■新潟記念(G3・新潟芝2000m外)フルゲート18頭/登録20頭
【コース総論】新潟芝2000m外 Aコース使用
・コースの要所!
★アタマはそれなりに堅いコース。波乱を狙い撃つならヒモをひねる方向で。
★内枠である馬番1~6番はかなり有利。評価はフツーに「内>中>外」の序列。
★逃げ馬は壊滅状態で差しが圧倒的優勢。中団からキレる脚を使える馬が◎。
コース全体での平均配当は、単勝1170円、馬連6003円、3連複2万170円と、高くも低くもない標準的な数値。新潟芝の外回りというとけっこう堅いイメージがあるが、実際にはそこまで堅くはない。今年5月に行われた新潟大賞典も、2着に13番人気のナカヤマナイトが激走して、3連単94万馬券の大波乱決着。アタマはそれなりに堅いが、ヒモはけっこう荒れるというのが、人気別成績からの印象である。
また、最初のコーナーまで948mもあるにもかかわらず「不思議なほど内枠が強い」のも大きな特徴。枠番の影響などかなり小さくなりそうなものだが、内枠である馬番1~6番が明らかに優勢なのだ。勝率・連対率・複勝率のいずれも大幅に高く、枠番値もプラス0.3と優秀な数値。誰がどう見ても、内枠有利という結論にたどり着く。
そして最後に脚質だが、こちらはもう「完全に」差し優勢。これほど先行勢の成績が悪いコースは珍しい。前に行った瞬間に勝てなくなるといっても過言ではなく、4コーナーを7番手~9番手で回り、そこからキレる末脚を使えるような馬を重視すべき。追い込みも届くが、ベストポジションはあくまで中団だ。
【レース総論】新潟記念(G3) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気を筆頭に人気サイドが大不振。コースデータよりも格段に荒れている。
★ひとケタ馬番とそれ以外とで、大きな成績差アリ。やはり外枠はイマイチだ。
★前走で芝1800m~2200m戦に出走が好走の必要条件。斤量は適度に重いのが◎。
平均配当は単勝1821円、馬連8930円、3連複3万9353円と、コースデータとは比較にならないほどの高さ。その要因が、1番人気[1-0-0-9]、3番人気以内[3-1-2-24]といった、人気馬の不振である。1~3番人気よりも4~6番人気のほうが好成績という時点で、このレースの波乱傾向の強さは一目瞭然。7~9番人気の複勝率も25.8%と非常に高く、新潟記念が「穴を狙ってナンボ」であるのは間違いない。
人気薄での激走例が関東馬に偏っているのも、攻略のカギとなりそうなポイント。「関東馬は人気でも穴でも買えるが、大穴の関西馬は買いづらい」と覚えておこう。また、年齢別成績において「信頼性の高さは5歳以下、爆発力の強さは6歳以上」といった傾向が見られるのも、必ず押さえておくべきだ。
そして、かなり重視したいのが「枠番」である。コースデータでも内枠有利の傾向にあったが、レースデータではそれがさらに加速。ひとケタ馬番とふたケタ馬番で、比較にならないほどの成績差が出ている。ひとケタ馬番のなかでも、勝率が飛び抜けて高いのが、内枠である馬番1~6番。枠番値もプラス域で、単勝回収率の高さも大きな魅力といえる。
あとは、好走馬のほとんどが「前走芝1800m~2200m戦」に出走しており、前走芝マイル組が苦戦していること。ハンデは重すぎても軽すぎてもダメで、斤量55キロ~57キロであるのが望ましいこと。コースデータほどには差し優勢ではなく、前走で先行していた組が意外に強いことなども加味して、取捨選択を行いたい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース継続。内側にかなり傷みが出てきている馬場コンディションである。
・天候予測
週末まで曇天が続く見込み。稍重くらいまで渋る可能性も十分にありそう。
・注目血統
シンボリクリスエス産駒◎、ディープインパクト産駒○、スペシャルウィーク産駒▲、ハーツクライ産駒△
引き続きAコースでの開催だが、直線ではジョッキーがコースの内側を避けているように、馬場にはかなり傷みが出てきている状況だ。馬場だけ見れば外差し優勢だが、能力や馬場適性次第では、先週のロードクエストのような競馬もできるはず。腹をくくってインを突くか、もしくは加速しながら大外をブン回すという、思い切った競馬のできるジョッキーを狙ってみるのも面白いかもしれない。
高いレベルの瞬発力が要求されるコースでもあり、勝利数上位にはディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒、ハーツクライ産駒などが順当にランクイン。そんななかで異彩を放っているのが、単勝回収率360%を叩き出しているシンボリクリスエス産駒である。パワー型だけに、馬場の悪化は大歓迎のクチ。重賞のここでも、侮れない存在になってきそうだ。
★出走登録馬・総論×各論 人気馬が徹底的に弱い「荒れるハンデ重賞」でもあり、穴党ならずとも胸が高鳴る新潟記念。関屋記念2着のマジェスティハーツや、前走で新潟大賞典を快勝しているダコール、「強い3歳世代」からミュゼスルタンとアヴニールマルシェなど、じつに面白いメンバーが登録してきた。
しかし、ここまでに名前をあげた4頭は、いずれも「押さえ」か「消し」評価。当データ分析で上位評価となった馬は、1頭もいない。荒れそうだからと恣意的に評価を落としたというワケではなく、自然とこのような結果になったことを強調しておきたい。……と、前置きが長くなってしまったが、そろそろ「各論」へと入ろう。
ハナ差でトップ評価となったのは
アルフレード。「ハンデ56キロの前走芝2000m戦組」と好走の必要条件をキッチリ満たしており、さらにシンボリクリスエス産駒という血統面、関東馬であること、新潟芝実績など、プラス評価となる項目の多さが目立つ。2走前の新潟大賞典では最速上がりと、末脚のキレも問題なし。あとは、できるだけ人気にならないことを祈るのみだ。
二番手評価に
パッションダンス。こちらもアルフレードと同様に「ハンデ56キロの前走芝2000m戦組」で、血統面もプラス評価の対象。思い切った騎乗ができるM.デムーロが騎乗予定であるのは、現在の馬場コンディションを考えると余計に魅力的だ。新潟芝実績もあり、好位~中団で流れに乗れそうなのも好印象。前走を叩かれて、デキも上向いてくることだろう。
三番手に
ユールシンギングで、こちらも必要条件はクリア。前走・七夕賞では最下位に敗れているが、コレで思いっきり人気を落としてくるようなら、なおさら食指が動かされる。プロフィル的には上位の2頭と比較してもまったく遜色はなく、好走実績のある新潟替わりも、間違いなくプラスに出るはず。人気薄での激走を期待したい。
あとは、
メドウラークと
ロンギングダンサーまでが上位評価組。以下はアーデント、ダコール、マイネルミラノ、ファントムライト、マジェスティハーツという序列である。あとは、もうひとつの必要条件である「ひとケタ馬番」を、どの馬がゲットするか次第。いずれにせよ、ここは攻めの姿勢で、ブンブン振り回す馬券で勝負といきたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
札幌11レース キーンランドC(G3)
1着 13ウキヨノカゼ
2着 16トーホウアマポーラ
3着 10ティーハーフ
惨敗ッ! 堅く決着するという見立て自体からして間違っていたワケで、もう「申し訳ない」としか言いようがありません(陳謝)。悔しい点があるとすれば、勝ったウキヨノカゼと3着のティーハーフがいずれも、買いだと強調した「前走最速上がり」の馬だったこと。来年のこのレースで雪辱を期したいデスネ。
※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。