いよいよ迫るクラシック本番! まずは桜花賞ということで、丹下庄之助が牝馬戦線を再度番付しちゃいます! 横綱・ルージュバックを脅かす存在は出てくるのか? 思わぬ穴馬の台頭は? 最新版・丹下番付はコチラ!ルージュバックは“ジェンティルドンナ級”!?
▼ルージュバックは安泰のひとり横綱
“1強”牝馬横綱、ルージュバックが、桜花賞に向け着々。2月8日のきさらぎ賞で、牡馬を相手の完封劇後は予定通り短期放牧。トレセン帰厩後、3月22日に初時計をマークし、ほぼ青写真通りに調教メニューを消化できている。
ルージュバックの横綱としての盤石性は、例えば調教の負荷にも表れている――デビュー以来、主に美浦の南Wを軸に追い切りをメインにしてきたが、11月の百日草特別あたりから、5Fから6Fへと負荷を増し、きさらぎ賞前も、関西遠征という輸送リスクがありながら、6F・81秒7というタフな追い切りを敢行。この体力こそが、巷間言われる“怪物性”の一端かもしれない。
ちなみに、昨年のちょうど今頃。桜花賞3着からオークス馬へとジャンプアップした、同じ関東牝馬ヌーヴォレコルトも、チューリップ賞あたりと前後して、南Wで6F追いをビシビシ。栗東滞在ならともかく、関東牝馬の関西遠征・GI奪取はまず、第一に体力ありきだ。
▼久々に関東から主役登場。無敗でのクラシック制覇はなるか
また、ルージュバックの能力の在り処は、前回の当欄でも述べたとおり、初陣の新潟で上がり32秒8。続く百日草特別は、「坂」という負荷のある東京2000mを、牡馬相手に有無を言わせぬ2分0秒8でレコード勝ち。きさらぎ賞遠征で、とりあえず関西への輸送はクリア。桜花賞はマイル、ペースも異なるけれど、一応好位差しの競馬はマスターできている。
父マンハッタンカフェ譲りの、長めの手先や背中、そして中距離ベースにおけるラップ形態(10秒台を2連続可能)を思えば、桜花賞より、2400mのオークスのほうが、よりレースは組み立てやすい。オークスは、ひょっとしたら、あのジェンティルドンナ級(2分23秒6は、同年のダービーより速い空前のオークスレコードだった)の圧勝劇があっても不思議はない。
≪クラシック直前特集『クラシック ナビ』≫◎有力馬の次走報や賞金ボーダーなどクラシック戦線まるわかり! しかし、競走馬というのは、ある意味経験の産物。2歳世代では突出した怪物牝馬であっても、きさらぎ賞より確実に1秒以上は流れの速い、未知のマイルのラップは経験したことがない。「絶対」という言葉は、案外と使いやすいものだが、口に出せば出すほど、危うく塩っ辛い感触が舌に広がるものだ。慎重を心がけないと、クラシックは意外な落とし穴がある(かもしれない)。
【丹下日出夫の超私的 期待馬トップ10(牝)】
1:ルージュバック
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