西園師ニヤリ!! 本気度A級ラッフォルツァート/トレセン発秘話
◆西園師「母のコスモベルも短距離馬だったし、ウチはここで目一杯勝負です」
「桜花賞に向けてメンバーが揃うのはチューリップ賞だけど、賞金が高いのはフィリーズレビューのほうなんだよね」
フィリーズRにラッフォルツァートを出走させる西園調教師はこう言った後、意味深にニヤリと笑った。その真意は本番どうのより、「このレースを全力で勝ちにいく」ということらしい。
「母のコスモベルも短距離馬(1200〜1400メートルで全5勝)だったし、1600メートルよりは1400メートル。本番はチューリップ賞のメンバーが争うんでしょうけど、ウチはここで目一杯勝負です」
あらゆる路線から馬が集結して、全馬が最高の仕上げで臨むGIより、相手関係も楽で、ライバルがビッシリ仕上げてこない前哨戦のGIIで、それなりに高い賞金を狙う…。これも立派な戦略だ。過去8戦で実に7戦、目下6戦連続で1400メートルを使い続けていることも含め、本気度はこのラッフォルツァートがナンバーワンだろう。
一方、1800→1600→1400メートルと一戦ごとに距離を詰める格好となるクイーンズリングのローテには、ラッフォルツァートほどの本気度はうかがえない(コンテッサトゥーレなど、同じ社台グループの馬との使い分けを優先した? )。が、不利といわれる中山マイルの外枠から楽に抜け出した前走の菜の花賞を見れば、能力の高さは明らかだ。
「(新馬→菜の花賞と騎乗した)ブノワもえらいこの馬にホレ込んでいて“もう一度、短期免許を取ってクラシックに乗りに来たい”と言ってたぐらいなんだ」とは吉村調教師。
クイーンズリングが無傷の3連勝を決めるようなら、東のマンハッタンカフェ産駒ルージュバックに対抗する西のマンカフェ産駒として注目されることになるだろう。
本気度A級のラッフォルツァートと素材A級のクイーンズリング。フィリーズRではどちらに軍配が上がるか注目だ。
(栗東の坂路野郎・高岡功)