地方交流重賞の選定方法の変更は活性化につながるか/トレセン発秘話
◆名古屋大賞典に向かうはずが…
日曜(10日)東京のブリリアントS(4歳上オープン、ダ2100メートル)が久々の中央出走(ここ1年以上はずっと地方交流重賞を走っていた)となるソリタリーキングの和田助手がこんなことを言っていた。
「今年から地方交流重賞の選定方法が変わったから、なかなか出られなくなって…」
地方交流重賞の選定方法の変更? 確かにそんな発表があったような気もするが、坂路野郎の勉強不足で詳しくは覚えていない。
改めて調べたところ、地方交流の古馬GII、GIIIにおける中央所属馬の出走馬決定方法が、これまでは
(1)通算の収得賞金
(2)過去1年の収得賞金
(3)過去2年のGIの収得賞金の合計
が高い馬から選出されていたのが、今年からは上位3頭はこれまでの方法ながら、4位以下については(1)は加算されず、(2)(3)の合計という近走成績だけで選出されるシステムに変わっていた。この方法だと上位3頭に入らない限り、過去1年に勝ち鞍、もしくは重賞2着以内の結果を積み重ねていない馬の出走はかなり難しくなる。
ソリタリーキングもその一頭で、本来なら前走の佐賀記念(2着)後は昨年と同じ名古屋大賞典に向かうはずが、補欠にも入らなかったため、やむなく久々の中央に使ってきたというのだ。
「実績のある馬と勢いのある若い馬の両方が出走できる選出方法はシステムとしてはいいものだと思う。だけどソリタリーキングみたいな馬にとっては正直苦しい制度だな」とは和田助手。
今年に入ってダート交流重賞の常連である古豪が何頭か引退しているのも、この新規定が影響しているのかも…。ただし、毎回同じようなメンバーばかりだった交流重賞が活性化するなら、歓迎すべき制度なのだろう。
(栗東の坂路野郎・高岡功)