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サマーセール白熱中(須田鷹雄)

  • 2015年08月25日(火) 18時00分


◆想像以上に買い手にとってはかなりキツいセリになったサマーセール

 POG現行シーズン真っ盛りの2歳世代ではなく1歳世代の話になるが、サマーセールに来ている最中なので同セールの話を書かせていただきたい。

 セレクトセール→セレクションセールと大盛況だった後だけにかなりキツいセリ(買い手にとって)になるだろうとは思っていたのだが、想像以上だった。売却率は牡馬75.15%、牝馬59.86%で全体67.85%。昨年の初日が牡馬63.05%、牝馬54.68%の全体59.29%だから相当に上がった。5年前の2010年は牡馬46.04%、牝馬28.31%の全体38.09%だったのだから隔世の感がある。

 平均価格は牡馬5,369,652円(税込)、牝馬3,138,136円(同)だから極端に高いとは思われないかもしれないが、これには理由がある。たとえ血統があっても明らかにデキが劣る馬や瑕疵のある馬は主取りかリザーブ前後で取引され、競りになる馬はとことん競りになるという二極化が激しかったのだ。ちゃんと標準偏差を計算したわけではないが、実感としてはそうなっている。誰が見てもデキがいい、という馬はとことん競り上がる。

 POGは馬主ごっこでもあるが、正式には「馬主の外ウマに乗るごっこ」でもある。その意味で今年のサマーセールは非常に面白い観察対象でもあるので、ぜひネット中継を見たり、結果を見ていただきたい。競ってでも当たりの馬を引いたのは誰なのか、この状況下でリスクのある安い馬を買い、それでも結果に繋げるのは誰なのか。後者についてはトレーニングセールで今回買った馬を今度は売るピンフッカーも含めて、今後をフォローするとかなり興味深いと思う。

 POGは価格が反映されないのでどうしても高馬奪い合い大会になってしまうが、「サマーセール取引馬限定・頭数&総価格限定POG」なんていうものを仲間うちでやったら、かなり熱い戦いになるかもしれない。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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