▲2014年の皐月賞を制したイスラボニータ
各一口クラブを、様々なデータから徹底的に分析していくこのコラム。クラブの特色や強みはどこなのか、血統・価格・厩舎など、どんな条件が一番オイシイ“買い”ポイントなのか、じっくりと探っていきます。(文:大薮喬介)
一口の価格は高額でもすぐに完売
社台グループの創始者・吉田善哉氏が設立した「社台ダイナースクラブ」が前身で、大種牡馬ノーザンテースト、サンデーサイレンスを購入し、それら産駒の活躍とともに同クラブは勢力を拡大。2000年には設立から提携してきた日本ダイナースクラブがシティグループに買収され、現在の「社台サラブレッドクラブ」に名称を変更した。
設立当初から良血馬をラインナップし、1983年にはダイナカールがオークスを制覇、1985年の天皇賞・秋では、ギャロップダイナが当時絶対的存在だったシンボリルドルフを差し切り、翌年にはダイナコスモスが皐月賞、ダービーではダイナガリバーが勝つなど、1983年以来22年間JRAの馬主成績1位の座に君臨した。
その勢いはとどまるところを知らず、1995年以降は大種牡馬サンデーサイレンスの産駒が大活躍。初年度産駒のジェニュインを筆頭に、ダンスインザダーク、バブルガムフェローなど、多くの名馬たちを輩出。2001年に引退したステイゴールドは国内でこそGIを勝てなかったが、海外GI・香港ヴァーズで優勝し、総獲得賞金10億1910万円は今でも歴代1位である。
最近の同クラブはひと昔ほどの勢いはないが、それでも、昨年はイスラボニータが皐月賞を優勝、2013年にはグレープブランデーがフェブラリーS、ベルシャザールがJCダートを制しており、GI馬を輩出し続けている。
2000年に募集口数が20口から40口になったが、募集価格が高額だけに、一口あたりはかなりの価格。しかし、それでもすぐに完売するのは、余りある賞金を稼いでくれる馬たちが多いからだろう。リーズナブルとは言い難いが、GI馬の一口馬主になりたい、一発当てたいという方は、社台TCの馬がオススメだ。
同じ社台系のサンデーサラブレッドクラブとの違いは、サンデーTCのほとんどがノーザンファーム生産に対して、社台TCのほとんどは社台ファーム生産であること。ちなみに2005年の有馬記念でディープインパクトを破ったハーツクライ(歴代総獲得賞金3位)も社台ファーム生産だ。
当然のことながら、社台ファーム生産馬がもっとも勝っている。前述のグレープブランデーやベルシャザールのようにダートのGI馬が出ているように、GIに限っていえば、ダートの成績がいいのが最近の特徴だ。
芝のGI戦線で活躍してほしいと思うなら、白老ファーム生産が狙い目。