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2年前から続くデータと、今年確変したデータ

  • 2015年06月24日(水) 18時00分


◆2年以上前から書き続けている馬券格言「ハーツクライ産駒は重賞では1人気の…」

 過去データを頼りに馬券を買う場合「強く信じる」ことと同じぐらい「波の変わり目」を察することが重要ではないか? そう強く信じています。

「ハーツクライ産駒は重賞では1人気の期待値が低く、人気落ちのチャレンジャーになると期待値が上がる」2年以上前から書き続けている馬券格言です。

 この格言を書いていた当初は、デビューすらしていなかったハーツクライ産駒のヌーヴォレコルトは、重賞レースで3度1人気に支持されて、いまだに勝利なし。2人気以下で3勝。

 格上として出走した1人気に支持されたレースでは取りこぼし、格上(1人気)相手にチャレンジャー(2人気以下)の立場の方が期待値が高いタイプ。このようなタイプをハーツクライ産駒は数多く出すから、前述したような傾向が出るのでしょう。

 同じくハーツクライ産駒のワンアンドオンリーも1人気の菊花賞で馬券圏外に。人気云々の前に、同馬は血統的には超高速馬場よりもパワーが要求される馬場のほうが合う可能性が高いです。今年の宝塚記念の1人気はおそらくゴールドシップ。人気も馬場もハーツクライ産駒は買いごろになりそうです。

 …なんて「血統のデータ」を強く信じて「究極のロマン派達」が1日馬券を買うと、いったいどんな目に遭ってしまうのか? 今度、TVで放映されることになりました。フジテレビONE「競馬血統研究所」7月4日22:00より放映です。大いに笑ってくだされば幸いです。



◆「池江厩舎のディープ産駒が確変中」であることにも気を配りたい

 さて、告知はこの辺にしまして(笑)データを、強く信じられるぐらい真剣に見ていると「波の変わり目」が明確に浮かび上がる事が多々あります。

 たとえば、今シーズンの東京ダートのキングカメハメハ産駒の大爆発。これは昨年までの東京ダートのデータからは「真逆の傾向」です。

 昨年の東京ダートでは、キングカメハメハ産駒は136回出走してたったの5勝。勝率3.7%。単勝回収率27%。ところが、今年は勝率14%と3倍増。5人気以内の人気馬に限定しても、昨年は勝率5.2%。今年は25.5%と5倍増。

 キンカメが上昇する一方、例年東京ダートで成績の良いほかの種牡馬は成績がダウン。このような「異変」「波の変わり目」は東京ダートのデータを日頃から分析していればすぐに「おかしい」と気づきます。また「馬場のすべてを教えます」を出版された小島さんなどのに馬場の構造を聞けば、異変が起きる理由も納得できます。「データの反転もデータを見ることでわかる」そう強く信じて日々、データを採取したいものです。

「波の変わり目」と言えば、今年の宝塚記念では「池江厩舎のディープ産駒が確変中」であることにも気を配りたいもの。

 先日のオークスを制したミッキークイーンは、池江厩舎のディープ産駒。意外なことに、池江厩舎はディープ産駒でのG1勝利はオークスが初。牝馬でG1を優勝したのも初の出来事。今までの傾向を大きく覆す「波の変わり目」の象徴的なレースでした。

 この「変化」「波の変わり目」は池江厩舎のデータを追っていれば、オークスの前から読めます。今年に入って池江厩舎のディープ産駒は「調教パターン」が明らかに代わりました。「CWの最終追いで4ハロン追い」をしている馬が異常に増えたのです。そして「変化」に呼応するように、ディープ産駒の成績が急上昇。

 今年の池江厩舎のディープ産駒は先週までで14勝。一昨年の13勝をすでに上回る好成績。さらに最終追いが「CWの4ハロン追い」だったディープ産駒は、のべ24頭で8勝。複勝圏内に入ったのは15頭。「明らかに変化」しています。昨年までは「4ハロン追い」したディープ産駒は1頭もいなかったのですから。

 いつも書いていることですが「血統が素材なら、調教師はそれを味付けする調理師」のようなもの。血統の研究を追求すれば、自然と調教師の動向、変化にも気づきます(逆に血統を知らずに調教師だけを見ていても、見落とす事象は多々あるでしょう)こうした「波の変わり目」を発見したら積極的に乗るべきです。

 もちろん、4ハロン追いだけをすれば、馬が走るなんて思ってはいません。しかし、最終追いきりは、起承転結の「結」の部分。起承転までの傾向を最も端的に示すデータ。池江厩舎ほどの超一流厩舎が「締め」のスタイルを変える以上は、締めに辿り着くまでの中間の調整に施す「工夫」も変わっている。と考える方が自然ではないでしょうか。なお、調教データに関しましては、調教分析のプロ、阪木秀夫さんに多大なご協力を頂戴しました。この場を借りて御礼申し上げます。

 オークスに続き、ダービーでも池江厩舎のサトノラーゼン(2着)を本命にしたのも、レース前に指摘したように「池江厩舎のディープ」が確変中だったから。宝塚記念のトーセンスターダムも池江厩舎の大波に乗るべきでしょうか?

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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