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種牡馬の初年度→2年度(須田鷹雄)

  • 2015年08月11日(火) 18時00分


◆昭和の常識では、種牡馬は初年度の成績が良く、2年目は落ちるものだった。しかし…

 今年は新種牡馬の当たり年という雰囲気になってきている。あちこちで書かれていると思うので例は挙げないが、初勝ちをあげた種牡馬の数はかなり多い。これまで成功例の少なかったケープクロスの系統であるベーカバドも勝ち馬を出しているし、個人的に苦戦するのではと思っていたカジノドライヴも、中央勝ちに加えて地方の重賞勝ち馬を早々に出した。

 となると、狙いは来年度のPOGにおける今年の新種牡馬たちだ。

 昭和の常識では、種牡馬は初年度の成績が良く、2年目は落ちるものだった。シンジケート組み立てのときは頑張って繁殖牝馬を確保するが、次年度はその反動が来るからである。

 しかし最近の傾向は違っている。経験則的なものではあり理由ははっきりと分からないが、「2世代目が走る」という流れがあるように思える。

 裏を取るためにいまの主力種牡馬を「POG期間内の1走あたり賞金」で見てみると……。

POG期間内の1走あたり賞金

POG期間内の1走あたり賞金、初年度と2年度



 これは昨年の中央2歳リーディング10傑(新種牡馬だったハービンジャーを除く)なのだが、初年度と2年目の1走賞金を比べた場合は5勝5敗だ。

 ただ、初年度が安かったほうから4頭はすべて次年度伸ばしている。これ以下だとマツリダゴッホ(69万→85万)やチチカステナンゴ(58万→100万)なども同様のパターンだ。

 初年度に産駒が走りすぎると維持が難しく、走っていなければ上げやすいというのは当然といえば当然。しかし実際のPOG人気では、初年度産駒が走れば指名者がどんどん群がってくるし、走らなければ一気に引いていく。ところがその動きが結果として逆を突く可能性があるということだ。

 今年の新種牡馬でいうと、「まずまず走っているのだが、GI級は出していない」くらいに収まる種牡馬が来年の狙い目になるのではないかと思う。POGに限らず競馬の世界は新しいもの好きの傾向にあるが、「敢えてもう一度試す」という選択肢も忘れずにおきたい。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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