▲デビュー3連勝で京成杯を制したローマンエンパイア 撮影:下野雄規
各一口クラブを、様々なデータから徹底的に分析していくこのコラム。クラブの特色や強みはどこなのか、血統・価格・厩舎など、どんな条件が一番オイシイ“買い”ポイントなのか、じっくりと探っていきます。(文:大薮喬介)
3世代に渡る募集スタイルも特徴
古くからあるクラブで設立は1947年。1970年代以降は吉田善哉氏の協力のもと、社台ファームの生産馬がほとんどだったが、1994年に日高地区の22の牧場が集まり、「馬産地直結型クラブ」として再スタートした。
現在は44にまで運営牧場が増え、産地直結を生かして良心的な価格で募集馬を提供している。募集口数は100〜500口で、ディープインパクト産駒などの良血もいながら、一口4万円から出資できるのはうれしい限り。今ではそう珍しくない当歳馬募集も、1996年に同クラブが先駆けて行っており、これも牧場系のクラブらしい。1歳馬募集、即戦力としての期待を込めた2歳馬募集と、3世代に渡る募集スタイルも特徴のひとつだ。
募集馬のラインナップも、44の生産牧場の好みや個性が反映されて、非常にバラエティ豊かな顔ぶれ。その証拠に過去の活躍馬のタイプもさまざま。当歳馬募集からは、2002年に京成杯を含む3連勝で、一躍牡馬クラシック候補になったローマンエンパイア、同年小倉2歳Sを10番人気で制したメイプルロード、ダートの短中距離で活躍したサイレンスボーイ。1歳馬募集でも、2006年に函館スプリントSを最低人気で優勝したビーナスラインが出ており、それぞれ違う路線で活躍している。