◆白井調教師「将来、海外から日本で調教師をやる人間が出てきてもおかしくない」
日本競馬に大きなうねりが押し寄せた。ミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールが5日、騎手試験に合格し、史上初となるJRA所属の外国人騎手が誕生。今回の“事件”が及ぼす影響については当然、トレセンでの関心も半端なく高い。
「2人ともこれまで同様、社台の馬に優先的に騎乗するだろうから、今後はより一層、社台の力が及ぼす影響が強まる」とか、「中堅クラスで社台の馬に乗っている騎手が一番あおりを受ける」など、今後の勢力図に関する声が多かったが…。
一方で、さらにその先を見通す声も多く、その代表が「騎手の次は調教師。いつか外国人調教師が出てくるだろう」というもの。JRA所属の外国人調教師? 現時点ではイメージしづらいが、「門戸は開かれているわけだし、ありえない話じゃない」とは中尾調教師だ。確かに調教師試験の要領にも、外国人が受ける場合の注意事項などが記されており、その可能性が閉ざされているわけではない。
「馬だけが国際化したってアカンやろ。今回、騎手がそうなったように将来、海外から日本で調教師をやる人間が出てきてもおかしくない」と同調するのは白井調教師だ。
「ジャスタウェイみたいな馬が出てきたし、日本馬の強さはもう世界中が分かっている。馬は強い、賞金は高いとなれば、安い賞金で生活している外国の調教師がこっちに目を向けてもおかしくない。今は個人馬主よりもクラブ馬の全盛期。外国人調教師でも、馬を預かりやすい環境にあるからな」
小林智調教師がフランスで、高岡秀行調教師がシンガポールで開業しているのだから、その逆パターンで、外国人調教師が日本で開業する日が近いうちにやってくる? 今後は国際化という名のもとに、さらなる競争&激動の時代に突入していくのかもしれない。
(栗東の坂路野郎・高岡功)