2か月以上も厩舎で“お預け”ブチコ除外との戦い/トレセン発秘話
◆音無師「前走で減った体は戻っているし、なんとかユニコーンSに使いたいな」
みんなに愛されるあのアイドルホースは、実は悲劇の馬だった――。
白毛にブチ模様のド派手なルックスがファンから注目を集めているブチコが、このところ苦境に立たされている。
「どこに使おうとしても除外ばっかり。使えないまま、もう2か月以上もキュウ舎にいる。ウチでこれだけ長くレースに使わず在キュウしているのは珍しいケースだよ」とは管理する音無調教師の弁だ。
伏竜Sで6着に敗れた後、園田の交流JpnII兵庫チャンピオンシップに目標を定めたが、補欠にもならずに除外。ならばと次は川崎の牝馬限定交流JpnII関東オークスに向かおうとするも、こちらは補欠1番手と寸前のところで出走ラインに届かなかった。
「今度のユニコーンSだって2勝馬は抽選になるだろうから、除外される恐れはある。そうなった時のために、1000万特別にも登録(土曜阪神・鷹取特別&日曜東京・青梅特別)はしているけどね。もしユニコーンSを除外になった後、すでに1000万特別がフルゲートで埋まっていたら、そっちに再投票することもできない。頭が痛い問題だよ」(音無師)
ブチコと同じように、ユニコーンSと1000万下特別に兼登録している馬が他にもいるので、うまく分散すれば、どこにも使えないという可能性は低いかもしれないが、最悪の事態になるケースもゼロではない。「白毛は夏に弱いし、どっちにしても今週使ったら放牧の予定。前走で減った体は戻っているし、なんとかユニコーンSに使いたいな」とトレーナー。
馬体減が敗因のひとつだった伏竜Sは、勝ち馬クロスクリーガーが次走の兵庫チャンピオンシップを楽勝したのを筆頭に、5着ノンコノユメが青竜Sを、7着ホワイトフーガが端午S→関東オークスを連勝するなど、相当なハイレベルのレースだった。初めての関東輸送で体を減らしながら、正攻法の競馬で6着なら、決して悲観する内容ではない。
このアイドルホースは、悲劇の馬であると同時に、真の力を持った馬でもあるのだ。今週こそはブチコが除外にならず、ゲートインできることを祈るばかりである。
(栗東の坂路野郎・高岡功)