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3連単の検証

  • 2004年03月15日(月) 12時48分
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 この夏からJRAでも「3連単」の発売が開始される。思えば南関東は平成14年4月のスタートで、ちょうど2年が過ぎたわけだ。1着→2着→3着をパーフェクトに当てる、いわば究極の馬券。当然ながら開始早々は記者自身も大いに燃えた。いまだ未踏、あわよくば人生を変えてしまうような高配当をゲットしようと。が、それからおよそ半年も過ぎると徐々に熱がさめてきた。理由は情けない。容易に当たらないこと。仮に的中しても点数が広がるぶん、さっぱり実にならないこと。なにやら暗礁…という気分。どう買ったらいいか、この馬券の攻略法がつかめない。

 そんな状況の中、少し前、某競馬雑誌から取材を受けた。南関東で先行した3連単馬券、その対処について語ってほしいと。正直にいえば記者は3連単はお勧めしない。現実に今はあまり買っていない。敬して遠ざけるというやつか。繰り返しになるが難しすぎるから。2連単ワンツーまではひとまず理屈で推理するとして、その3着となると、ほとんどの場合運に身をまかせるしか方策がない。結果は神のみぞ知る、しかしそれでは、競馬新聞の予想なども、“当てずっぽう”としかいえなくなる。

 ひらめいた。というか割り切って考えてみた。紙面予想の、◎→○、◎→▲、そこからシルシのあるところへ流す。これだと計8~10点、仮に1点100円なら1レース千円程度の投資ですむ。思いつきで答えたわりには理に適うような気がする(ホントか)。むやみに手を広げず、自分の納得できる範囲で網を張ること。ご都合主義、我田引水、さまざま自責の念はあるが、前回大井(3月1~5日)の数字で検証させていただくと、計5日間58レースで、的中5レース。たまたま、ラッキーは別として、回収率142%。数字だけでいえば意外なプラスを計上した。

 3月2日、第1レース ◎→▲→△68610円が当たったのがひとまず大きい。以下的中を列記しようと思ったが、なにやらそれは嫌味であり無意味でもあり、結論だけ書く。いったん自分のやり方を決めたら、とにかく無味乾燥だろうがつまらなかろうが、ひたすら機械的に買っていくこと。フォームの確定。自信があるレースとか、堅そうなレースとかも関係ない。予測しないところで嬉しい誤算…が、どうやら「3連単の魅力」でもあるようだ。続く浦和競馬(3月8~12日)でも、このフォームで5日間、計53レース中9レース的中、回収率115%だから悪くない。

 「ボックスで買う方が多いようですね。その方が的中率が高いから…」と編集者はおっしゃった。確かにそう。が、記者は古いギャンブル観を引きずるものであり、記入すべて同額ベットという(強弱をつけられない)マークカードは、元より正式に(?)認めていない。そもそも予想上の◎○▲、ボックスとはこれを単にからめただけで6点の投資になる。仮に1点500円で3000円。3連単スタート直後、現実に記者は自動馬券発売機の前でたじろいだ。「オカネがタリマセン…」という応答。◎○▲△、4点ボックスを軽い気持ちでマークしたが、それは都合24点、1点500円なら1万2千円の賭けなのだった。職業も含めギャンブル依存症にならざるをえない記者などには、実際日々のリスクが大きすぎる。

 どういう方法がいいか、どういうベットが満足できるか。むろんそれは人それぞれ好みの問題だろう。ただあえて書かせていただけば、「ボックス」などという馬券は、記者の気持ちに生来合わない。何が勝ってもいい、セレクトした4~5頭が上位争いすればそれで当たり。そんな麻薬を常習すると、観点、視点が狂ってくる。まあよけいなお世話か。いずれにせよ「3連単攻略」に特効薬はない。「馬単」の予想を当てることがまず先決。さまざまご意見、ご体験があればお教えください。

       ☆       ☆       ☆

 東京シティ盃(大井3月17日 サラ4歳上別定 南関東G2 1400m)

 ◎ハタノアドニス   (58・内田博)
 ○トーシンブリザード (58・石崎隆)
 ▲ナイスキングオー  (56・早田)
 △アマートベンハー  (56・的場文)
 △スターエルドラード (58・鷹見)
 △シンコウカリド   (58・佐藤隆)
 △エビスファイター  (56・柏木)

 ハタノアドニスの速さと強さは改めていうまでもないだろう。昨年スプリント重賞4勝、それも東京盃ではJRAサウスヴィグラスを圧倒、03NAR最優秀短距離馬に輝いた。なるほど総決算JBCスプリントはそのサウスに雪辱されたが、今思えば力走の反動、微妙な体調の揺れがあっただろう。立て直した前走フェブラリーSは結果大敗ながら不安一掃の逃げっぷり。昨夏岩手・栗駒賞では1400mを2番手から差している。ここはスタートしだいで自在の競馬。絶対スピードを信頼する。

 トーシンブリザードは半信半疑。いや正直には信=3、疑=7くらいの感じになるか。昨秋カムバック後、どうも勝負への執着力がみられない。ただ前走フェブラリーSは結果12着でも、道中馬群の中で久々にしっかりした競馬をした。無敗の4冠、一昨年のフェブラリーS、アグネスデジタルの2着。心情も含めやはり対抗以下には落とせない。かかる面が出て大井1400mは現状ベストか。

 3番手ナイスキングオーはJRAダート1400m2勝で転入。移籍後も短距離では強い競馬をみせている。父キンググローリアス、いわゆる力で押すスプリンター。7歳馬ながらまだ全貌をみせていない。以下地方ダートで開花、的場文Jがこだわって乗るアマートベンハー。ダート初体験ながらJRA実績上位スターエルドラード。ひと叩きしたシンコウカリドもJRA時短距離で新馬勝ちがある。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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