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NHKマイルC、伏兵たちの共通点は?

  • 2015年05月09日(土) 12時00分


重要なのは着順より着差

 思うように馬券が当たらないことに歯がゆさを感じてはいるものの、このところ、おもしろいレースを立て続けに見せてもらっている気がします。

 とくに印象に残っているのは、以下の3つのレースです。その1=中山グランドジャンプ。ベテラン・林満明騎手が思い切りのいい先行策で初のG1制覇。その2=天皇賞・春。ゴールドシップと横山典弘騎手が最初から最後まで“主役”を演じ通してしまったレース。その3=かしわ記念。ワンダーアキュートが9歳馬初のG1勝利をマーク(地方のハッピースプリントも見せ場十分の3着)。

 林騎手も横山典騎手も、本人がどう思っているかは別として“大ベテラン”と言っていいジョッキー。ワンダーアキュートは文句なしの“古豪”です。かしわ記念の翌日に行われた東京湾カップでも、大井の“重鎮”的場文男騎手が優勝していますから、ここ1カ月ほどの競馬は、そういう人と馬がおもしろくしてくれているようです。

 ついでに言うと、ゴールデンウィーク中は中日・谷繁監督兼捕手が27シーズン連続のホームランを放ったり、DeNA・三浦投手が23年連続勝利をマークしたりと、プロ野球の世界でも“大ベテラン”の活躍が話題になりました。どなたかが、サッカーの三浦知良選手に対する“引退勧告発言”をして物議を醸しましたが、それに触発されたかのように、あちこちで大ベテランの方々が奮起しています。この流れはいつまで続くでしょうか?

 さて、今週はNHKマイルC。05〜14年の10年間で3連単が1万円未満の払戻になったのは1度だけ。7回が10万円以上、そのうち3回が100万円以上という、メチャメチャ荒れるG1です。

 その要因となっているのが、単勝2ケタ人気馬の激走。10年間に1〜3着した30頭の中に2ケタ人気馬が10頭もいます。3連単が10万円以上ついたうちの6回は、2ケタ人気馬が絡んでいました。

 では、それら10頭に何か共通点はあるのでしょうか? 調べて見たら、おぼろげながら見えてくるものがありました。まず、新馬戦を勝っている馬が6頭、2着馬が3頭いたこと。唯一の例外は07年(3連単が973万9870円もついた年)の3着馬ムラマサノヨートー(18頭立ての18番人気)ですが、同馬は優勝馬のピンクカメオ(こちらも17番人気)が勝った福島の新馬戦で4着に来ていました。新馬戦の実績には注目しておきましょう。

 次に、重賞勝ちか、重賞で勝ち馬から1.0秒差以内のレースを経験していること。13年の勝ち馬マイネルホウオウ(10番人気)、14年の2着馬タガノブルグ(17番人気)、3着馬キングズオブザサン(12番人気)は、重賞で1.0秒差以内の敗戦を2度以上経験していました。着順より着差のほうが大事ということでしょう。

 この2つのチェックポイントをクリアしているのにあまり人気がない馬がいたら、狙ってみるのもおもしろそうですね。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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