父・安田記念馬+母父・安田記念馬+騎手・東京マイル穴男+ド人気薄馬を狙うのは無謀か淫らか。
「ディープインパクト産駒か、前走牡牝混合重賞出走馬か?」
ヴィクトリアマイルの過去歴を見たら、この2択でどうしようもないのではないか?
と思う人は多そう。
実際、自分はたっぷりとそう思い、去年、その定石(?)に則って、ディープインパクト産駒と前走牡牝混合重賞出走馬を抽出した。
去年の結果
1着 ディープインパクト産駒ヴィルシーナ
2着 前走牡牝混合重賞出走馬メイショウマンボ(大阪杯)
3着 前走牡牝混合重賞出走馬ストレイトガール(高松宮)
まさに定石どおりだ。
しかし、どこをどう間違えたか自分はかすりもしなかった。
去年は、
ディープインパクト産駒が7頭いた。
スマートレイアー 1人気
デニムアンドルビー 4人気
ウリウリ 5人気
ラキシス 9人気
ヴィルシーナ 11人気
キャトルフィーユ 13人気
エバーブロッサム 16人気
前走牡牝混合重賞出走馬も6頭いた。
ホエールキャプチャ 東京新聞杯 2人気
メイショウマンボ 大阪杯 3人気
デニムアンドルビー ドバイシーマクラシック 4人気
ストレイトガール 高松宮 6人気
ラキシス 中日新聞杯 9人気
プリンセスメモリー オーシャンS 18人気
で、選んだのはディープ&混合重賞どちらにも該当する馬2頭。
デニムアンドルビー 4人気
ラキシス 9人気
うん、カンタンだ! そう思った。
しかしやって来たのは前記どおり、人気のないディープインパクト産駒のヴィルシーナと、牡牝混合重賞のメイショウマンボとストレイトガールだった。
アプローチは間違ってなくても、着地が乱れることが多いのが競馬だけど、
去年は自分的には淫らなほど乱れた着地だった気がしている。
そう、カンタンじゃなかった!
では、今年はどうか?
ディープインパクト産駒2頭(人気はすべて予想)
4人気ショウナンパンドラ 大阪杯9着
7人気スマートレイアー 阪神牝馬S4着
(デニムアンドルビーは回避扱い)
前走牡牝混合重賞出走馬5頭
1人気ヌーヴォレコルト 中山記念1着
2人気ディアデラマドレ マイラーズC7着
4人気ショウナンパンドラ 大阪杯9着
6人気ストレイトガール 高松宮13着
20人気リトルゲルダ 高松宮16着
ディープインパクト産駒で、なおかつ前走牡牝重賞だったのはショウナンパンドラただ1頭だ。
うん、これはお得だー! ってカンタンに飛びついて、去年失敗した。
もうちょっと精査せねば!
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ディープ産駒&前走牡牝重賞馬チェック
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父ディープインパクト部門
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#1 ショウナンパンドラ 父ディープインパクト&前走牡牝混合重賞出走馬
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前走・大阪杯9着 1.9差
ここ2年、前走大阪杯だった馬が1着、2着している。
13年ヴィルシーナ 1着 大阪杯6着(着差0.8)
14年メイショウマンボ2着 大阪杯7着(着差2.2)
着差0.8だったヴィルシーナは1着し、着差2.2だったメイショウマンボは2着した。
これならショウナンパンドラの着差1.9を気にしなくていいか?
休み明けの大阪杯は馬体重452キロ。これはデビュー以来最高馬体重で、前走比+6キロ。明らかに叩き台という感じの作りだったようにも見える。
ならば大丈夫か。タオルに湘南之箱と書いて、それをくるくると回す準備に入っていいか?(ショウナンの馬を買うときは、湘南之風式応援をすると決めている。詳細は14年10月23日付けコラムにて)
だがしかし、前走・大阪杯が今年は気になってしょうがない。
今年の大阪杯は不良馬場で行われた。もしかして、あのレースは見た目以上に消耗するレース(馬場)だったのではないか?
