▲今年の安田記念はズバリ“新興勢力狙い”、競馬記者イチオシの狙い馬は?
白熱のダービーは、ドゥラメンテの二冠達成という結果に。皐月賞前から「今年のダービー馬はドゥラメンテ」と明言していた加藤記者の予想が見事的中しました。さて、このGI座談会で最後に展望するのは安田記念。今年は“新興勢力狙い”という意見で一致しました。ダービーに続き加藤記者には、早くから目をつけていた馬がいるようで。はたして、気になる狙い馬とは。
(出演メンバー:栗東から竹村浩行記者、安里真一記者、美浦から加藤剛史記者、石堂道生記者、司会:赤見千尋)
マイラーズC組で見どころがあるのは
赤見 では、最後に安田記念の展望をお願いします。去年は柴田善騎手のジャスタウェイと、三浦騎手のグランプリボスの激しい叩き合いでした。
竹村 熱い勝負だったけど、ああいうところでスマートに勝つという美学でしたね。
赤見 さすがベテランの冷静さ。でも、三浦騎手の「絶対に勝ちたい」という執念も、見ていていいなと思いました。さて、この2頭とも引退してしまったわけで、今のマイル路線で主役になるような馬と言いますと…
安里 それはなかなか難しいね。この時期は賞金の体系も変わるタイミングだし、出たくても出られない馬も出てくるしね。
加藤 NHKマイルCを勝ったクラリティスカイ使わないんですもんね。今年の3歳馬はレベルが高いので、古馬相手にでも楽しめると思っていたのですが。
安里 使わないんだよね。秋まで休養だって。
竹村 あとは純粋なマイラーじゃなくて、中長距離路線からの組もいるもんな。ん〜、今年は“これ”っていう馬が出てこないもんなぁ。どうしようか。安田記念のウィキペディアでも見てみるか。ええとね、JRA初代理事長の安田伊左衛門さんが…
赤見 レースの由来からですか(笑)。
竹村 でもね、歴代の勝ち馬はすごいよ。ジャスタウェイ、ロードカナロア、ストロングリターン、リアルインパクトでしょ。それから、ショウワモダン、ウオッカ、ウオッカ、ダイワメジャー。だいたい1分32秒台の時計だね。
加藤 去年がひどい馬場だったんですよね。時計も1分36秒8。
赤見 そうでした。勝ったジャスタウェイが真っ黒になって戻ってきたのを覚えています。
安里 じゃあ、速い時計で走れる馬とか、32秒台くらいの速い脚を使える馬を探していこうか。
赤見 前哨戦から洗い出していきますか。マイラーズCは川須騎手のレッドアリオンが、2連勝で重賞初制覇をはたしました。
竹村 レッドアリオン、いいですよ。
安里 前残り馬場ではまったんじゃないの(笑)?
竹村 いやいや。
川須ジョッキーはここに2戦、すごい上手に乗ってるよ。前で受けて、外からかぶされないようにして。そういう競馬が出来るんだったら、安田記念でもそんなに崩れないんじゃないのかな。溜めたら32秒台の脚も使えるしね。
赤見 もし川須騎手が勝てば、同期でGI一番乗りですね!
加藤 マイラーズCだったら、
フィエロ(3着)がたたき台として最も中身のある競馬をしたのではないでしょうか。
▲マイラーズCの着順
竹村 フィエロは前残りの馬場と、直線さばきで手間取ったな。
石堂 内を突く形で、同じ勝負服のフルーキーと接触してしまいましたよね。あれがなければもっと際どい結果だったと思います。
竹村 そう。そのフルーキー(5着)を、僕は本命にしてたの。けど、パドックでまじまじと馬を見比べてみて、今更ながらフィエロのバネは凄いなって思った(苦笑)。フルーキーもパワーはあるんだけど、瞬発力ではね。体の作りが違うな。
加藤 フルーキーは、その前の東京新聞杯(3着)で初めて東京に来たので、楽しみにパドックに行ったのですが。馬体の印象は予想外に薄かった。ロスがあっての3着でしたが、正直GI級となると…。
竹村 切れるタイプの体つきではないもんな。良馬場ならフィエロじゃない? フルーキーも底力では負けてないけど、府中でパンパンの良馬場になれば、フィエロ軸でいいんじゃないかなって。1週前の攻めもキレキレの動きだったよ。
安里 僕もフィエロでいくと思う。この前はかなりスムーズさを欠く競馬だったし、それでも勝ち馬に勝る32秒5の脚を使ったからね。去年のマイルCSはハナ差の2着だったけど、一番安定感があるでしょ。暮れの香港(6着)に出た時も「勝つな」と思ったぐらい。
加藤 そうでしたね。あれはちょっと期待しました。
▲安里「暮れの香港では、フィエロ勝つかなと思った」加藤「あれは期待しました」
竹村 あれ、馬群に包まれて、ちょっと窮屈になったんじゃない? 勝ち馬は別格だったけど、それでも盛り返し気味に伸びて、2着とは差がなかったし。
安里 いやでも、あれは力負けかなぁ。アウェイでの競馬だったし、それだけの差ではないだろうけどね。
赤見 竹村さんと安里さんは、フィエロを本命ということですね。ヴィクトリアMを勝った藤原英厩舎ですし、注目ですね。
京王杯SC組のイチオシは、充実期迎えたアノ馬
赤見 さて、もうひとつの前哨戦の京王杯SCは、戸崎騎手のサクラゴスペルが勝ちました。
加藤 逃げ馬不在でスローペースが確実。折り合い面に課題があるサクラゴスペルには、流れが厳しいかと思ったのですが、戸崎騎手が最高にうまくのりましたね。一昨年の安田記念で