久しぶりに文章のコラムを投稿します。
今回は馬術に直接関係無い内容です。まぁ、アマチュアの研究者としてのキャリアもあるので、そこから引張り出したお話です。
500万年ほど前の話―
私はエクウス(馬の学名)。アフリカ大陸を出て、今ちょうど中央アジアの草原地帯に辿りついた。ここは雨も少ない上にとても寒く、樹木は生えない。見渡す限りの草原地帯、生物には過酷な地帯だ。だけど、その分、生存競争の相手が少ない。だから、私たちはここで生き延びていこうと決めた。
私たちだって、生活をしていくのは温暖で水に恵まれたアフリカ大陸の方が本当は良かった。でも、それは難しくなってきてしまっていた。アフリカ大陸でバッファローやキリン、カバ、スイギュウ、そう言ったいわゆるウシ目、つまりウシの仲間に当たる種族との生存競争に敗れてしまったのだ。
彼らは、大食いだった。4つの胃袋を持ち、「反芻(はんすう)」を行い、食べた植物を入念に消化し、栄養に変える事が出来た。4つの胃袋の内1つに、大量の微生物を飼いならし、微生物が発する酵素によって、我々では食べる事の出来ない植物まで食べる事ができた。
多くは角や牙といった、彼らなりの武器を持ち、時として捕食者と勇敢に戦い、種族を守ってきた。
どれも我々エクウスには出来ない芸当だった。
ウシの仲間はアフリカ大陸において爆発的な繁栄を見せていた。バッファローやスイギュウ、キリン、カバ、それらから派生した亜目・科・亜科は多岐に及んだ。我々は彼らに圧されて、次第次第にアフリカ大陸で住む場所を失っていく事になった。近しい種族と言えば、シマウマ、ロバの2種族しかいなくなり、遠い親戚もサイ、バク以外は滅んでしまった。我々エクウスには新天地が必要だった。そうでなければ我々も滅んでしまう。そんな状況だったのだ。
つづく
続く
元馬術の選手です。ネットケイバでは主に競走馬掲示板にて活動しています。2016.11.11記諸般の事情により、当面はブログで活動いたします。追い切り所見・レース回顧を中心に、内容そ...
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