1人気で2着に敗れたキズナは天皇賞春では、いいところなく7着に敗れた。このときはキズナは骨折明けから、完全には復調できていないためと思った。
しかし、大阪杯を6着に負けたデウスウルトが新潟大賞典で1人気になって、13着に負けたのを見て、少し考え方が変わった。
今年の大阪杯は思ったより消耗度の高いレースだったのでは……? キズナの敗因が不良馬場が影響しただけとは思わないけれど、不良馬場も多少影響したとは思いたい。
大阪杯7着だったダノンヨーヨーは新潟大賞典で15着に負けた。
大阪杯12着だったタガノグランパはマイラーズC9着、大阪杯13着だったゼロスは谷川岳S10着に負けた。
大阪杯の次走で走ったのは、メトロポリタンSを1着した大阪杯11着だったムスカテールだけだ。
(その他の馬はまだ出走してない)
だとすると、ショウナンパンドラもちょっと心配だ。
重めに作っていたとはいえ、休み明けで不良馬場を走って、想定外の消耗はなかったのだろうか? こういうのは調教でも見えないときもある。気持ちの問題だったりもするからだ。
ものすごくタオルを振り回したいけれど、取り合えず保留だ。
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#2スマートレイアー 父ディープインパクト
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去年1人気で8着に負けた。直線で馬群を抜け出せず、やや挟まれたりもして、不利のあった状況で、情状の余地はありそう。今年人気を落とすなら(予想7人気)、おいしい可能性もある。
ただし、フルゲート18頭立てはちょっと心配だ。去年は4枠8番で内から抜けようとして、抜けられなかった。だとすると、今年は大外を回るかもしれない。
この馬は、過去17頭立て以上の競馬で馬券になったのは、デビュー戦の未勝利戦1着と秋華賞2着しかない。
17頭以上の成績は1-1-0-5。
去年勝った阪神牝馬Sは13頭立てだった。今年4着だった阪神牝馬Sは17頭立てだった。
G1で、外からまとめて抜き去るまでの力はないかもしれない。仮に差してこれたとしても、差し合戦ではディアデラマドレには勝てないのではないか? 府中牝馬Sでもディアデラマドレに負けた。
去年1人気だった馬で、2頭しかいないディープインパクト産だし、3連系馬券の3着なら拾いたいけれど、取りあえず保留だ。
前走牡牝混合重賞出走部門
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#3 ヌーヴォレコルト 前走中山記念1着
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中山記念を先行して、内から抜け出して、1着した。これだけで同じハーツクライ産駒のジャスタウェイを思い出させてくれる。そのジャスタウェイはそこからドバイデューティフリー1着、安田記念1着と連勝した。
もはやヴィクトリアマイルだけじゃなくて、安田記念まで勝てそうに思えてくる。
1人気も納得だし、この馬をナイガシロにするということはすべての馬をナイガシロにすることになるような気もしている。
っていうか、この馬はもしかしたら、ジャスタウェイと同じで、マイルや2000でこその馬なのではないか? そんな気もするくらいだ。だってそうでしょう。中山記念を勝った馬で2001M以上の重賞で強かった馬はいませんからね。ジャスタウェイだけでなく、カンパニーだって、ヴィクトワールピサだって、2000までで勝って、2400では勝ててませんからね(ヴィクトワールピサは有馬記念を勝ってるけど)。
ヌーヴォはオークスを1着したけれど、秋以後は2000以上で取りこぼしている。
ローズS 1800 1着
秋華賞 2000 2着
エリ女 2200 2着
中山記念 1800 1着
同世代対決では克服できた距離でも、古馬になると克服できなくなる場合あり。
もしかすると、ヌーヴォは今後、1600〜2000で勝って、2000〜2400で取りこぼす可能性もあり(あえて2000をどちらにも加えてみた。2000は1着したり、こぼしたりの境界線かもしれないから)。
ゆえに、ここは1着する可能性大!
と言いたいのでありますが…ちょっとだけ心配ごともある。
外枠に入っても同じような競馬ができるのだろうか?
ヌーヴォレコルトって、内枠競馬が多くて、17頭立て以上の競馬で5枠10番より外に入ったことがない。
以下は17頭立て以上の競馬の枠番と成績
桜花賞 5枠10番 3着
オークス 5枠9番 1着
ローズS 3枠6番 1着
秋華賞 2枠4番 2着
エリ女 3枠5番 2着
オークスや秋華賞は外から差したと書かれているけれど、ずっと内にいて、直線で外に出した競馬だった。しかも外といっても大外ではない。馬群から抜け出す競馬だ。
コーナー2つの東京マイルで外枠に入ったとき、直線に向くまでどういう競馬をするのか?
そこは未知だ。
未知は穴ならプラスに持っていけるけど、1人気ではマイナスに持っていける材料だ。
内から抜け出す競馬しかしたことのない馬がフルゲートの外枠(7枠8枠)に入っても、いつもどおりの走りができるのか?
岩田は外枠から発走しても、いつの間にか内に潜り込む競馬が上手いけれど、それは1周競馬だったり、京都競馬場でのコーナーリングだったりする。はたして、東京競馬場でそれができるか?
1600〜2000でポテンシャルを発揮していく馬だと想定しているけれど、もし外枠に入ったら、取りこぼす可能性も生まれるのではないか?
