今月からキシュトーークがリニューアル! タイトルに「U25(アンダー25)」がついて、25歳以下の多くの若手騎手にスポットをあてていきたいと思います。第1回は、成長著しい4年目の菱田裕二ジョッキーが登場です!
(取材・文/大薮喬介)
留年したときは頭が真っ白に…
――菱田ジョッキー、今回は出演していただき、ありがとうございます!
菱田 こちらこそ、よろしくお願いします。
松山 あの〜、ちょっといいですか。
――何です?
松山 U25になったのはいいんですけど、僕は本当に今年末で卒業なんですか?
――ああ、そういえば、前回言っていませんでしたね。編集会議で話し合ったんですが、オーバーエイジ枠を設けようかと。
松山 オリンピックのサッカーと同じ?
――そうです。オリンピックでも3人枠がありますからね。というわけで、松山ジョッキーは今後もレギュラーメンバーとしてお願いします!
松山 ああ、よかった〜。僕だけ外れるかと思っていたので、ちょっとヘコみましたよ。
菱田 あの〜、何の話をしているか、さっぱりわからないんですけど…。
――すみません。詳しくは
前回を読んでください。今回、菱田ジョッキーに出演していただいたのはですね、以前キシュトーークで、メンバーを増員するなら誰がいいですか? と松山ジョッキーに聞いたときに、菱田ジョッキーがいいと言っていたんですよ。
菱田 ええ〜!! そうなんですか? ありがとうございます(笑)。
松山 若手のなかで、一番勝っているし、いろんな馬にも乗っているからね。ファンの方々もヒッシーのことを知りたいんじゃないかと思って。
菱田 僕なんかでいいんでしょうか(笑)。
松山 そもそも、なんで騎手になろうと思ったの? 確かずっとサッカーをしていたんだよね?
菱田 はい、ずっとサッカー一筋で、プロサッカー選手になるのが夢でした。競馬とはまったく関係のない家庭だったんですけど、中学校に上がる前くらいに、競馬を観に行く機会があったんです。そのときにものすごく衝撃を受けて。一発で競馬の魅力にとりつかれてしまいました。
菱田「一発で競馬の魅力にとりつかれてしまいました」
松山 僕と同じだ(笑)。
――どのあたりに衝撃を受けたんですか?
菱田 競馬場の雰囲気だったり、レースの迫力だったり、もうすべてですね。すぐにジョッキーになりたいと思いました。
松山 競馬学校はどうだった?
菱田 同じです。こんな苦しいところがあるんだって思いましたよ(苦笑)。
松山 それも同じだ(笑)。
菱田 僕は1度留年したので、4年間競馬学校にいたんですが、すごく長い4年でしたね。
――松山ジョッキーも一度受験に失敗しているので、同期よりも年齢がひとつ上なんですよね。菱田ジョッキーも同じ境遇ですが、同期が年下というのは実際どうだったんですか?
松山 僕は入学したのが一緒だったので、同期のことを年下とは思わなかったですね。ヒッシーはきつかったんじゃない?
菱田 僕は1年のときに留年したんですが、後輩になると思っていた人たちが、同期になったので、最初は戸惑いもありました。それに同期も先輩になったわけですし。
――同期が先輩になったことで、敬語で話したりしたんですか?
菱田 さすがに敬語では話さなかったですけど、教官からは「敬語で話しなさい」と言われましたね。留年したことで、ただでさえメンタルをやられていたのに、後輩が同期に、同期が先輩になったりして、人間関係も難しくなりそうで、最初の頃は結構しんどかったです。
松山 それは辛かっただろうな。1年生が一番きついから、それをもう一度するなんて考えられないよ。そもそも、どうして留年したの?
松山「1年生が一番きついから、それをもう一度するなんて考えられないよ」
菱田 う〜ん、正直あまり覚えていないんですよね。留年するか、退学するかのどちらかだと言われて、もう頭が真っ白になって…。メンタル面のことも言われましたし、技術的なことも言われたような…。とにかくショックでした。
――メンタル面が弱かったんですか?
菱田 僕は学校時代によく落馬をしていたんです。とくに障害で落馬をしていて、すごく(障害のことが)嫌いでした。自分でも障害に対しての恐怖心があることはわかっていましたから、教官もわかっていたんでしょうね。障害騎手免許は持っていますが、正直今でも障害は苦手です(笑)。
【次回のキシュトーークU25は?】
松山ジョッキーから見た後輩ヒッシーの素顔、そして自らが語る交友関係など、菱田ジョッキーのプライベートに迫ります!