▲クラシック戦線で活躍したドリームパスポート(ジョイ・サラブレッドクラブ時)
各一口クラブを、様々なデータから徹底的に分析していくこのコラム。クラブの特色や強みはどこなのか、血統・価格・厩舎など、どんな条件が一番オイシイ“買い”ポイントなのか、じっくりと探っていきます。(文:大薮喬介)
かつてはマイネル総帥・岡田繁幸氏と協力体制
サラブレッドクラブセゾンの名が知られるようになったのは、ドリームパスポートの活躍があったからだろう。メイショウサムソンが春の二冠を制した2006年のクラシック三冠で皐月賞2着、ダービー3着、菊花賞2着に好走。その後も同年ジャパンCでディープインパクトに食い下がり2着を確保した。ただし、同馬の純粋な活躍だけで、TCセゾンの名が知られるようになったのではない。
TCセゾンの前身は、「ジョイ・サラブレッドクラブ」。JCB資本のクラブとして1992年に発足した。「白・赤縦縞・青袖一本輪」のJCBカラーを前面に出した勝負服も、当時はおなじみだった。2002年にGII・日経新春杯を勝ったトップコマンダー、前述のドリームパスポートも3歳時は、JCBカラーの勝負服で出走していた。ところが、2006年秋に経営権がクレディセゾンにわたり、翌年に勝負服も「黒・黄星散・黄袖黒一本輪」に変更。当然、ドリームパスポートの勝負服も変わり、ファンの間で話題になったほどだ。
かつては社台系の白老ファーム色が強かった募集馬も、2006年からガラリと変わった。馬選びから育成までをコスモヴューファーム、実質的にはマイネル軍団の総帥・岡田繁幸氏に一任。1世代目からシンザン記念ワンツーのドリームシグナルとドリームガードナーが登場し、2007年23勝、翌年35勝と、これまで1桁ばかりだった年間勝利数が飛躍的に上がった。
だが、2009年にコスモヴューファームと業務提携を解消