▲2011年のダービー卿CTを優勝したブリッツェン
各一口クラブを、様々なデータから徹底的に分析していくこのコラム。クラブの特色や強みはどこなのか、血統・価格・厩舎など、どんな条件が一番オイシイ“買い”ポイントなのか、じっくりと探っていきます。(文:大薮喬介)
入会金0円やポイントプログラムも特徴
かつて、シンボリ牧場が母体となった「シンボリホースメイト」というクラブがあった。牡馬クラシック三冠を無敗で制し、天皇賞春秋連覇、ジャパンC、有馬記念2連覇を達成した、あの皇帝シンボリルドルフは同クラブとシンボリ牧場の共同馬主馬。そのシンボリホースメイトを受け継ぐかたちで、1995年にスタートしたのが「サウスニアレースホースクラブ」だ。
そして、2007年にリニューアルしたのが現在の「広尾サラブレッド倶楽部」である。バイヤー系のクラブであり、一時期サウスニアRHC時代から定評のあった外国産の募集がなくなっていたが、現在は外国産馬の募集もある。
少数精鋭とうたっているだけあって、デビュー率はかなりのもの。現6歳世代が約91%、現4歳、5歳世代が100%、現3歳は約85%。現3歳世代は3歳未勝利が残っているので、最終的には90%超になりそうだ。個人馬主でさえも「競走馬はデビューすることが難しい」というのだから、ほぼ確実にデビューしてくれる広尾の馬は出資者からしてみたら、非常にうれしいことだろう。
募集口数は40〜800口まであり、一口3万円の馬もいれば、100万円超の馬もおり、バリエーションが豊富。また、入会金が0円というのも、同クラブの大きな特徴だ。また、ポイントプログラムもあり、「早期特典」「母馬出資会員優待」などポイントを貯める独自のシステムがある。オリジナルグッズに交換することはもちろんこと、募集馬の出資金に充当することもできるのだ。
クラブの代表馬といえば、2011年にダービー卿CTを優勝したブリッツェン。同馬は初勝利に5戦ほどかかったが、古馬になって素質が開花した。重賞優勝後も、オープンの巴賞2着、ディセンバーS3着で好走し、総獲得賞金は1億7602万円。回収率762%と、出資者に大幅プラスをもたらした。