好調だった昨年を上回る売上!サマーセール2015を終えて
“買い手市場のセール”から”売り手市場のセール”へ
8月24日から27日までの4日間、静内の北海道市場で行われたサマーセール2015。今年は7月のセレクトセール、セレクションセールともに売上レコードを大幅に更新しているため、サマーセールでも大きな期待感がありました。4日間を通しての総売上は、約38億円。昨年の約31億円も一気のレコード更新でしたが、それをはるかに上回るレコードとなりました。
特出すべきは、その売却率。永らくサマーセールでは「売却率60%」を目標に掲げて来ましたが、今年は65.54%という高い数字になりました。
なぜ売却率が大事なのかといえば、生産者に対して「このセールに出せば売れる」という証明になるからです。セールに出しても売れるか売れないか五分五分、というのでは庭先取引の方が確実であり、特にいい馬はセール前にお声が掛かってしまいます。そうなると、セールにめぼしい馬が集まらず、購買者も集まらなくなる…という負の連鎖になるのです。昨年のサマーセールで初めて売却率60%を超え、生産者の意識も大きく変わって来ました。今年は昨年よりも106頭多い1239頭が上場され、その質も高かったことからさらなる好結果に繋がったのだと考えています。
それでは、今年のサマーセールを振り返っていきましょう。サマーセール、と一言で言っても、その日にちによってセールの雰囲気がガラリと変わります。特に5日制から4日制に変わってからはその傾向が強くなり、初日2日目はJRA関係者(月曜日が休みのため)が多く、3日目4日目は地方関係者が多い印象。価格的に考えると、JRAで戦う馬たちの方が高額になりますから、初日2日目に上場したいと考えるのが生産者の心情ではないでしょうか。
日にちによって雰囲気が変わるのはサマーセールならではの特徴であり、面白い部分でもあります。上場順は生産牧場にとってかなり重要なポイントになりますから、牧場名のあいうえお順で毎年繰り上げていき、偏りがないように公平に選定されています。
24日の初日には、朝8時からの馬体展示に多くの購買者が来場。例年以上の人の多さに、牧場関係者やセールを主催する日高軽種馬農業協同組合の皆さんの表情も明るかったです。
対照的に、悲鳴が上がったのが購買者の方々。これまでのサマーセールでは、競り合いになる馬は一日に数えるほどで、多くの馬が一声で落札することができました。そのため、“買い手市場のセール”という印象が強かったのですが、初日は一声で落札される上場馬はほとんどなく、お声が掛かる馬はどんどん競り上がっていきました。候補馬を落札できなかった購買者が続出し、セレクトセールやセレクションセールのように、競ってでも手に入れたい“売り手市場のセール”へと変貌したのです。
初日の売却率が67.85%、2日目は初日以上に盛り上がり68.55%を記録。ここまであまりの好調ぶりに、木村貢日高軽種馬農協組合長は「3日目からの落ち込みが怖い…」と仰っていました。事実、