スケール大きいアルビアーノが牡馬も撃破するか/NHKマイルC
今年のNHKマイルCは絶対的な存在がおらず混戦模様だが、注目は3戦3勝の牝馬アルビアーノだろう。3連勝の内容から牡馬相手に通用してもおかしくはなく、ここでも期待できそうだ。4連勝で牡馬も撃破しGIタイトルを手にするのか。出走を予定している主な有力馬は以下の通り。
■5/10(日) NHKマイルC(3歳・牡牝・GI・東京芝1600m)
アルビアーノ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)は新馬戦、500万下、フラワーCと無傷の3連勝。牝馬ながら500キロ以上の馬体重で大きなスケールを感じさせる。今回のマイルへの距離短縮はプラス材料で、先行力を武器に牡馬の一線級マイラー達を撃破してもおかしくはない。
ヤマカツエース(牡3、栗東・池添兼雄厩舎)は使いながら一戦ごとに良化。直線で伸びそうで伸びなかったアーリントンCの内容からマイルは少し長いかと思われたが、前走のニュージーランドTで見事に結果を出して見せた。あの内容なら直線の長い東京コースで更に楽しみが広がる。
ミュゼスルタン(牡3、美浦・大江原哲厩舎)は新馬、新潟2歳Sと連勝した後、骨折で休養。復帰戦のスプリングSは伸び切れなかったが、一叩きされた上積みは大きく、ここでの巻き返しが期待される。
グァンチャーレ(牡3、栗東・北出成人厩舎)は1月のシンザン記念を完勝。マイラーとしての資質は高い。前走の弥生賞では距離が長くて伸び切れなかったが、マイルの今回は直線での伸びが変わってくるだろう。
アヴニールマルシェ(牡3、美浦・藤沢和雄厩舎)は詰め切れない競馬が続いているが、東京スポーツ杯2歳Sではサトノクラウンと差がない2着。能力は確実に高いものを持っている。今回は休み明けが鍵となるが、相性の良い東京コースなら結果を出せてもおかしくはない。
クラリティスカイ(牡3、栗東・友道康夫厩舎)は同コースのいちょうSでレコード勝ち。前走・皐月賞での内容も悪くはなかったが、本質的にはマイルがベストだろう。ここでも上位争いに加わってきそうだ。
その他、ニュージーランドTで大出遅れから2着まで巻き返して見せたグランシルク(牡3、美浦・戸田博文厩舎)、詰め切れないところはあるが堅実なアルマワイオリ(牡3、栗東・西浦勝一厩舎)、ファルコンS勝ちのタガノアザガル(牡3、栗東・千田輝彦厩舎)、前走惨敗もアーリントンCの内容を見直したいヤングマンパワー(牡3、美浦・手塚貴久厩舎)、前走の勝ちっ振りが良かったフミノムーン(牡3、栗東・西浦勝一厩舎)、条件が合いそうなダノンメジャー(牡3、栗東・橋口弘次郎厩舎)辺りも好走の圏内。発走は15時40分。
【データ分析】
人気(過去回)…1番人気は[5-1-0-4]勝率50.0%、複勝率60.0%と勝ち切るか凡走するかがはっきりした成績。1〜3番人気は[7-4-1-18]複勝率40.0%、複勝回収率81%と標準並み。4〜9番人気は[0-4-4-52]複勝率13.3%、複勝回収率61%と良くはなく、10番人気以下の馬が[3-2-5-80]複勝率11.1%、複勝回収率189%と高い回収率を残す。単勝オッズが20倍以上の人気薄が[3-4-6-97]複勝率11.8%、複勝回収率170%と馬券圏内の4割以上を占める波乱の多いレース。
種牡馬(過去10回)…父がサンデーサイレンス系の馬が[7-4-5-42]複勝率27.6%と馬券圏内の半数を占める。特に前走が(サンデー系が得意の切れ味勝負になりにくい)中山競馬場だった馬は[4-2-3-19]単勝回収率308%、複勝回収率210%と、今回東京競馬場になる分の上積みが見込める。また、父がサンデー系以外の馬[3-6-5-108]複勝率11.1%だと、母父がサンデー系なら[2-3-2-22]複勝率24.1%、複勝回収率260%とやはりサンデーサイレンスの血を持っていることが重要になる。逆に、父・母父がどちらもサンデー系でない馬は近5年で[0-0-0-31]複勝率0.0%と全く結果が出ていない。
馬体重(過去10回)…馬体重が479kg以下の馬は[5-5-6-85]複勝率15.8%、複勝回収率172%と、480kg以上の馬[5-5-4-65]複勝率17.7%、複勝回収率72%と比べて回収率で勝る。当日の人気が10番人気以下の馬に絞ると、馬体重が479kg以下の馬は[1-2-5-46]複勝率14.8%、複勝回収率281%、480kg以上の馬は[2-0-0-34]複勝率5.6%、複勝回収率51%と人気薄の好走条件のひとつとして考えてよいだろう。
◆ヤマカツエース
・陣営コメント/池添兼調教師
「前走(NZT1着)は馬場もあまり良くない中、強い内容で勝ってくれたと思います。コンスタントに使ってきていますが、レース後も特に反動はなく疲れも見せていませんよ。1週前追い切りはジョッキーを乗せてしっかりとやりましたが、時計、動きともに良く順調そのもの。これで当週は輸送を考慮してサッとやれば十分でしょう。瞬発力もあるし、時計勝負でも大丈夫なので、あとはうまく脚を溜めていければ楽しみです」
・一週前調教診断/井内利彰
前走NZTは初めての関東圏への輸送があったものの、きっちり強い調教を課しての勝利。2戦続けて馬体重が減り続けているが、もともと白梅賞時に16キロの馬体重増があったので、数字が減っていることは問題ないのだろう。むしろ、現時点での馬体重がベストなのではないだろうか。
この中間