◆現3歳以上の国内2歳セール取引馬について、POG期間内成績を集計してみた 私は定期的にセールの結果(価格や落札者ではなく、各馬がどのくらい走っているかが主)を振り返っているのだが、血統と結果を対比していちばん面白いのは2歳セールではないかと思う。
よく「即戦力」などと言われる2歳セールだが実際のところセールから直行でそのまま大活躍などというケースは少なく、逆に直行ですぐイケるケースは、ある程度血統に条件がつく。
海外、特にアメリカの2歳セールを見ていても、供覧で時計ばかり出て競馬ではあまり走らないとか、走ってもけっこう後の時期とか、種牡馬ごとの特徴は感じられる。
そこで今回はデータをとりやすいところで、POG期間の成績が確定している現3歳以上の国内2歳セール取引馬について、POG期間内成績を集計してみた。
いまも北海道産の産駒が十分な数いる種牡馬で、対象期間内の2〜3歳戦に産駒が50頭出走以上している種牡馬で1走あたり賞金から主なところを拾うと次の通り。
産駒が50頭出走以上している種牡馬の国内2歳セール取引馬1走あたりの賞金
セイウンワンダー一発で指標を伸ばしたグラスワンダーのようなケース、勝ち上がり率の低いケースは外した。こうしてみると、通常の付加価値とはかなり違う物差しが必要ということが分かるだろう。マンハッタンカフェやダイワメジャーのような種牡馬は良いとして、「高いのに2歳セール組は走らない」という一流種牡馬がいることも想像できる。
ネオユニヴァースは牝馬が走らないこともあって2歳セール組の成績が芳しくないし、ダンスインザダークはこの条件での勝ち上がり率15.8%。意外なところではゴールドアリュールも勝ち上がり率17.2%だ。ネオ同様牝馬が走らないタイプの種牡馬だが、このグループでは牡馬15.4%、牝馬18.8%で、牡馬も走っていない。
こうして見ると、やはり2歳セールならではの種牡馬観というのは必要と思われる。来年になったら忘れていそうな話だが、まずは今年の2歳世代の走りをこの基準に照らして見ていきたい。