というわけで、ヌーヴォレコルトも一応保留にしておく。
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#4 ディアデラマドレ マイラーズC7着
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「春の角居牝馬祭り」と称して、G2の牡牝重賞につぎつぎと送り込む角居古馬牝馬3頭の1頭として、ここでも取り上げた(4/23付コラム)。
ディアデラマドレについては、母ディアデラノビアにどんどん近づいていると、だからマイラーズCで3着になれば、次のヴィクトリアマイルで3着になれるのではと記した。
しかし、出遅れて、7着に負けた。
最速上がりで、追い込んだからまだ見限れない。だから、当然ここでも期待したいけれど、やっぱり心配事がある。
もし、本当に母に似ているとしたら、前につけると味がなくなる可能性もある。
母ディアデラノビアもそういう馬だった。
だから、いつも通り乗って3着、最高に乗っても3着の気がしないでもない。
角居厩舎はG1では勝負位置取りを仕掛ける厩舎だ。たいてい、いつもより前で勝負させる。けれど、その場合は騎手をチェンジさせるときが多い。今回は主戦の藤岡康のまま。ならば難しい注文はしないだろう。そういう意味では安心だ。
ただ予想2人気の馬を3着で期待するのは、週中にすることとも思えない。だからこの馬も保留だ。
これで保留玉4つになってしまった。
フル点灯だ。最近は保留玉8個のパチンコもあるけれど、主流は4つだ。
もうこれ以上は保留は許されない。
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#5ストレイトガール 高松宮13着
#6リトルゲルダ 高松宮16着
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前走13着、16着なら牝馬の場合はナイガシロにしていい。走る気のない牝馬を復活させるのは難儀だからだ。でも、ことヴィクトリアマイルに限っては、そうも決めつけられない。
前走10着より負けてる馬の巻き返しも多いからだ。
ヴィルシーナは前走11着に負けて、巻き返して1着したし、ホエールキャプチャは前走14着に負けて、2着に巻き返した。ドナウブルーも前走11着、ヒカルアラマンサスも前走13着から巻き返して2着した。
ここ5年で4年(4回)で、巻き返しがあった。
だから注意すべきだろうけど、正直もうこれ以上保留玉を増やしたくない。
ストレイトガールは岩田が乗らないのだし、巻き返しはない……でいっか…。
リトルゲルダはMデムーロ2回目の騎乗は怖いけど、1600の経験もないし、ストレイトガールほどの馬でもないはずだし、Mデムーロが最高に上手に乗っても4着……でいっか…。
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保留玉チェック
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保留にも色がある。
最近は赤保留でも信用できないけれど、一般的には強いのは赤だ。
赤>黄色>緑>青
こんな感じか。
娯楽の殿堂の定石に照らし合わせるとこんな感じか。
赤保留 ヌーヴォコレルト 予想1人気
黄色保留 ディアデラマドレ 予想2人気
緑保留 ショウナンパンドラ 予想4人気
青保留 スマートレイアー 予想7人気
ほぼ予想人気どおりだ。
やばい…なんかつまらない感じになってしまった!!
いや結果的に人気どおりの結論になることは、けっしてつまらなくはない。
ただ入口は変態、出口はまっとうを標榜する自分としては、本望ではない。まだ週中だ。降参するには早すぎる。
さあ、どうしよう。
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ヴィクトリアマイル注目馬
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ブラックホーク 安田記念9人気1着
アグネスデジタル 安田記念4人気1着
2頭の安田記念馬を父と母父に持つウエスタンメルシーに何かを期待するのは無謀か? 淫らか?
ウエスタンメルシーの予想人気は19人気。Mデムーロ騎乗のリトルゲルダより1つ上だ。
2走前に後藤騎手で東京1600を10人気で勝った。
3走前も後藤騎手で中山1600を11人気で勝った。
マイルは2-0-1-0。
東京1600は1-0-0-0。
穴馬であるだけでなく、マイルに関しては「未知」の部分もある。
未知は人気薄の場合は希望と訳せる。
鞍上・内田博は東京マイルG1ではけっこうな穴男だ。
ヴィクトリアマイルはヴィルシーナで2連覇中だけど、去年は11人気だった。5年前には8人気のヒカルアラマンサスを2着に持って来た。
NHKマイルでは17人気のピンクカメオを1着させたり、13人気のグランプリエンゼルを3着に持って来ている。
安田記念では13人気のグランプリボスを2着に持って来た。
父も母父も安田記念を勝った穴馬に東京マイルの穴男が騎乗する。
ん〜〜なんだかテンションが上がってきたぞ〜。
前走の福島牝馬Sでは、最後の直線で内を突き、自分が見たところ前が詰まり、追えてないシーンが2回もあった。それで0.4差ならば、悲観する内容ではないし、おそらくそれを受けての今回の内田博起用ではないか?(丸田騎手はハナズゴール騎乗が決まっていたので最初から騎乗できなかったのかもしれないけど…)
あ〜〜〜なんだかますますテンションが上がってきたぞ〜。
うむ、我ながら多くの方々にドン引きされるくらいの入口に立ててる気がする。
ヌーヴォレコルトの1着
ディアデラマドレの3着
の可能性が高いとしても、わずかばかりの心配ごとも見出せた。どちらか一方は馬券圏内からこぼれる可能性もないとはいえない。
だから2頭には最大の敬意を表しつつも、ウエスタンメルシーに希望を見出せないか、もうちょっと長考して行きたい。
というわけで、
週の真ん中の入口は予想19人気のウエスタンメルシーに注目することにした。
もし、3着してくれるようなら…………想像するだけで淫らだ。
ヴィクトリアマイル注目馬(予想人気は水曜夜)
ウエスタンメルシー 予想19人気
タガノエトワール 予想13人気
タガノエトワールはローズS、秋華賞ともにヌーヴォコレコルトから0.2差(1馬身1/4差)だった。
今回も0.2差で走れれば、場合によっては3着に入れるかもしれない。