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ワールドエースの4分の3妹マララ

  • 2015年02月25日(水) 12時00分
アルギュロス(牝 栗東・池江泰寿 父マンハッタンカフェ、母シルヴァースカヤ)
 母シルヴァースカヤはデインスカヤ(シックスセンスやスペルバインドの母)の半妹で、現役時代にミネルヴ賞(仏G3・芝2500m)、ロワイヨモン賞(仏G3・芝2400m)など8戦5勝の成績を残した。繁殖牝馬としてはヴィルジニア(父Galileo/13年チューリップ賞-GIII・4着)、オリハルコン(父ディープインパクト/現1勝)を出している。母はスタミナ色が強いので、産駒の当たり外れはありそうなタイプだが、「マンハッタンカフェ×Silver Hawk」の組み合わせからはエーシンミズーリ(OP)が出ており、底力満点の血で構成されているのでハマれば飛距離が出そうな配合構成だ。芝向きの中距離タイプ。

ウェブスリンガー(牡 美浦・藤沢和雄 父ゼンノロブロイ、母フェスタデルドンナ)
 セントライト記念(GII)を勝ったクォークスター(父アグネスタキオン)の4分の3弟で、現1000万のエスオンマイチェスの全弟。「ゼンノロブロイ×ヘクタープロテクター×ノーザンテースト」という組み合わせはアグネスワルツ(10年オークス-GI・3着)と同じ。つまり両馬は血統構成の8分の7まで同一ということになる。3代母スカーレットインクは社台グループの看板牝系のひとつで、ダイワメジャー、ダイワスカーレット、ヴァーミリアン、ダイワファルコンなど多くの名馬が誕生している。マイニング≒Woodman 3×3なので競走に前向きなタイプだろう。芝向きの中距離タイプ。

サトノゼウス(牡 栗東・矢作芳人 父ゼンノロブロイ、母ハッピーリクエスト)
 母ハッピーリクエストは現役時代マーメイドS(GIII)5着などの成績がある活躍馬で、繁殖成績は優秀。これまでにミリオンディスク(父アフリート/09年カペラS-GIII、10年北海道スプリントC-JpnIII)、アムールポエジー(父ネオユニヴァース/13年関東オークス-JpnII)、リクエストソング(父シンボリクリスエス/09年きさらぎ賞-GIII・2着)などの活躍馬を産んでいる。本馬の父はゼンノロブロイ。「ゼンノロブロイ×トニービン」は連対率19.6%、1走あたりの獲得賞金201万円で、ゼンノロブロイ産駒全体の連対率16.3%、1走あたり142万円を大きく上回る。芝中距離で確実に走ってきそうだ。

ダノンプリマベーラ(牝 栗東・千田輝彦 父マンハッタンカフェ、母ゴッドフェニックス)
 2代母ロンドンブリッジはファンタジーS(GIII)を勝ち、桜花賞でも2着に逃げ粘った快速馬。母ゴッドフェニックスは現役時代にダート短距離で3勝を挙げた。母の兄弟にはダイワエルシエーロ(04年オークス-GIなど重賞4勝)、ビッグプラネット(05年アーリントンC-GIII、06年京都金杯-GIII)、ダイワディライト(09年カペラS-GIII・2着)などがおり、先々週の東京新馬戦を楽勝したグレーターロンドンも今後重賞クラスに出世することは確実だろう。「マンハッタンカフェ×ブライアンズタイム」の組み合わせはトレンドハンター(11年フラワーC-GIII、11年桜花賞-GI・3着)と同じで、Allegedクロスを持つマンハッタンカフェ産駒といえばショウナンマイティ(12年大阪杯-GII)の名が浮かぶ。大物感あふれる芝中距離配合。

マララ(牝 栗東・池江泰寿 父ゼンノロブロイ、母マンデラ)
 母マンデラはドイツの名馬Manduro(07年ジャックルマロワ賞-仏G1、07年プリンスオブウェールズS-英G1、07年イスパーン賞-仏G1)の半姉にあたる良血。母の父Acatenangoは現役時代、7つのG1を含めて重賞を13勝し、3年連続で西ドイツの年度代表馬に輝いた歴史的名馬。引退後は独リーディングサイアーの座を5回獲得し、ジャパンC(GI)を勝ったランドをはじめ多くの名馬を生み出した。4分の3兄ワールドエース(父ディープインパクト)はマイラーズC(GII)ときさらぎ賞(GIII)を制し、皐月賞(GI)でも2着となった。本馬の父ゼンノロブロイはアルゼンチン産牝馬との間にペルーサを出すなど、Hyperionが豊富なヨーロッパベースの異系の血とは相性が悪くないと思われる。ポテンシャルの高いファミリーなので楽しみが大きい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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