2着のリアルスティールに1馬身半差をつけて、皐月賞を制したドゥラメンテ。皐月賞の座談会で、加藤記者が早くも「今年のダービー馬」と宣言していましたが、実現の可能性を高めた感があります。さらに加藤記者、今回も気になる発言を！　はたしてドゥラメンテの真の能力とは？　リアルに逆転の可能性はあるのか？　オークス的中、安里記者の見解も必見です！

(出演メンバー：栗東から竹村浩行記者、安里真一記者、美浦から加藤剛史記者、石堂道生記者、司会：赤見千尋)

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皐月賞の4コーナーは何があったのか

赤見　続きましてダービーの展望。皐月賞は先に先頭に立ったリアルスティールを、ドゥラメンテが差して勝利しました。改めて、ドゥラメンテの評価というのはいかがですか？

竹村　あれは、普通ならリアルスティールが勝ってるレース。最後のラップを見たら11秒台を刻んでるし、逆転はほぼあり得ない。それを差し切られたんだから、ちょっとものが違ったな。

安里　爆発力がハンパじゃないもんな。まさにものの違い。こんなにすごいんやっていうのを見せつけられたね。


赤見　前回の座談会で「今年のダービー馬はドゥラメンテ」と宣言されてた加藤さんにとっては、納得の内容だったんじゃないですか？

加藤　想像をはるかに超える走りでした。陣営はサトノクラウンを究極に近い仕上げに作っていましたし、ドゥラメンテはダービーに照準を定めた仕上げに作っていたのではないのでしょうか。共同通信杯の時と比べると明らかに筋肉が戻っていませんでしたから。

　まだラインが細くて成長途上の馬体で、全然完成されていない。前回の時「皐月賞を使わなければ、ダービーは勝てる」って言ったでしょう。でも、完璧ではない状態の皐月賞であれだけの走りを見せたとなると、普通だったら次も負けようがないです。

安里　怖いとしたら、あの激しい気性を自制できるかじゃない？

石堂　間違いないと思います。自分との戦いだけですかね。発走がスタンド前ですし。

加藤　堀厩舎は追い切りの後毎回ゲートで駐立をさせていて、もうすっかり悪さを見せなくなっています。大一番でもその効果は十分に出せるでしょう。ですので出遅れも心配はしていません。

石堂　皐月賞は、結構行きたがるのかなって思ったんですけど、行く気なくそろ〜っと出しましたよね。そうしたら全然引っ掛かる感じがなかった。

安里　そろ〜っと出したね。スタンド前発走で距離も延びるわけだし、次もあの競馬をするしかないよな。

石堂　そうですね。あの馬の場合、出していくわけにはいかないですので。

安里　ミルコも一回競馬に乗って馬の特徴をつかんでるだろうし、自信を持って乗るでしょうね。

赤見　皐月賞では、4コーナーでちょっと荒削りな部分も見せてたじゃないですか。あの辺は？


加藤　あれは、内から追い上げた時にブライトエンブレムがいたので、一回ブレーキをかけたんですよ。それでもう一度進路を確保して「行こう」っていう指示を出したら、逆手前に変えてしまって吹っ飛んだ。だから、気性でどういうということではないです。

赤見　なるほど。何かに反抗してというんじゃなかったんですね。ドゥラメンテって、過去の名馬たちと比較すると、どれぐらいの感じを持っていますか？

加藤　それは分からないです。というか、恥ずかしいから言いたくない(照笑)

竹村　言えよ〜。だいぶ後まで残るで(笑)。僕なんて前回「ルージュバックはディープインパクト級」って言ったからな。言ったけど、それはもういい。後悔はない！

安里　せっかくなんで、言うとこう。オルフェーヴル級？

加藤　あぁ、いや、オルフェとは全然。もっと上…だと。

安里　オルフェより上って言ったら、日本じゃディープインパクトくらいしかおらんやん。

竹村　もう、レベルが違いすぎると？

加藤　そうですね。体の形とか、そういった面では。まあ、まだあんまりデカいことは言えないですけど、僕の短い競馬人生では、出会ったことがないレベルかと。

竹村　まあ、ここは正直、普通に乗ったら負けないか。

安里　あとは馬場のマジックさえなければね。

赤見　馬場のマジック？？

加藤　JRAが当日の馬場をどう作るかということ。

安里　天皇賞・春がまさにそれ。散水はいつもしてるんだけど、その量がね。ずっと晴れの日が続いてたのに、当日だけ重馬場みたいで。ほとんどのジョッキーが「のめるぐらい悪い」って言ってたからね。

竹村　あの時は天気予報が裏目に出て、予報より日照時間が少なかったみたい。それで乾かなかったらしいね。でも、何の説明もないのはね。散水は普段からやってるからいいけど、事実の説明と含水率の定期的な発表はしてほしいよな。

加藤　だから、今回のダービーも特殊な馬場にだけはしないでほしい。そうしたらドゥラメンテは勝てます。

リアルスティール、逆転への可能性

竹村　まあまあ、ドゥラメンテの能力が抜けてるとは言っても、絶対はない世界だからね。逆転があるならリアルスティールでしょ。

石堂　負けはしましたけど、皐月賞はいい競馬だったと思います。


竹村　そうそう、僕もそう思う。皐月賞は、追い切りからちょっとうなり過ぎな感じがしたんだよね。かなり気持ちが乗ってて、案の定レースでも力んでた。でも、そのテンション的なことを考えると、ベストな競馬をしたんじゃない。netkeibaさんの福永ジョッキーのコラム(→記事はこちら)で、「追い出すところで一呼吸置いてたら、もしかしたら」みたいなことを書いてたけど、僕はそんなことはなかったと思う。

石堂　仕掛けのタイミングはベストだったと思います。本当に「勝つ競馬」をしましたよね。

竹村　まさにそう、勝つ競馬だった。あの時、リアルスティールの頭で勝負してたんだけど、僕としては納得。いや、むしろ感動した。これで負けたら仕方ない、っていうくらいの騎乗をしてくれたから。だから、次どうやって立ち回るのかが、すごく興味がある。

石堂　どのポジションで運ぶかということですね？

竹村　そうそう。どういう乗り方するのか。まあ、ドゥラメンテをマークするしかないとは思うけど。

赤見　ズバリ、逆転の可能性はありますか？