやジョーメテオが面白い存在。ミスプロ系の大将キングカメハメハ産駒はアドマイヤロイヤル、キョウワダッフィー、サトノタイガーあたりが出走予定。しかし、東京ダート1400mのキンカメは単勝回収率7%ときわめて低く、買いづらい。
★出走登録馬・総論×各論 ダートG1がめじろ押しの年末年始。ダート界の有力馬が軒並みG1へと回るので、根岸Sは手薄なメンバーになりやすい。そこにダート路線の二戦級の馬たちが殺到するので、登録頭数からしてすごいことに。人気馬は信用できないのだが、そもそも、どの馬が1番人気になるかを予想するのも難しい。
注目すべきはG3好走馬や、オープン特別で勝利した馬。ここまでにあげた条件を満たす大穴馬がじつは1頭いる。それはなんと、浦和所属の
ジョーメテオ。ネオユニヴァース産駒で、前走は交流重賞の兵庫ゴールドトロフィー。ここで使った36秒9の脚は上がり最速である。地方所属という理由でまったく人気にならないと思われるが、じつは去年の根岸Sにも出走しており、ゴールスキーから0.3秒差の6着。混戦模様の今年なら一発があってもおかしくない。
これに続くのが、前走G3好走組の
エアハリファ。これまた地方所属馬になるが、カペラSで2着の
サトノタイガーも注意が必要だ。前走G1のワイドバッハは、ローテーション的には不安だが、このコースに必要不可欠な強烈な末脚を持っており、押さえておきたい存在。同じく、前走チャンピオンズCのグレープブランデーも力のいる馬場が得意な差し馬。近走の着順は大きいが着差はそう開いておらず復調気配がうかがえる。
■シルクロードS(G3・京都芝1200m内)フルゲート18頭/登録31頭
過去10回中9回は5歳・6歳馬が勝利している。本命はここから選ぶのが正解。ハンデ戦として実施されている重賞だが軽ハンデの好走例は少なく53キロ以下は[0-0-4-32]。高松宮記念の前哨戦として出走してくる馬が多いため、ハンデキャップホースが好走する余地は少ないようだ。前哨戦別では淀短距離Sが3勝でそれに京阪杯2勝が続いている。中央4場で唯一の直線平坦1200mコースの京都を得意にしている馬がねらい目。
5〜6歳馬で適当なハンデ、なおかつ前走で淀短距離Sを使っているのがサドンストーム。前走はペースに泣かされて届かなかったがが、流れさえ向けばここでもやれる力はある。これに続くのが、淀短距離Sで2着の6歳馬アンブライベン。4歳馬だがエイシンブルズアイは4戦連続で京都芝1200mに出走しており、このコースに全精力を注ぎこんでいる。レースの幅も広がってきており、連勝があっても不思議ではない。
■総論×各論・先週の馬券回顧
1着 6枠12番 クリールカイザー
2着 7枠14番 ミトラ
3着 5枠09番 エアソミュール
ゴールドシップとクリールカイザーの1点勝負を挑んで、撃沈! 本線が馬連ではなく枠連なのは、買った時点のオッズが「枠連>馬連」だっただけの話です。いやもうホント、ゴールドシップさんの気分屋っぷりったら……涙がちょちょぎれますヨネ(絶句)。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。