芝スタートも問題なし
今週はGI・フェブラリーS。共同記者会見で取材したコパノリッキー、ワイドバッハはともに強いけれど自分のかたちに持ち込めなかったときの脆さも兼ね備えているタイプ。それはいまだに両馬を管理する調教師さんたちも認めるところでした。ホッコータルマエほどの圧倒的な印象はまだないのは否めません。
そこで、わたしはサンビスタに注目しました。まず、彼女の自在性はこのメンバーにおいてすごく魅力的。さらに、わたしは毎週、角居厩舎の定例の囲み取材に出席していますが、その席で昨年後半からサンビスタの充実っぷりを何度も聞いています。
今週も「仕上がり過ぎるくらい仕上がっている。ケチをつけるところがないくらい」と高田助手もめっちゃ誉めてましたし。かなーり気になったので厩舎に見に行って参りました。
サンビスタはデビュー時から前川助手が調教をつけています。
「ほんと、調子いいです。いま、牡馬も含めて厩舎いちばん調教を動くといっても言い過ぎじゃないくらいです。楽しみです!」と前川助手。ほんと、彼女の調子のよさがてにとるように伝わってきます。
前川助手とサンビスタ
そして、以前から前川くんにすごく聞いてみたいことがあったんです。前川くんはトールポピーなど牝馬の仕上げには定評がある腕利きさんです。ズバリ、女の子(牝馬)を扱うコツは? と聞いてみました。
すると、「いやいや、そんな上手くないです」と謙遜しながらも、「一緒に怒らないことでしょうか。馬がイライラしていても、一緒にイライラしない。穏やかに。こちらはいつもどおりに対応する」と答えてくれました。
なるほど。これは人間にも当てはまりますよね。女の子がイライラしているときに男の人が一緒になってイライラしたり、怒ったりしてはどんどん悪循環になってしまいます。でも、そこをあえてサラッと流すことで、彼女のイライラもおさまり、また元通りに戻っていくという流れ・・・。前川くん、さすがですね!
実際、この写真をとるとき、サンビスタ嬢はちょっとご機嫌ナナメだったんです。でも、前川くんは怒るでもなく、おだてるでもなく。淡々と彼女を撫でるのです。すると、穏やかな空気になり、自然とサンビスタ嬢もこっちを向いてくれた、という次第。おかげさまでいい取材ができました。
この中間はゲート練習をかなり入念にやったそうです。
「明日(金曜日)もやりますよ。このところレースでは、ゲート内で落ち着くと立ち後れ、イライラしてるとスッと出る、というパターンなので。今回はゲート内で落ち着いているが、スッと出られるように練習しているんです」
フェブラリーSはスタート後、しばらく芝を走りますがそれについてはあまり問題にしていないようでした。
というのも、サンビスタは芝デビューの話もあったけれど、ソエに悩まされたためダートでデビュー。そのまま「芝を使うタイミングを逸したまま、現在に至る」そうですよ。
初コースですが、これまで交流重賞でも問題なく走ってきましたし。牡馬一線級相手でも、いまのサンビスタならやれるのでは? と思うのはわたしだけではないはずです。
最後に告知です。シゲルスダチが2月25日放送の「生き物にサンキュー」という番組で取り上げられることになりました。TBS系列なので、ネット局などでご覧になれると思います。
皆さんにご協力いただいて集められたたくさんのスダチの写真が番組で紹介されますよ。わたしがこの連載で紹介した、皆さんにとっては見たことある写真も登場するはずです。さらに、厩舎で撮影した動画も公開されますよ。
スダチファンの皆さん、楽しみにしていてください。そうでないかたも、数ヵ月前にこの世を去った芦毛のヤンチャ坊主が元気なときの様子をぜひご覧になってください。