中竹厩舎第二の矢・ルグランフリソン/吉田竜作マル秘週報
◆1歳セリで見初めた中竹調教師もゾッコン「動きも見るからに柔らかいからね」
2週前の新馬戦の話になるが、注目のディープインパクト産駒が2頭勝ち上がった。見た目に派手だったのは阪神芝外1800メートル(6月28日)で5馬身差圧勝を飾ったポルトフォイユ(牡=母ポルトフィーノ・高野)。母系もエアグルーヴ、ダイナカールとさかのぼる名門で、馬体の丸みなどはこの血統らしい特徴がよく表れていた。「能力を感じさせる走り」と武豊が絶賛したのも当然。何かと不運に見舞われることの多い血統だが、無事に年を越して、クラシックの舞台に立ってほしい。
対して函館芝1200メートル(牝)(27日)のブランボヌール(母ルシュクル・中竹)はクビ差の接戦。ただ着差だけで評価を低く見積もるのは禁物だろう。直線に向いて狭いところを縫うように伸びてきた器用さ、そして並ばれてから抜かせない勝負根性はこれから迎えるであろう激戦で必ず大きな武器となる。中竹調教師も「走りも良かったが、何よりあの根性がいいよね」とメンタルの強さを絶賛していた。
「送り出す時もかなりの手応えを感じていたんだ。今までも函館から使った2歳はいたけど、ここまでの馬はいなかった。距離も持つだろうし、桜花賞に送り出したい」とは栗東で見守った白倉助手。
久しぶりに中竹厩舎から3歳春をにぎわす馬が出てきた予感が…。その中竹厩舎は“二の矢”も強力。先日入厩したばかりのルグランフリソン(牡=父Smart Strike、母Leaning Tower)だ。
「乗っていて柔らかさを感じる。気性はまだ子供っぽいけど、これは走ると思うよ」と前出の白倉助手。米系外車らしく骨量豊かで、しっかりとした体つき。それでいて皮膚は薄く、歩きもしなやか。見た目のバランスもいい。1歳セリで見初めた中竹調教師もゾッコンのようだ。
「買った時は少し小さいかなとも思ったが、今はちょうどいいサイズに成長してくれた。ただ、これで完成という感じではないし、これからまだまだ変わってくると思う。日本での育成をしてくれた大山ヒルズのマネジャーも“何頭もSmart Strikeの子をやってきたけど、この馬にはその産駒のイメージがない”と言っていたくらいで、芝が合うと思うんだ。半兄のカレリアンは米国で芝のGIを勝っているし、母系の方が強く出ているんだと思う。動きも見るからに柔らかいからね」
中竹厩舎をけん引していくであろうブランボヌールに、ルグランフリソン。この2頭の名前はぜひ覚えておいてほしい。