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HBAトレーニングセールの最高価格馬サウンドダンサー

  • 2015年07月15日(水) 12時00分
クレーデリンテ(牝 美浦・斎藤誠 父ダイワメジャー、母オメガスピリット)
 オークス馬ヌーヴォレコルトの4分の3妹。父がハーツクライからダイワメジャーに替わった。母の父スピニングワールドは、父としてはもうひとつ弾け切れなかったが、母の父としてはきわめて優秀で、前出のヌーヴォレコルトを筆頭にエーシンダックマン、ステラウインド、クリスワールド、アドマイヤイナズマなどコンスタントに活躍馬を誕生させている。「ダイワメジャー×スピニングワールド」はこれまでに1頭出走し、イエスイットイズが準OPまで出世している。悪くない。母方にMr.ProspectorやDr.Fagerが入る本馬は素軽さを兼ね備えているので楽しめそうだ。

ケルティックソード(牡 栗東・須貝尚介 父ハーツクライ、母シャルマンスタイル)
 母シャルマンスタイルは1勝馬。競走成績は平凡ながら、日本ダービー(GI)とNHKマイルC(GI)を制したディープスカイの半妹にあたる良血。2代母アビは競走馬としては無名ながら、独2000ギニー馬Royal Dragonの半姉にあたり、Miss Carmie 4×3というインブリードを持っている。この牝系からディープスカイのほかにも当たりが出る可能性は十分考えられる。母方にChief's Crownが入るハーツクライ産駒は走っており、オークス馬ヌーヴォレコルト、京都2歳S(GIII)を勝ったベルラップなどがこのパターンから誕生している。芝向きの中距離タイプ。

サウンドダンサー(牝 栗東・佐藤正雄 父ワークフォース、母パーフェクトダンス)
 5月25、26日、札幌競馬場で行われたHBAトレーニングセールにて、本馬は最高価格で落札された。公開調教タイムは11秒34-10秒28。2ハロン合計では3位、1ハロンでも3位という優秀なタイムだった。父ワークフォースは今年の新種牡馬。現役時代に英ダービー(英G1)と凱旋門賞(仏G1)を制した。前者は後続を7馬身ちぎるレコード圧勝、後者はナカヤマフェスタを一騎打ちの末にアタマ差くだしている。父系はキングズベストを経てKingmamboにさかのぼり、母の父Sadler's Wells、2代母の父Allegedという典型的な欧州芝2400m血統。少々鈍重さが感じられるので、母方には積極的にスピードを入れたいところ。本馬は母が「サンデーサイレンス×Caerleon」という切れ味鋭い芝血統。こちらの特長が強く表れたようだ。気性に問題がなければ芝向きのマイラー〜中距離タイプとして活躍しそうだ。

ドラゴンシュバリエ(牡 栗東・角田晃一 父ダイワメジャー、母シェルズレイ)
 母は初年度から4年連続ディープインパクトを交配され、4頭目に出てきたのがホープフルS(GII)を勝ったシャイニングレイだった。母シェルズレイはローズS(GII)2着、チューリップ賞(GIII)2着。2代母オイスターチケットはテスコボーイ4×3というスピード豊かな配合で、この部分がこのファミリーのスピードを支え、コンスタントな活躍につながっていると思われる。ダイワメジャーに父が替わった本馬は、素軽さという点では上の4頭と変わらないので、マイル前後で堅実な活躍が望める。

ミネット(牝 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母レッドキャット)
 母レッドキャットは北米で22戦5勝。ジェニーワイリーS(米G3)3着という成績がある。繁殖成績は優秀で、これまでにステラロッサ(父ハーツクライ/11年スプリングS-GII・3着)、ダイレクトキャッチ(父スペシャルウィーク/07年共同通信杯-GIII・2着)、ボンバルリーナ(父シンボリクリスエス/09年ローズS-GII・5着)などを出した。本馬と同じ「ディープインパクト×Storm Cat」の組み合わせはニックスで、キズナ、ラキシス、アユサン、リアルスティール、ヒラボクディープ、エイシンヒカリなど活躍馬が続出している。母が18歳時の産駒だが期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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