■函館記念(G3・函館芝2000m)フルゲート16頭/登録17頭
【コース総論】函館芝2000m Bコース使用
・コースの要所!
★波乱決着傾向が強く1番人気の信頼度は低め。7〜9番人気の激走を要警戒。
★完全に内枠有利&外枠不利。馬番1〜8番に入った馬はプラス評価の対象。
★直線が短く末脚勝負では通用しないコース。先行勢から入るのがベター。
平均配当が単勝1258円、馬連7608円、3連複2万2878円と存外に高い、函館芝2000m。フルゲート16頭のレースに限れば、なんと馬連平均配当が100倍以上になってしまう。その要因のひとつが、連対率36.7%、複勝率43.3%という1番人気馬の信頼度の低さ。また、16頭立てのレースで7〜9番人気が非常に強い(連対率は4〜6番人気よりも上)というのも、注目に値するデータである。
また、枠番の内外で期待値が「とんでもなく」違うというのも、当コースの特徴。明らかに内枠有利であるのは、馬番別成績からも間違いない。なかでも素晴らしいのが馬番1〜4番の成績で、信頼度がトップで回収率は単複ともに100%以上、枠番値プラス0.7という超抜クラスの数値をマーク。同じ馬でも、馬番1〜8番に入った場合と9番〜16番に入った場合とでは、評価をかなり変える必要がある。
あともう1点、「後方に置かれた時点でゲームオーバー」というのも、絶対に押さえておきたいポイント。よりイメージしやすいように、今回は脚質別ではなく、4コーナー通過順位別でデータを集計している。4角を11番手以下で回った馬は、2010年以降でなんと連対例ゼロ。後方待機組は、3角からマクリが打てないと勝負にならないのである。これは、重賞の函館記念であっても同じ。最低でも中団のポジションが欲しい。
【レース総論】函館記念(G3) 函館過去10年
・レースの要所!
★レースもコースデータと同傾向。内枠の強さはしっかり意識しておくべき。
★ハンデ戦だが斤量による成績差は小さめ。55キロ以上馬であれば問題なし。
★波乱傾向が強いが、前走好走馬は素直に評価すべき。前走4着以内馬は買い。
コースデータにおそろしく忠実なレース──というのが函館記念の第一印象。1番人気馬の弱さや7〜9番人気馬の不思議なほどの強さ、馬連6684円&3連複2万1287円という平均配当など、レースデータの「まんま」といっても過言ではない。今年も例年通り、ある程度は荒れると想定して予想を組み立てたいところである。
もっとも注目すべきは、やはり馬番別成績だ。少頭数の年も混在するとはいえ、馬番1〜8番が[9-6-7-49]で9番〜16番が[0-3-2-56]というのは、かなり強烈な成績の偏り方。平均人気が高いのも好成績の理由だが、内外でここまで成績差が出るレースも珍しい。当然ながら今年も、内枠を徹底的に重視すべき。逆に、連対例ゼロの馬番13〜16番は、かなり割り引いて考えたほうがいい。
7歳以上馬が6連対しているように高齢がマイナスにはならないが、5歳以下馬と6歳以上馬を比較すると、前者が明らかに優秀。軸馬を選択する際には、やはり5歳以下からのチョイスが望ましい。また、ハンデ戦ながら意外に成績差が見受けられないというのも、覚えておきたいポイント。「ハンデ55キロ以上馬の信頼度が高い」くらいに捉えておけば、それでまったく問題はない。
そして最後に、函館記念が意外に「巻き返しのきかないレース」であるのを強調しておこう。前走ふたケタ着順から巻き返した馬もいるにはいるが、勝ち馬9頭のうちじつに8頭までが、前走4着以内。1着固定の馬券を買うなら、この条件をクリアしているかどうかを、必ずチェックしておきたい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース→Bコース替わり。先行勢がさらに有利となりそうなタイミング。
・天候予測
週末〜週明けにかけて天候悪化。降雨で渋るケースも十分に考えられる。
・注目血統
キングカメハメハ産駒◎、ネオユニヴァース産駒○、マンハッタンカフェ産駒▲、オペラハウス産駒△
Aコースで開催されていた先週までにしても、函館の芝はかなり前が強かった印象。そもそも、最後の直線が短い函館で差しや追い込みがそうそう届くわけがなく、当然といえば当然の話である。今週からのBコース替わりで、さらに前有利の状況が生まれてもおかしくはないはず。降雨で馬場が渋れば、先行勢の有利さはさらにアップする。
血統面では、文句なしに好成績なのがキングカメハメハ産駒。勝率、連対率ともに「完勝」といえる内容で、回収率も単複ともに100%オーバーと、その適性の高さは他の追随を許さない。それ以外では、ネオユニヴァース産駒とマンハッタンカフェ産駒も、一応はプラス評価の対象としている。
★出走登録馬・総論×各論 鳴尾記念で人気を集めたエアソミュールに、巴賞好走組であるマイネルミラノとレッドレイヴン、昨年の覇者ラブイズブーシェなど、いかにも「夏のハンデ重賞」といったメンツが登録してきた今年の函館記念。ただし、レース傾向が非常にハッキリしているレースなので、好走が期待できる馬を抽出するのは意外にカンタンである。
問題は最重要ファクターである「枠番」が未決定という点だが、こればっかりは致し方なし。最終的な評価の上げ下げは賢明なる読者諸氏にお任せするとして、コレを抜きにした現時点での分析結果をお伝えするとしよう。
波乱傾向の強いレースでもあり、積極的に人気薄を狙っていきたいところ。うってつけなのが、トップ評価となった
エックスマークだ。「前走巴賞で上位人気だった関西馬」であり、ハンデ55キロで好位〜中団につけられる脚質、7〜9番人気あたりに推されそうなことなど、ポジティブな材料が目白押し。内枠でも引こうものなら激アツである。
その巴賞で連対している
レッドレイヴンと
マイネルミラノも、上位評価の一角。ハンデ、前走着順、年齢、脚質などプラス評価となった項目が多く、ここも好勝負が可能とジャッジした。また、上位人気ではあるが1番人気ではなさそうなのも、このレースにおいてはプラスとなる材料。ぜひ、積極的なレースを期待したい。
四番手評価に
デウスウルト。前走の新潟大賞典で13着と大敗しているのが割引材料も、関西馬であることや血統、脚質、ハンデなど、プラス評価となった項目もかなりのもの。巻き返しのきかないレースではあるが、それでも好走可能なプロフィルの持ち主だといえる。アタマよりも、2〜3着で狙うのがベターか。
ここまでが上位評価組で、以下はエアソミュール、ハギノハイブリッド、リベルタス、ラブイズブーシェ、ヤマカツエースという序列。あとは枠番次第で、心の底から「エックスマークが内枠を引きますように」と願うばかり。1〜8番に入ってくれさえすれば、迷わずここから勝負といきたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
福島11レース 七夕賞(G3)
1着 11グランデッツァ
2着 12ステラウインド
3着 07マデイラ
トップ評価のグランデッツァが2番人気となったことや、ヒラボクディープとトウケイヘイローがやや外の枠番を引いたことで、自信度大幅ダウン。「んーじゃま3連複にするべさ」と3頭から手広く流すも、やはり失敗に終わるの巻(鈍痛)。さすがにそろそろ、ドモナラズからドニカナルボーイへと出世したいところです……。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。