■小倉記念(G3・小倉芝2000m)フルゲート18頭/登録19頭
【コース総論】小倉芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★中穴の成績に注目。4〜6番人気と7〜9番人気の成績差が小さく、後者がおトク。
★信頼度、枠番値ともに内枠がトップ。馬番1〜6番は少し評価を上げるのがベター。
★後方に置かれると致命傷のコース。好位追走から早め抜け出しが、勝利の王道。
個人的には荒れているイメージのあった小倉芝2000mだが、コース全体の回収率は単勝63%、複勝72%と低めの数値。平均配当も単勝906円、馬連6225円とやはり高くはなく、意外に順当決着傾向が強い。この傾向は、16頭立て以上の多頭数でも変わらないどころか、さらに強くなる様子。ホームラン狙いよりも、ヒット狙いでいくほうが効率はいい。
注目したいのが、人気別成績である。4〜6番人気と7〜9番人気では成績に大きな差が出て当然だが、当コースでは前者が複勝率21.3%、後者が同20.0%と、その数値にほとんど差がない。さすがに10番人気以下になると成績はガクンと落ちるが、中穴に関しては「より人気薄のほう」を積極的に狙って見る価値アリ。ヒモで狙うなら、まずここだ。
小回りの小倉らしく、枠番については内枠有利。極端に有利なワケではないが、中枠〜外枠に対して連対率で4%前後、複勝率で5%前後は上回っている。枠番値もここだけが飛び抜けて優秀で、内枠を引き当てたというだけで、事前の評価を少し上方修正する必要アリ。逆に外枠は、少し評価を割り引いて考えたほうがいい。
脚質についても、小回りに対応できる先行力を、ある程度は備えている必要がありそう。追込馬の[0-1-3-250]で連対率0.4%、複勝率1.6%という強烈な弱さが、何よりの証明だ。中団からの差しも「届くが突き抜けられない」ケースが多く、逃げ馬を前に置いた好位が理想的なポジション。内枠からスッと好位につけられるようならば、文句なしである。
【レース総論】小倉記念(G3) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気は過去10年で1勝。3〜6番人気が勝つケースが非常に多いレース。
★外枠の不振が目立つ。やはり内枠の評価を高めに設定するのがベターか。
★連対馬はほとんどが前走重賞組。斤量を背負う馬も強く、実績馬が優勢。
1番人気の勝率が低く、ここ4年連続で3〜4番人気馬が制している、小倉記念。しかも、1番人気でこのレースを制したのは2005年のメイショウカイドウが最後で、今年負ければ来年は「過去10年全敗」となる。そういった背景もあって、平均配当は単勝1359円、馬連8420円、3連複5万6562円と、コースデータよりも全体的に高め。10段階評価で「6」くらいの波乱度といえそうだ。
コースデータに忠実なレース結果という印象で、7〜9番人気馬の信頼度が高い(4〜6番人気よりも複勝率は上)のまで同じ。枠番についても「外枠の成績がコースデータよりも低下した」というイメージで、これは開催時期が馬場コンディションのいい2週目に設定されている影響が大きそうだ。枠番値の内外での差から考えても、やはり内のほうがベター。たとえ人気馬でも、外枠に入るとけっこうキツい。
目立っているのが、5歳以下馬の強さである。6歳以上馬と比較するとその優秀さは歴然で、複勝率には20%近い差が出ている。そして斤量別では、馬券に絡んでいる数はおおむね互角も、率でいえば格段に「ハンデ56キロ以上馬」のほうが優秀。あとは、前走から斤量増となる馬が、トータル[3-1-3-10]で複勝率41.2%と非常に好走率が高いというのも、ぜひ覚えておきたいポイントである。
それ以外では、連対馬20頭のうち17頭までが「前走重賞組」であることや、前走着順や前走人気が結果とリンクしており、大きな巻き返しが期待できるレースではないこと、前走新潟大賞典組の強さなども、小倉記念の特徴。データ全体を俯瞰して見ると、勢いよりも実績を重視したほうが、好結果を呼び込めそうなレースだといえる。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース継続。やはり全体的に前が強いが、例年よりは差せている印象アリ。
・天候予測
週明けまで延々と真夏日が続く北九州市。含水量の低い馬場となりそうな気配。
・注目血統
ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ハービンジャー産駒▲、キングカメハメハ産駒△、シンボリクリスエス産駒△
まさに「真夏!」という天候が続く、小倉競馬場の近辺。この暑さは週末まで和らぐ気配はなく、降水確率も低め。突発的なゲリラ豪雨でも発生しないかぎりは、パンパンの良馬場でのスピード勝負となりそうだ。馬場に関しては、小倉芝の開幕週らしい前が強い状況だが、例年よりはナンボか差せている印象アリ。道中のペース次第では、差し馬の台頭も十分にありうる。
血統面でのトップ評価はハーツクライ産駒。連対率30.0%、複勝率40.0%、複勝回収率121%と申し分のない成績で、内容的にはディープインパクト産駒を上回っている。この「二強」以外では、キングカメハメハ産駒、シンボリクリスエス産駒、ハービンジャー産駒をプラス評価。成績上位種牡馬のラインナップから推測するに、軽いスピード馬場ではあるのだが、適度にパワーも要求されると捉えておくのがいいか。
★出走登録馬・総論×各論 フルゲート18頭に対して19頭がエントリーと、回避馬が出てもソコソコの頭数となりそうな今年の小倉記念。一昨年の覇者で昨年も3着に好走しているメイショウナルト、皐月賞以来となる3歳馬ベルーフ、格上挑戦となるが能力は重賞級のアズマシャトルなど、じつに難解なメンバー構成である。
そんな混戦を断つ存在の筆頭候補が、牝馬の
ウインプリメーラ。それほど牝馬が強いレースではないが、この酷暑でプラスに出ることはあっても、マイナスに出ることはないはずだ。牝馬のハンデ53キロは過去にも好走例があるプラス材料で、5歳以下の前走重賞組で脚質面もピッタリと、プラス評価の多さはかなりのもの。5番人気あたりになりそうなのも、このレースに関しては大歓迎の材料である。
二番手評価に
メイショウナルト。気性的なムラっぽさはあるが、2年連続好走と適性の高さは文句なし。7歳という年齢がマイナスも、57キロのハンデや血統面、ローテ、脚質など、プラス評価となった項目の多さは、それを補ってあまりあるものだ。二度あることは三度あるとみて、その力を高く評価しておきたい。
三番手に
タガノグランパ。こちらもアテにしづらいタイプだが、前走がオープン特別というローテ面の割引材料以外は、おしなべて高評価。良馬場となる確率が高そうなのは非常に大きなプラスで、セントライト記念以来となる好走がここで見られてもおかしくはないはず。好走が期待できそうな人気薄の、筆頭格といえる。
この3頭に僅差で続くのが
ベルーフ、
パッションダンスで、ここまでが上位評価組。以下は、アズマシャトル、サンライズタイセイ、マローブルーという序列である。現段階では、外枠にでも入らないかぎり、迷わずウインプリメーラから勝負する心づもり。内枠にでも入ろうものなら、ここはけっこう力を入れて買ってみたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
新潟11レース アイビスSD(G3)
1着 13ベルカント
2着 09シンボリディスコ
3着 12アースソニック
トップ評価のマコトナワラタナは、2枠2番で大幅に評価ダウン。「外枠の上位評価組」となった13ベルカントと12アースソニックに思いっきり寄せた馬券で勝負しました。ええ、ゴール後は久々に叫びましたよ、「ワイドー!!」って……。くっそお、水曜日になってもまだ悔しい(怒髪天)。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。