■宝塚記念(G1・阪神芝2200m内)フルゲート18頭/登録17頭
【コース総論】阪神芝2200m内 Bコース使用
・コースの要所!
★ふたケタ人気馬が全体的に不振。適度には荒れるが大荒れは少ない。
★コースの内外で大きな差はないが、やや内枠有利の傾向が見られる。
★内回りでもあり先行有利。差しは届くが追い込み脚質はかなり不振。
春の総決算であるグランプリ・宝塚記念。その舞台となる阪神芝2200mの内回りコースは、ホームストレッチの右端からスタートし、そこからコースをぐるり1周してゴールというコース形態だ。最初のコーナーまでの距離が長いので、枠番の内外による有利・不利は小さめ。それよりも、坂を何度も上ることによるスタミナ消費や、小回りに対する適性の有無などが重要となる。
さまざまな能力が問われる総合力型のコースであるためか、1番人気馬が連対率60.9%、複勝率78.3%と非常に高い信頼度を誇っている。対照的に人気薄、とくにふたケタ人気馬は低調で、いわゆる「展開のアヤ」が少ないのだろう。大穴に本命を打って、ブンブン振り回すのに向くコースでないのは間違いない。
脚質面は基本的に先行有利も、差し脚質を割り引く必要はなし。問題は後方待機組で、こちらはトータル[1-1-2-46]と絶不調だ。早めに自分から動いてマクリを打てるようでないと、直線の短いこのコースで勝ち負けするのは厳しい。好位〜中団で流れに乗り、自分から積極的に仕掛けられるタイプを狙っていきたい。
【レース総論】宝塚記念(G1) 阪神過去10年
・レースの要所!
★6番人気以内[7-8-7-32]と人気サイドが圧倒的優勢。無理な穴狙いはどうか。
★過去10年で7歳以上馬は1頭も馬券絡みなし。若い馬のほうが期待値は高い。
★前走の上がり3F順位が3位以内だった馬が大不振。末脚のキレでは勝てない。
宝塚記念のレースデータは、おおむねコースデータの傾向通り。それだけ、勝ち負けに要求される資質がハッキリしているコースなのだろう。1番人気を筆頭に人気サイドが強く、6番人気以内馬はトータル[7-8-7-32]で連対率27.8%、複勝率40.7%という高い数値をマーク。対照的に7番人気以下馬はかなり不振で、ここが2頭も馬券に絡んだ昨年は、かなりのレアケースといえる。
年齢別成績では、7歳以上馬がすべて4着以下に。上位人気馬がいないのも不振の理由だが、それでもかなり割り引いて考えたほうがいい。あとは、関東馬も[1-0-1-24]とイマイチで「6歳以下の関西馬」が中心となるレース。ブエナビスタやヴィルシーナなど何度も上位に食い込んでいるように、牝馬であるのを割り引く必要はない。
注目は、前走上がり3F順位別での成績である。前走上がりの速さは人気に大きな影響を及ぼすファクターだが、宝塚記念は高いレベルのスタミナや持久力を要求するレースでもあり、例年それほど速い上がりにはならない。だからこそゴールドシップが連覇しているワケで、末脚のキレを武器とするようなタイプには「向かない」のだ。
というわけで、前走上がり順位が1位〜3位の馬は、かなり割り引いて考えるべき。今年だと、ディアデラマドレ、トーホウジャッカル、ネオブラックダイヤ、ラキシス、ラブリーデイの5頭が該当する。とくに危なっかしいのが、瞬発力特化型といえるディアデラマドレ。ゴールドシップの前走上がり順位は、もっとも好成績である「5位」タイである。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きBコース。先週まではかなり差せる馬場という印象だった。
・天候予測
金曜日〜土曜日が思いっきり雨予報。日曜日も降る可能性がありそうだ。
・注目血統
ステイゴールド産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ディープインパクト産駒△、ハーツクライ産駒△、スペシャルウィーク産駒△
気になるのが空模様で、今週末はかなりまとまった雨が降るはず。開催終盤でただでさえ荒れている馬場が、この降雨と土曜日の競馬で、さらに荒れる可能性が大である。泥んこ馬場になる可能性もゼロではなく、重馬場の巧拙はけっこう気になるところ。血統的にも、パワーのある血が入った血統構成のほうが向きそうな印象である。
種牡馬別では、ステイゴールド産駒が筆頭評価。グランプリといえばこの種牡馬で、単勝回収率の高さは他と比較にならないほどだ。ディープインパクト産駒も好成績だが、複勝率ベースで比較すると、意外に僅差。これならば、複勝回収率が93%と高いキングカメハメハ産駒のほうを上に取りたい。
★出走登録馬・総論×各論 前人未踏の平地G1三連覇を狙う
ゴールドシップ。今年のAJCCのように「ここは鉄板!」というレースでコケるのが恐ろしいところだが、今回の宝塚記念に関しては、データ面でプラス評価となる項目が非常に多い。阪神芝コースに対する適性の高さは今さら言うまでもなく、降雨や荒れ馬場も大歓迎のクチ。中間の調整もいたって順調なようで、あとは当日のゴキゲン次第だ。一抹の不安はあるが、それでも迷わずトップ評価としたい。
二番手評価に、牝馬の
ヌーヴォレコルト。前走のヴィクトリアマイルでかなり評価を落としたが、久々のマイル戦であったことを考えれば、そう気にする必要はない。得意の中距離戦に戻って持ち前の好センスと底力を発揮すれば、2走前のように男馬相手でも好走可能。前走で人気を落としたココは、かなり面白い一戦になりそうである。
三番手に、鳴尾記念を快勝してきた
ラブリーデイ。相手関係が楽だったとはいえ見事な勝ちっぷりで、やはりこの馬は長距離よりも中距離のほうがいい。前走上がり順位が2位だったのが割引だが、前々で流れに乗ってしぶとく粘る競馬もできるタイプ。今期の充実ぶりから、引き続き期待できると判断した。
あとは、カレンミロティックとラキシスの2頭も上位評価組。以下は、ワンアンドオンリー、トーホウジャッカル、レッドデイヴィスという序列である。ゴールドシップが極端な枠番でも引かないかぎりは、素直にここから流す馬券で勝負する所存。それも連軸ではなく「1着固定」で、ドキドキ&ヒヤヒヤしながら、スターホースらしい最高の走りを楽しませてもらうとしよう。
■総論×各論・先週の馬券回顧
函館11レース 函館スプリントS(G3)
1着 09ティーハーフ
2着 16アースソニック
3着 13レンイングランド
わざわざ函館の現地まで行ってかすりもせず。オマケに夏風邪までもらってくるという、完膚なきまでの敗北である(白旗)。逃げた03アンバルブライベンから勝負するも、完全な差し決着。先行勢で唯一掲示板に載ったんだから、まあ本望っちゃ本望ですが。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。