日本有数の歴史を誇る福島
先週、“梅雨寒”の中で始まった夏の福島競馬。ところが今週は、“梅雨の中休み”で炎天下の開催になりそうです。
その舞台となっている福島競馬場が、JRA10場の中で、開設時から一度も場所を変えずに存続している最も古い競馬場であることをご存知でしたか?
現存する10場のうち、開催を始めた時から一度も移転していない競馬場は、福島と中京だけ。福島は、福島競馬倶楽部が経営不振に陥った静岡・藤枝競馬倶楽部の公認競馬開催権を買い取り、1918(大正7)年に現在地に競馬場を建設してスタートしました。主催者は日本競馬会→農林省(国営)→日本中央競馬会へと移りますが、競馬場のある場所はそのまま。日本有数の歴史を誇っているわけです。
一方、中京競馬場が開場したのは1953(昭和28)年。関東地区、関西地区にあって東海地区にはなかった中央(当時は国営)の競馬場をぜひ開設したいという地元財界人らの熱意によって建設されました。
それじゃあ、その他のところは?というと、どこも一度は移転しています。以下は、その一覧です。
札幌=札幌育種場競馬場(1878・明治11年)→中島遊園地競馬場(1887・明治20年)→現・競馬場(1907・明治40年)
函館=海岸町競馬場(1883・明治16年)→現・競馬場(1896・明治29年)
東京=目黒競馬場(1907・明治40年)→現・競馬場(1933・昭和8年)
中山=松戸競馬場(1907・明治40年)→旧・中山競馬場(1920・大正9年。今の競馬場の西側〜西船橋、東中山駅との直通バス発着場あたり〜にあったらしい)→現・競馬場(1927・昭和2年)
新潟=関屋競馬場(1908・明治41年)→現・競馬場(1965・昭和40年)
京都=島原競馬場(1908・明治41年。京都市下京区。今のJR丹波口駅西側にあった)→須知競馬場(1913・大正2年。京都府船井郡京丹波町須知、蒲生のあたりにあった)→現・競馬場(1925・大正14年)
阪神=関西競馬倶楽部競馬場(1907・明治40年。今の鳴尾川西側にあった)+鳴尾速歩競馬会競馬場(1908・明治41年。同東側にあった)→主催者合併。両競馬場を関西競馬倶楽部競馬場に統合(1910・明治43年) →現・競馬場(1949・昭和24年)
小倉=戸畑競馬場(1907・明治40年。今のJR戸畑駅北側にあった)→三萩野競馬場(1919・大正8年。今の北九州市民球場、同メディアドーム=旧・小倉競輪場のあたりにあった)→現・競馬場(1931・昭和6年)
「えっ、そんなところにあったの?」という競馬場もありますよね。こういう変遷を調べてみると、なかなかおもしろいんですよ。あと3年で100周年を迎える福島競馬場。その長い歴史に思いを馳せながらレースを眺めてみてはいかがでしょう?