
▲競走馬生活を終えた今だから語れる“ジャスタウェイ”のこと
ジャスタウェイは、爆弾を抱えていた
1月4日、日曜日。京都競馬場でジャスタウェイの引退式が行われた。20年のキャリアのなかで、ああいった舞台で馬を走らせたのは初めて。すごく寒い日だったのにもかかわらず、たくさんのファンが残っていて、改めて、競馬は馬が主役だと実感した時間だった。
ジャスタウェイも、すごく体調が良さそうだった。まだまだ走れる感じやなぁと思ったけれど、彼には大事な次の仕事が待っている。大きな故障もなく、無事に引退式を迎えられたのは何よりだし、須貝さんの手腕の高さを思わずにはいられなかった。
というのも、ジャスタウェイは、右前脚に爆弾を抱えていた。右前の球節に、ずっと不安があったのだ。それがいつからなのかわからないが、自分が初めて聞いたのはドバイのとき。それもあって、左回りを中心に使ってきたということだった。

▲ジャスタウェイの引退式、福永「改めて競馬は馬が主役だと実感した」
須貝さんは単にレースに使うだけではなく、走れる状態に仕上げ、なおかつ結果を出してきた。馬主さんと相談しながらの競走生活だったと思うが、最終的には須貝さんの判断。そのときどきで「いける!」と踏んだ須貝さんの判断は、ことごとく正しかった。ケガをさせることなく牧場に帰したのは本当にすごいこと。期待に応え続けたジャスタウェイもまた、大した馬だと心から思う。
ジャスタウェイはとても真面目な馬で、痛くてもその素振りを見せなかった。骨の疾患ではないから骨折する可能性は少なかったが、馬が頑張ってしまうぶん、余計に怖いところがあった。
4着に終わった有馬記念。もちろん勝つつもりで乗った。距離に不安があったから後ろからいったわけではない。ゲートを出て