▲グリーンF初のGI馬となったクィーンスプマンテ
各一口クラブを、様々なデータから徹底的に分析していくこのコラム。クラブの特色や強みはどこなのか、血統・価格・厩舎など、どんな条件が一番オイシイ“買い”ポイントなのか、じっくりと探っていきます。(文:大薮喬介)
あえて外国産馬を狙うのもアリ
緑地に黒三本輪の勝負服は、伝説のダービー馬トキノミノルのオーナーである故・永田雅一氏より引き継いだもの。そのグリーンファーム愛馬会の代表馬といえば、2009年エリザベス女王杯を制したクィーンスプマンテだろう。
戦前は、単勝オッズ1.6倍の断然人気ブエナビスタで堅いと誰もが思っていた。同馬はいつのものように後方。逃げる11番人気クィーンスプマンテ、食い下がる2番手の12番人気テイエムプリキュアが後続を大きく引き離し、3コーナーあたりで場内はどよめく。2頭が4コーナーを回った時には悲鳴に変わり、ブエナビスタが追い上げたものの3着まで。大逃げを打ったクィーンスプマンテがグリーンF初のGI馬となった。
「何が何でもハナは作戦通り。クラブとして初のGI制覇ですが、それにしてもビックリです」とレース後にコメントしたのが、グリーンF代表の河野二郎氏。二郎氏の父は元衆議院議員の河野洋平氏、祖父の一郎氏は自民党で一時代を築いた政治家である。
その一郎氏は1966年の菊花賞を制したナスノコトブキの馬主であり、那須野牧場の牧場主だった。一度は洋平氏が牧場を売却したが、二郎氏が同牧場の代表となり、関係が復活。現在も那須野牧場のオーナーブリーダーとして、数頭の競走馬を所有している。
かつては那須野牧場生産馬や外国産馬のイメージが強かったが、2000年産あたりから社台系の生産馬も登場し、クィーンスプマンテも社台ファーム生産である。