▲2015年も折り返し地点、上半期の競馬と自身についてを振り返る
本当の勝負は来年から
早いもので、2015年も折り返し地点。
現時点(6月21日終了時点)での成績は、67勝2着71回(412回騎乗)、勝率16.3%、連対率33.5%。年初には、年間トータルで150勝を視野に入れていたから、もう一息といったところだが、それ以上に気になるのは2着の多さだ。自分の考えでは、1着より2着が多いときは、それだけ取りこぼしているレースが多いという感覚で、だからこそ、もっと勝てたはずという思いになる。後半戦を戦うにあたって、そこは課題だと思っているし、最終的に勝率を1割8分くらいまで上げていきたい。
もうひとつ、年初に目指していたのがフェアプレー賞。ここまで騎乗停止はなく、4月までは十分狙える位置にいたが、ここにきて制裁が増えてきてしまった。ダービーと安田記念で受けた制裁が大きく、現時点で17点(フェアプレー賞は10点以内)。下方修正しなければいけないのは残念だし、何より情けない限りだ。
制裁を気にし過ぎることなく、フェアな騎乗ができるのがベスト。わかってはいても、勝負の世界ゆえ、なかなか難しいのが現実だ。が、ユタカさんやクリスチャン(デムーロ)は、結果を出しながらも制裁が極端に少ない。それも技術のひとつであることは間違いないし、素直に見習いたいと思っている。
ここでも何度か書いたが、今年に入り、重賞などの大きいレースでも思った通りに乗れることが増えたのは収穫だった。我ながら、“キャリア20年にしてようやくか”という思いもあるが、重賞やGIが“精神的に”特別なレースではなくなりつつあるのはいい傾向だ。とはいえ、春は結局、GIタイトルを獲れなかった。自分のなかでどこか物足りなさがあるのは、その一点に尽きると思う。
ちなみに、上半期のGIで“巧いなぁ”と思ったのは、フェブラリーSのユタカさん(コパノリッキーで勝利)。最初の100m、200mの進路の取り方、外への出し方が絶妙で、素直に巧い! と思った。あのレースは、そこが一番のポイントで、ユタカさんのあの進路取りでレースが決まったようなものだ。
天皇賞(春)のノリさんも、ノリさんらしい“さすが”の騎乗だったと思う。ゴールドシップという馬は、4コーナー後方から差し切れる馬ではない。だから、勝つにはあの競馬しかなかったと思うが、ジョッキーとして大事なのは、GIという舞台で人気を背負いつつ、自分で大胆にレースを動かしていく勇気があるかどうか。1着以外だったら批判を受けてもおかしくないし、ノリさんもそれをわかっていたと思う。そんななかでやり切って、さらに勝ち切ってみせた。やっぱりあれは、ノリさんのすごさだし、自分が見習わなければいけないところだ。
▲コパノリッキーをフェブラリーS連覇に導いた武豊騎手
▲技ありの騎乗で天皇賞(春)を勝利、喜びを爆発させる横山典騎手
自分の成績では、これも今年のひとつのテーマとして、なるべく前で競馬をしたいということも以前に書いたが、