【栗東】
◆イリデッセンス(牝、父ダイワメジャー、母スペリオルパール、栗東・佐々木晶三厩舎)
ディープインパクト産駒の半兄ラストインパクトは2014年京都大賞典など重賞3勝を挙げており、母系には1994年の三冠馬ナリタブライアンや1994年天皇賞(春)を制したビワハヤヒデがいる血統。
本馬はゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、8月5日にノーザンファームしがらきから栗東へ再入厩。8月19日は坂路で4F55.1秒をマークし、1週前追い切りとなる8月27日はCWで川田将雅騎手(レースでも騎乗予定)が跨っての追い切り。手前を替えないなど、まだまだ課題も多い動きだったが、時計自体は6F85.0秒、1F12.1秒とまずます。デビュー予定の9月6日(日)小倉芝1800mでどのような走りを見せてくれるか注目したい。
◆ヒルトンヘッド(牡、父ダイワメジャー、母アシュレイリバー、栗東・角田晃一厩舎)
おじに2012年NHKマイルCを制したカレンブラックヒル、2014年ユニコーンSを制したレッドアルヴィスがいる血統。本馬は2014年セレクトセール1歳にて、5000万円で落札されている。
血統的背景やセリ価格から注目を集めて当然の馬ではあるが、それに大きな付加価値が加わったのが、8月26日の坂路での追い切り。4F50.4秒はこの日の三番時計であり、2歳では図抜けて一番時計。「普段は大人しいので、どのくらい動けるのか確認する意味でも僕が騎乗してみたんですが、行き出すとすごいスピード。結果的に2F続けて11秒台になりましたが、最後は12秒台とバッタリ止まらなかったのがいいですね。距離の融通は利かないと思うので、ヒシアケボノみたいになってくれれば」と角田晃一調教師。ジョッキー時代に騎乗してスプリンターズSを制した馬名が出てくることで、期待の大きさが分かる。9月5日(土)新潟芝1400mをM.デムーロ騎手でデビューする予定となっている。
◆パーリオミノル(牝、父ディープインパクト、母ヴィヴァシャスヴィヴィアン、栗東・北出成人厩舎)
半兄に芝で2勝を挙げているサトノロブロイ(父ゼンノロブロイ)がいるが、全姉ジニアスミノルは先週までの時点で8戦して未勝利。「牧場(フジワラファーム)からもジニアスのことはいろいろ聞いていますが、馬体が小さくて、調整が難しいようですね。パーリオはそういった意味で馬体の心配はありません」と北出成人調教師。
ただ「気難しいところがあって、そういった意味での調整の難しさがあります。ただ、追い切りには藤岡康太騎手(レースでも騎乗予定)に跨ってもらったり、いろんな工夫をして、少しずつ改善しています。動き自体はいいので、この雰囲気でデビューできれば」とのこと。デビュー戦は9月5日(土)札幌芝1500mを予定している。
◆タムロゴーゴー(牡、父ネオユニヴァース、母タムロイーネー、栗東・西園正都厩舎)
母は現役時代に同厩舎で管理されて、ダートで4勝を挙げている。ディープインパクト産駒の半兄タムロミラクルは先週の未勝利戦を単勝1.2倍の支持に応えて完勝している。
8月7日に宇治田原優駿Sから栗東へ入厩し、ゲート試験に合格した後、追い切りを開始。8月26日のCWでは3歳未勝利に少し遅れたが、食らい付く動きは見せており「ここまでの追い切り本数が多くないし、CWでは初めての追い切りだった割にはしっかり動けたのでは」と西園正都調教師。9月6日(日)小倉芝1800mを酒井学騎手でデビューする予定となっている。
【美浦】
◆タマワイドベガ(牝、父エンパイアメーカー、母ウメノファイバー、美浦・相沢郁厩舎)
サクラユタカオー産駒の母は1999年のオークスを勝ち、相沢郁厩舎にGI初制覇をもたらした。本馬が9番仔となる。ゲート試験に約1カ月の時間を要したが、合格後は順調に追い切りの本数を重ねてきた。「ウメノファイバーの子では一番かもしれない。ゲート試験では気難しいところを見せていたけど、背中や全体のバランスがいい。稽古の感じからも現状では芝向きだと思う」と相沢郁調教師。9月6日、新潟の芝1800mを田辺裕信騎手で予定している。
◆シュートラヴ(牝、父ゼンノロブロイ、母ジョイチャイルド、美浦・相沢郁厩舎)
こちらは祖母がウメノファイバー。シンボリクリスエス産駒の母は地方競馬の笠松で3勝した。本馬が初仔になる。8月26日の追い切りではタマワイドベガと併せて先着しており、ひと追い毎に気配が上向いてきた。「こっちは素直だし、思っていた以上に動く。体つきからも距離的には短めの方が良さそう」と相沢郁調教師。9月5日、新潟の芝1400mに田辺裕信騎手で予定している。
◆ミライヘノサイン(牝、父ブラックタイド、母ジョリーン、美浦・武藤善則厩舎)
新潟2歳Sを圧勝したロードクエストと同様、昨年のHBAサマーセールで取り引きされた。ここ2週は力の要るウッドチップコースで追われ、上々の動きを見せている。「自分でも乗ってみたけど、すごく乗り味がいい。操縦しやすくて気持ちのオンとオフもしっかりとしているし、ちゃんと加速していく。どちらかと言えば、長く脚を使いそうなタイプですね」と武藤善則調教師。9月6日、新潟の芝1800mを吉田隼人騎手で予定している。馬名は武藤調教師の長女・彩未さん(アイドル歌手)の楽曲、『未来へのSign』に由来しているという。
◆ディーマジェスティ(牡、父ディープインパクト、母エルメスティアラ、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)
母の産駒はコンスタントに勝ち上がり、セイクレットレーヴ(ニュージーランドT2着)、ワールドレーヴ(札幌日経オープン3着)、ホクラニミサ(現2勝)などが活躍している。目立つ時計こそ出していないが、函館競馬場のウッドチップや本馬場(芝)など様々なパターンで追い切りの本数を重ねてきた。「育成場の評判が良かったし、だいぶ成長して馬体重も増えてきた。全姉のホクラニミサなんかに比べるとバランスがいい」とのこと。9月5日、札幌の芝1800mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。