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1、2人気の馬の出し入れとけしからん夢

  • 2015年05月28日(木) 12時00分


今年のダービーの構図は簡単だ。

福永騎手をダービージョッキーにする会
VS
ボクをダービー・トレーナーにする会

の激突。

つまり、

リアルスティール
 VS
ドゥラメンテ&サトノクラウン

たとえ◎馬が違ったとしても、この構図に異論を挟む人はいないだろう。

人気もほぼこの3頭で上位を占めそう。

1人気 ドゥラメンテ
2人気 リアルスティール
この2頭が接近して、
少し離れて、
3人気 サトノクラウン

1人気をナイガシロにしにくいのがダービー(5-1-1-3)だから、ドゥラメンテとリアルスティールに注目し、馬券を組み立てれば、儲かるかは別にして的中はできそうな感じだ。
だから1人気になった方を大事にすれば、半分的中のはずだし、上手に馬券を買って、儲かればブラボーこの上ない。

今年の世代は「1人気取りこぼし世代」だから、1人気から買うなら、2着付けの馬券が面白いかな? とも思う。

ちなみに1人気は前記どおりナイガシロにできない成績だけど、2人気はナイガシロにしやすい成績だったりもする。

1人気 5-1-1-3
2人気 1-1-0-8

もう見えたようなもんだ。
ドゥラメンテとリアルスティールの人気の動向をチェックし、1人気になる方の馬券を買う。それだけだ。2連系馬券の的中率は(相手を拾えた前提になるけれど)、約5割。
過去10年を振り返って、自分のダービー的中率が5割に満たないならば、そしてダービーだけはどうしても的中させたいのならば、1人気から買うだけでいい。楽ちんだ。もうちょっとスリリングさが欲しいのならば、2人気をバッサリ切ればいい。

とはいえ、
今年は、今年に限っては、2人気になった方に一票を投じてみたい気もしている。

理由は、前記したようにこの世代の1人気馬が頼りないというだけでなく、上記の3頭(サトノクラウンも入れる)は人気を落としたときに先着していたりもするからだ。

共同通信杯
1人気 ドゥラメンテ 2着
3人気 リアルスティール 1着 先着

皐月賞
1人気 サトノクラウン 6着
2人気 リアルスティール 2着 先着
3人気 ドゥラメンテ  1着 最先着

単体で見てもそうだ。
重賞では1人気で1着したことがない。

ドゥラメンテ 共同通信杯 1人気2着
リアルスティール スプリングS 1人気2着
サトノクラウン 皐月賞 1人気6着

取りこぼしている。
現状、ダービーでの人気はこんな感じだ。

1人気 ドゥラメンテ
2人気 リアルスティール
3人気 サトノクラウン

今までの流れを考慮するなら、3人気になりそうなサトノクラウンを買うべきかもしれないけれど、1、2人気と3人気が少し離れそうなのが気になる。
この人気は、ダービーまでのプロセスを踏まえて作られる人気でもあるはずで、ダービーでは1、2人気を比べて、2人気になった方を重視したくなる。

ダービーの過去を踏まえると2人気をナイガシロにし、1人気を大切にしたくなるけれど、この世代の結果を踏まえると1人気をナイガシロにし、2人気を大切にしたくなるわけだ。

では、どちらが2人気になるのか?
それは読めない。
予想では皐月賞馬のドゥラメンテに今はなっているけれど、ディープインパクト産の東京2400力にスポットが当れば、最終的にはリアルスティールが1人気になるかもしれない。

ではどうするか?
それはカンタンだ。
どっちが2人気になっても大丈夫なように武装しておけばいいだけだ。

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ドゥラメンテはダービーも圧勝するか。
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皐月賞のときは堀厩舎の2頭を、表のサトノクラウン、裏のドゥラメンテとして、裏ドゥラが乗るかに注目した。

裏ドゥラ乗った〜〜!!
って言いたかっただけと思われるかもしれないが、まったくもってその通りだ! そこに反論の余地はない。

実際、レース直後に叫んだ言葉は「裏ドゥラだけ乗った〜!」だった。

どこをどう間違えたのか、前日までは買うつもりだったリアルスティールとの馬券を外して買って、イタい叫びとなったのだった(裏ドラとはツモった者だけが引けるおまけみたいなものだから、裏ドラだけ乗るなんてことはありえない。だからイタいわけです)。

とにかくドゥラメンテは皐月賞を勝ってしまった。
つまり今度は表になる。
はたして、裏だったものが表になって、いつもと同じ走りができるのか?

自分は、外国人騎手を乗せる最大の効能は人気になったときにあると思っている。
1人気になっても、しっかり馬の力を発揮させられるか?
マークされても、それを跳ね返す操縦技術や精神力を持っているか?

