▲懐っこいトーセンマリオンと橋本幸逸厩務員
トライアル3着で優先出走権獲得
こんにちは! 南関東競馬のクラシック戦線は、3月25日(水)の牝馬クラシック一冠目・桜花賞(浦和1600m)からスタートします。
その桜花賞に、中央1勝の成績で南関東へ移籍してきたトーセンマリオン(浦和・小久保智厩舎)が参戦を予定。最初は南関東の桜花賞に出走するためには賞金的に微妙で、トライアルレースのユングフラウ賞(浦和1400m)を3着までに入るのが近道でした。
そのユングフラウ賞では左海誠二騎手を背に激しい先行争いの中を2番手につけていくと、3コーナー過ぎから先頭に立ち、最後まで渋太く粘って優勝馬(スターローズ)から0.2秒差の3着。
1コーナーではカットされる不利があり、その分ハミを噛んで行きたがったそうですが、先行馬で唯一最後まで垂れずに食い下がっていたのは収穫があった一戦。何より優先出走権を得たのが大きかったです!
▲ユングフラウ賞のパドックにて
トーセンマリオンを今担当しているのは、この道30年以上の橋本幸逸厩務員。そもそもは笠松競馬場で厩務員をしていて、15年ほど前に浦和にやって来たそうです。
笠松時代も含めて多くの重賞ウイナーを育ててきた方で、浦和ではクレイアートビュンやキスミープリンス、トーセンアレスなど、小久保厩舎のタイトルホルダーたちを手掛けてきました。「オープン馬もC3の馬もやることは一緒だよ」と橋本厩務員。
トーセンマリオンについては、「体は小さいけど格好はいいし、背中が違うね。柔らかさがあるから乗っていてもフワフワして、とってもラク」と入厩当初から楽しみにしていましたが、カイバ食いが細い部分には頭を悩ませていたそうです。
「最初はカイバをつけても全く見向きもしてくれなかった。何種類かに分けてあげているうちに、こっちのエサにもだんだん慣れて食べてくれるようになったけど。今でもガッツリ食べるほうじゃないけど、自分で食べに来るようになった」
ちょうどカイバの時間に、橋本厩務員がトーセンマリオンの馬房にカイバ桶をつるすと、自分から首を突っ込んでムシャムシャと食べ始めました。
トーセンマリオンは基本的には大人しく懐っこい馬で、調教でも従順に言うことを聞くお利口さん。ただ、洗い場で体の手入れをする時はなぜか片側に橋本厩務員を押しつける趣味? があるそうです。そういう時はわがまま娘になるそうですが、タオルを近くに吊るすとそちらに興味を持って噛んで遊び始めるそうなので、ひと安心(笑)。
▲スッピンは美人さんのトーセンマリオン
さぁ、南関東の一員となり大舞台に挑んでいくトーセンマリオン。父のトーセンブライトは中央所属としてダートグレードレースで大活躍した馬ですね。
種牡馬になり、去年から初年度産駒を送り出していて、すでにデビューしている6頭の中で、トーセンマリオンは稼ぎ頭です。産駒重賞初制覇の期待もかかります!
「華奢に映るけど全身がバネって感じで活力にみなぎった走りをする馬で、身体能力は高いと思う。トーセンブライト産駒で重賞を勝ちたいというオーナーの想いもあるので、早く結果を出したい」(小久保調教師)
なお、小久保厩舎には2012年フェアリーSの勝ち馬トーセンベニザクラも仲間入りをしています。芝を中心に走ってきた馬なので、ダートでどんな走りをするのでしょう。
▲トーセンベニザクラ(内)とひと足早く南関東に仲間入りをしているジョーメテオ(外)
3月16日(月)から今年も大井競馬場のトゥインクルレースが開催されますが、17日(火)に行われる隅田川オープン(大井1600m)で初戦を迎え、4月29日(祝)の牝馬重賞しらさぎ賞(浦和1400m)に向かいたいそうです。(ジョーメテオも同じく17日の黒船賞(高知1400m)に遠征予定)
南関東のリーディングでもある小久保厩舎は、生え抜きで活躍している馬はもちろん、中央から移籍し、重賞ウイナーとなって南関東で輝いている馬たちもたくさんいるので、またの機会にお伝えできればいいなぁと思います。
話題は尽きないですが、今日はこのあたりで……再来週3月30日(月)にお会いしましょう!