5月12日、船橋「東京湾カップ」は新星が登場した。アジュディミツオー。外枠ながら問答無用で先手をとり、そのまま堂々と押し切った。ゴール前さすがに脚は上がったものの、2.1/2馬身差のセーフティーリード。気持ち軽い馬場にせよ、1800m1分52秒2なら価値感は相当高い。新馬→条件を連勝しただけのキャリア2戦。「いきなり重賞?　いやいや自信があるから使うんだよ」と、レース前、川島正行調教師。「まあ見てなさい…」。それを呑みこむコメントだったということか。いずれにせよ同軍団の布陣は、今季も依然強力で、その士気もきわめて高い。

　東京湾カップ(サラ3歳　別定　南関東G3　1800m梢重)

(1)アジュディミツオー　(54・佐藤隆)　　　1.52秒2
△(2)ゼレンカ　　　　　(54・内田博)　　　　2.1/2
▲(3)スプリングエトナ　(54・石崎隆)　　　　　3
△(4)ビッグライデン　　(54・酒井)　　　　　1.1/2
◎(5)ドラゴンシャーク　(54・桑島)　　　　　2.1/2
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△(6)ミチシオ　　　　　(54・戸崎)
△(7)ランノホシ　　　　(55・早田)
○(8)ニイタカレアル　　(54・鈴木啓)

　単450円　馬複1590円　馬単3410円
　3連複970円　3連単8270円


　アジュディミツオーは、父アジュディケーティング、母オリミツキネン(ジャッジアンジェルーチ)。510キロの大型馬で、体型そのものも前躯がガッシリ発達し、典型的なマイラーをイメージさせる。ただし、1000m→1500m→1800m、苦もなく結果を出すあたりが、馬の持つ絶対能力、競馬センスの高さだろう。「(ハナに)行ってくれという指示。道中うまく息が入ったし、とにかくスケールが大きいです」と佐藤隆騎手。6月3日大井「東京ダービー」。仮にベルモントストーム不在なら、一躍1番人気の可能性もある。「大事に使って行きたいので、次のことはまだ未定」と川島師は慎重だが、スターダムに昇ったのは間違いない。初コースと初ナイター、さらに未知の相手、流動的な展開をどう克服するか。

　2着ゼレンカは同じ川島正厩舎で、ハナから待機策を決め込んだ。道中砂をかぶり、それでいて直線パワフルに伸びたのだから、大収穫というべきだろう。ダーレージャパン、話題先行の外国産馬。ひとまずそんなマイナスイメージを振り払った。あとは大井コースの適性。こちらはダービー挑戦をすでに陣営が明言している。スプリングエトナは好スタートをいったん押さえ、いかにも石崎流、無理なくハコの競馬をさせた。結果3着。同じ無傷の連勝馬でも、勝ち馬とはスケールの点で一枚落ちというしかない。期待したドラゴンシャークは5着。道中最後方。3～4コーナー、外からいい感じの追い上げにみえたが、直線案外伸びを欠いた。テンションが上がる気性。当日のパドックも、ジョッキーが騎乗したあたりから気負いが目立った。ランノホシは結果的に試走。馬体、気配とも久々にしては悪くなく、本番へ向けどう変わるか。

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　東京プリンセス賞出走予定馬(5月21日大井　サラ3歳牝馬　定量　南関東G1　1800m)

◎ラヴリーズン　　　　(54・金子)
○クラメガミ　　　　　(54・張田)
▲ニューサイエンス　　　(54・山田信)
△カネマサヴィーナス　(54・左海)
△アイチャンルック　　(54・内田博)
△アミュレット　　　　(54・的場文)
△ブルーロバリー　　　(54・今野)
　クラマサライデン　　(54・森下)
　キャニオンドリーム　(54・川本)
　　　　　　　　　　　(騎手は推定)　　　

　ラヴリーズン◎は、桜花賞が終わり、ビービーバーニング戦列離脱の時点で決めていた。その桜花賞はキャリア5戦目の初コース。スタートでアオリながら道中馬群を縫うように追い上げ、直線あと100m、いったん先頭に立っている。外から無欲の追い込みを決めたカネマサヴィーナスと1/2差なら明らかに素質上位。父アラジ、一戦ごとに馬体が増えてているあたり、パワー優先の大井1800mも十分克服可能だろう。フットワークから推して道悪などは巧いはず。ポンと出て流れに乗りたい。桜花賞3着のクラメガミも当時ゲートで失敗した。経済コースで折り合い、ひるまずインを突いたレースぶりは底力を感じさせる。父ホリスキーはトキノコジローと同じ。04南関東の一種トレンドになりそうだ。穴はニューサイエンス。前走4コーナー12番手から息をのむ大外一気。距離延びてよさそうなゼネラリスト産駒で、いかにも個性派というムードがある。