そういう意味でも、堀厩舎が自慢の2頭に外国人騎手を配置させたことは大きいと思う。
っていうか、何も皐月賞を勝ちたくて、両外国人を揃えたわけではないはず。あくまでもボクをダービー・トレーナーにするための招聘のはず。だから人気が原因で上手に乗れませんでしたなんて、本来はあってはならないはずだ。だから1人気だからサゲる必要もないわけだけど、それはそれ、これはこれだ。競馬は相手あってのもの。相手が2人気になったことで、いつもより上手に乗ることだって十分にある(いっぱいある)。

皐月賞では、3角〜4角で大きな斜行をした。
あれは、内から追い上げ、直線に向いたときにいいポジションにいたくて、仕掛けた小マクリのはず(結果大きく動いてしまったけれど)。
あのポジションから(中山で)勝とうと思ったら、必要な作業で、それが上手くいかなくて、ああなってしまったようにも思えた。

っていうか、3角〜4角で動いても勝てる皐月賞だから仕掛けることができたわけで、3角〜4角まで動く必要のない(動いたらむしろ苦しくなる)東京2400ではいらない仕掛けでもある。

つまり、コーナーで無理に動く必要のない東京2400の方がレースはしやすいはずで、Mデムーロも東京ではもっと上手く騎乗できると思っているのではないか?

皐月賞より上手に乗れば、必然的にダービーも圧勝だろう。

ただし、出遅れたらヤバイ。
オークスでも結局、出負けしたクルミナルは勝てなかった。1着2着した馬はふつうにスタートをし、いいポジションの取れた2頭だった。
ダービーもいっしょだ。出負け・出遅れの馬の勝利はほぼ絶望的だ。勝ったのはこの10年でもディープインパクトしかいない。

Mデムーロには1周競馬ならば、出負け・出遅れを挽回する技術があるから、本来ならばそれほど心配する材料ではないかもしれない。しかし、皐月賞で大斜行したばかりだ。あの斜行もそもそも出遅れたから、3角から動く必要が生まれてしまったとも言える。ドゥラメンテは過去5戦中3戦で出負け出遅れしており、ここでもそのリスクはつきまとう。

2回連続で同じ失敗は繰り返せない。もし今回、出負け出遅れたら、Mデムーロといえども、心のストッパーが作動してしまい、動くに動けなくなるのではないか。

つまり、こうなる。

「ドゥラメンテが2人気になったら、出負け・出遅れしないように祈れ」

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リアルスティールはダービーで勝てるか。
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2戦目で共同通信杯を勝った。これだけで、リアルスティールには付加価値があることがわかる。人気になるのも当然だろう。
あとは福永騎手がダービーで攻め切れるか。そこだけじゃないか。

同じ矢作厩舎のダービー馬・ディープブリランテは皐月賞で内からゴールドシップ、外からワールドエースに差されて、3着に負けた。ゴールドシップには内から並ぶ間もなく差された。

リアルスティールは皐月賞で同じように外からドゥラメンテに並ぶ間もなく差されて2着に負けた。

ディープブリランテは、ダービーでは3人気だった。皐月賞で差されたワールドエースとゴールドシップに人気をゆずった。ワールドエースとゴールドシップの皐月賞での強烈な差し脚は、東京競馬場でさらに威力を増すと評価されての人気だった。

しかしダービーでは間に合うはずの差し脚が間に合わず、ディープブリランテを交わすことはできなかった。ディープブリランテの位置取りは、皐月賞もダービーも同じような3,4番手先行だったけれど、皐月賞よりもダービーの方が4角から直線に入るときに攻めていたように思えた。

思えば、88年のダービー馬サクラチヨノオーも同じように攻めていた。

サクラチヨノオーは、皐月賞を道中3番手で先行し、押し切ろうとしたところを、内からヤエノムテキ、外からディクターランドに差されて、3着に負けた。ディープブリランテの皐月賞と同じような競馬だった(こちらは東京開催だったけれど)。

ダービーでのサクラチヨノオーは、ディープブリランテと同じように3人気だった。皐月賞で差して1着したヤエノムテキは2人気、さらに強烈な差し脚の関西の秘密兵器サッカーボーイが1人気だった。しかし勝ったのはサクラチヨノオーだった。
戦法は、番手先行。皐月賞よりさらに1つ前で競馬をしていた。
強烈な差し脚を持つ馬たちを封じる策は、皐月賞よりさらに前での競馬だったというわけだ。

リアルスティールもそれなりの差し脚はあるけれど、共同通信杯と皐月賞でドゥラメンテに上がりで負けている。だとすると、今回考えられる策は、皐月賞よりももう一つ前の位置で競馬をすることではないか?

皐月賞 リアルスティール 4-5-5-3 2着
皐月賞 ディープブリランテ 3-3-4-4 3着

ダービー ディープブリランテ 1-4-4-3 1着

強烈な差し馬がいるときは、さらに前で競馬をする。ディープブリランテで結果を出している矢作厩舎ならば、十分あり得る作戦だ。
同じレースに、ワールドエースで差し届かず負けている福永騎手も十分理解している戦法だろう。

つまり、こうなる。
「リアルスティールが2人気になったら、強気の先行策を祈れ」

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ダービーの結論
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ドゥラメンテは出遅れ、リアルスティールは攻め切れるか。
どちらも多少の不安を抱えての1,2人気だ。
そう考えると、やっぱり1人気よりも2人気の方がいいように思える。

で、2人気になった方から、3人気に引き出されたサトノクラウンへの馬券を忘れずに買う。

うむ? うむ!やっぱり変だ。これだとサトノクラウンから1,2人気へ買えばいいってことになってしまう。

そういうつもりはまったくないのに、そうなってしまう。原因はなんだろう? よくわからない。もしかしたら、ここまで結局、1・2・3人気の馬しか触れてないからかもしれない。

だめだ。だめだ。ダービーは1人気に敬意を払いつつも、けしからん夢もみないと。

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柴田の善さんにけしからん夢を乗せていいか。
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自分はレース後コメントは重視するけれど、レース前コメントは極力拾わないようにしている。
理由は、レース前コメントには本音のこぼれることが少ないからだ。

それはそうだ。レース前はいろんな思惑や、いろんな関係者への配慮がある。読んで、迷わされるくらいなら、読まずにニギニギしていたほうがいい。

しかし、NHKマイルの週の善さんと大江原師の会見を読んでいたら、違和感で頭がいっぱいになった。

参考文献は、netkeiba.comにアップされた。5月6日のニュースだ。

大江原師は、皐月賞ではなくNHKマイルへの挑戦は、マイルならば絶対勝てるからとコメントしている。
しかし善さんのコメントでは、皐月賞で上手く走れるように意識してスプリングSで騎乗したとあった。

スプリングSを使ってみて、今後の方針を決めることはよくある。しかし、善さんのコメントからは、そもそも距離不足を不安視してなかったことがわかる。不安なのは、骨折明けだったり、やんちゃな気性だったりで、そういうことを配慮しながら、皐月賞に臨む予定だったと読めた。

つまり突然の路線変更だったわけだ。

違和感はまだある。

善さんは、追い切りの感触について、「前回よりはいいです」と語っている。しかし、その後、状態は「現段階では100%かそれ以上」とも語っている。

「前回よりはいい」馬の状態が「100%かそれ以上」とはこれいかに。そもさん!せっぱだ!

要は、大江原師のイケイケ会見に最終的には善さんも乗ってあげたように受けとれる。だから状態の正解は「前回よりはいい」だったのではないか?
兎にも角にも大江原師の表現と善さんの表現に差があることだけはよくわかったNHKマイルの会見だった(あくまでもニュース記事を読んでのもの。だけどそんなに素っ頓狂ではないことも後にわかる)。

その違和感は、ダービー登録を知って、すぐに晴れた。それが正解とは思わないけれど、自分の中では晴れた。

最初からダービーを目指していたというならば、NHKマイルでの違和感いっぱい、すり合わせ不足のような会見も納得だ。

ちなみに昨日(5月27日)の大江原師の会見では、スプリングS後にガクっと来ていたこともわかった。

そもそもの目標がダービーならば、無理して皐月賞を使わず、NHKマイルからダービーというローテもわからないではないし、ガクっと来たのが本当ならば、NHKマイルでの「前回よりはいい」はやっぱり正解だったとも思う。

それで、NHKマイル3着ならば、上々だし、本当にダービーが目標だったならば、善さんはダービーで走れるように調整しつつ、3着したとも読める。

けしからん!

実にけしからん!

でも善さんがダービーを本気で狙っているとしたら、これ以上ないけしからんさだ。

NHKマイル→ダービーは中2週。
新馬1着→新潟2歳S1着も中2週だった。

これで勝ったら、確信犯決定だ!

というわけで、今年のダービーはミュゼスルタンにも注目することにした。
つまり、柴田の善さんにけしからん夢を乗せるってことだ。

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ダービー注目馬
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福永騎手騎乗馬と堀調教師管理馬に最大の敬意を払いつつ、
柴田の善さん騎乗馬にけしからん夢を乗せてみたい。

軸候補…2人気の馬
けしからん夢…ミュゼスルタン
なんとなく…アダムスブリッジ

関東ではチーム蛯名が、ダービーを目指しているのがわかりやすく伝わってくるけれど、チーム柴田の善さんもひっそり、こっそりダービーを狙っているとときどき感じる(長くなるので判例は省きます。ちなみに蛯名騎手は来年が大チャンスではないか?)。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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